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40代、初めての胃カメラ

正直に言う。私は、胃カメラにビビっていた。

痛い・苦しいのが嫌で、約7年間、健康診断から逃げ続けてきた。

そんな私が受けたのは、人生初の胃の内視鏡、いわゆる胃カメラだった。

40代の自覚と決意

きっかけは、1月末に、
娘たちの風邪がうつり、それから2週間以上経っても、胃の痛みだけが消えなかったこと。

触診。
薬。
様子見。

それでも、どこか不安が消えない。

体に不安があると、日常は、うっすら色あせる。

子どもたちのイベントも参加できず、
「お腹の調子がまだ、悪いから。」と。

でも、皮肉なことに。

胃が本調子でなかったおかげで、
出汁からとった味噌汁や消化の良いものばかりを食べ、
お菓子もやめたら――

吹き出物が消え、顔がシュッとし、体重も落ちた。

美容的には、成功だが、やはり、身体の不調は不安要素満載。

40代。
そろそろ、外側ではなく、内側を見なくては。

逃げたい私と、逃がさない看護師さん

友人の紹介と口コミを全力で調べて、内視鏡専門の病院を予約した。
日にちは、3週間後の2月26日。

その間ずっと緊張しているのか?

逃げそうな自分が見えた。

だから、勇気を出して内科の先生に告白した。

「実は…胃カメラを別の病院で予約しました」

先生は言った。
「26日か・・・ちょっと遅いね。もっと早くできるところ、紹介しようか」

看護師さんも言った。
「私も受けてるけど、寝てるうちに終わるよ」

そしてもう一人の、少し厳しめの看護師さん。

「13日の金曜日取れるけど、8時45分か9時、どっち?」

(今週!?しかも、13日の金曜日!?)
と思ったけれど、弱さを見せてはいけない空気。

日付の選択肢はもはやなく、時間だけ「9時にしようかと…」と言ってみた。

看護師さん、目は笑っていないのに、口元だけがにっこり。
親切そうな表情で一言。

「朝から何も食べてないんでしょ。早い方がいいでしょ」

え、決定権ないの!?
私の小心者モード、ここでも完全に押され、
半ば脅されるように「じゃあ、8時45分で!」と答えた。

さらに視線で言われた気がした。

“大の大人が、検診ごときにびびってんじゃないよ”

…図星。でも、初めてなんだもの。

鎮静剤、甘え?それとも挑戦?

13日の予約が決まった後の日々は、
頭の中は胃カメラでいっぱい。

経験者の母に電話。
ネット検索しまくり。
体験談を読みあさりまくり。

かと思えば、鎮静剤を使うのは甘えなのか?
それとも、自分に厳しく、鎮静剤を使わず、口か鼻から挑戦すべきか…

毎晩、布団の中でシュミレーション。
「鼻から…いや口から…いや鎮静剤あり…いやなし…」
妄想だけで胃がギュッと痛む。

小心者とストイック自分の、仁義なき戦い。

夢の中でも胃カメラ

夜になると、夢を見る。

・鎮静剤なしで鼻から入れられる夢
・絶食なのに食べてしまい、慌てて吐き出す夢

2時半に目が覚める。
そしてまた胃カメラを考える。

どれだけ怖いんだ、私。

ちなみに、鎮静剤を使ったらどんな夢を見るのかまで考えていた。
娘がまだ小さかった頃のこととか、
胃カメラが無事に終わって、美味しいものを食べている自分とか。

夢の中くらい、先に安心しておこうと思って。

そして、本番

当日、受付の方が優しくお迎えしてくれて、少しだけ救われる。

待合室では、吉沢亮さんが「あさイチ」に出ていた。

あの美貌を見てドキドキ…って、ちゃうちゃう。
検査が始まるまでのドキドキが止まらなかった。

血圧は「144/85。」
機械はごまかせない。

看護師さんが言う「緊張してますね」

「はい、してます。」

9時、コップ一杯の「消泡剤」を一気飲みし、軽く嗚咽。

5分ほどして、診察室へと案内された。

息を止めて、喉に麻酔を3プッシュ。苦い。でも頑張る。

マウスピースを前歯でガッシリ噛み、
腕にはチクッと鎮静剤注射。

そして――

目が覚めたら、カーテンで仕切られた別室で、ナースコールボタンを握らされていた。

夢なんて全く見ることなく、
寝ているうちに終わっていた。

時計は10時半。
血圧は114/77にまで下がり、正常値。

先生からの説明

その後、先生から画像を見せられ、説明を受ける。
でもあまりにも記憶になさすぎて、
「これは、私のもの?それとも、誰かの胃の見本を見せられているのかも…?」
とすら思ってしまった。

それでも、「食道も胃も、とても綺麗ですよ」と言われて、
私の世界は一気に色を取り戻した。


感性は、安心とともに戻ってくる

この数週間、私はずっと不安の中にいた。

noteを書こうとしても、
どこか感性が眠っているようだった。

過去の出来事を掘り返すような文章ばかり書いていたのは、
“今”を見る余裕がなかったからかもしれない。

でも、心の不安が消えた瞬間、
自分の中の何かが、ぱちっと目を覚ました。

怖がってもいい。
大の大人が、検診ごときにびびってもいい。

血圧144を叩き出してもいい。

でも、逃げなかった私は、ちょっと誇らしい。

分からないから怖い。
やってみたら、それはまた一つ、経験値が上がったということ。

派手な音は鳴らないけれど、
心の中では、きっと小さくレベルアップ音が鳴っていた。

ピロリン!
(ピロリ菌検査はしていないけれど。)

帰宅後、録画しておいた吉沢亮さんを、ようやく落ち着いて観た。
ちゃんと「かっこいい」と思えた自分に、ほっとする。

ちなみに、待合室で見た「あさイチ」のスキップシーンを思い出す。
今なら、私もいける気がする。
(※鎮静剤使用後のため、スキップは自粛。静かに帰宅。)

よし。
目も心も感性も通常稼働、経験値もアップ。
また、自分のペースでnoteを書こう。
…そして夢は、胃カメラ以外でお願いします!

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