
【検証】KEMPERでプラグインをプロファイリングしたら、ギターの持ち替えで「バタフライ効果」が起きる予感がした話
KEMPERで(Neural DSP Archetype: Gojira XのAMP+CAB)をプロファイリングし、実用性を確かめるためにDAWで録音検証を行いました。
ギターの手元ボリュームを絞った(Vol 5)実験を行ったことで、ある興味深い考察にたどり着きました。
それは、「プロファイリング時と異なるギターに持ち替えた瞬間、音色のズレがバタフライ効果のように大きく広がるのではないか?」という仮説です。
今回の検証データと、そのメカニズムについてまとめました。
1. 実験内容:プラグインの音をKEMPERへ取り込んで録音比較
キャプチャ対象: Neural DSP Archetype: Gojira X(AMP + CAB)
検証方法:
ノイズゲートやフィルターをすべてOFF、KEMPER側でプロファイリング。
「元のGojira X」と「KEMPERに取り込んだプロファイル」の2つを、ギターVol 10(フルゲイン)とギターVol 5(クランチ)で弾き比べ、DAW上で録音データを聴き比べる。
2. 録音データの比較結果
① ギターVol 10(フルゲイン時)
結果: 「意識して聴かないと分からない」レベルでほぼ同一。
演奏時に微小な感触の違い(アタックの沈み込み方)をわずかに感じるものの、録音された音は、ほぼ完全に再現されていました。
② ギターVol 5(手元で絞った時)
結果: 「はっきりと聞き分けができる」レベルで差が発生。
手元のボリュームを絞って入力信号を落とした際、元音(Gojira X)とKEMPER側で「減衰していく歪みの質感や音の引き方」に明確なズレが生じました。
3. 考察:なぜVol 5のズレから「バタフライ効果」が予想できるのか?
Vol 10で「ほぼ同じ音」だったものが、Vol 5で「はっきり分かる差」になった。 ここから導き出されるのが、ギターを持ち替えた時の「バタフライ効果(初期条件のわずかな違いが、将来的に大きな差を生む現象)」です。
ギターを持ち替える=「入力条件(インプット)」の激変
プロファイリングを行ったギターとは「別のギター」に持ち替えるということは、KEMPERに入力される信号に対して以下の変化が同時に起こります。
ピックアップ出力の差(高出力ハムバッカー ⇔ 低出力シングルコイル等)
ピッキングした瞬間の初期アタック電圧の差
持ち替えたギター側で手元ボリュームを操作した時の減衰カーブの差
なぜ差が「爆発的」に広がるのか?
ギターを持ち替えて出力が上がったり下がったりすることは、まさに今回の「Vol 10からVol 5へ信号レベルを変化させた実験」と全く同じ状態を人工的に作り出すことになります。
プロファイリング時と同じギター(Vol 10): 入力レベルやアタックのピーク値がプロファイリング時の測定データと一致しているため、ズレは最小限に抑えられ、完璧に近い再現度を保てる。
別のギターへ持ち替えた時: ピックアップの出力差やピッキングの強弱によって入力レベルがブレた瞬間、Vol 5の実験で起きた「減衰処理のズレ」がトリガー(引き金)となります。 入力信号の変化に対して、元のGojira X側とKEMPER側とで「歪みの引き方」や「レスポンスの変わり方」の処理が異なるため、入力のわずかな違いが掛け算となり、出力される音色のズレが一気に増幅(バタフライ効果)してしまうと考えられます。
まとめ
今回のプロファイリング&録音検証から、以下の教訓が得られました。
特定の一本のギター・フルテン(Vol 10)で弾く限り、KEMPERのプロファイリング再現度は極めて高く実用的である。
しかし、入力信号の変化(Vol操作やギターの持ち替え)によって、内部の処理差が『バタフライ効果』として音色の大きな乖離を生む可能性がある。
「プロファイリングした時のギター」と「ライブやレコーディングで実際に弾くギター」を揃える重要性、そして手元ダイナミクスによる音色変化の奥深さを再認識させられる、非常に収穫の多い検証となりました。
プロファイリングを活用している方は、ぜひ「別のギターに持ち替えた時の音の変化」にも注目してみてください!