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Photo bychikayorimichi_5

ウェイター

    子どもの頃、
    初めてウェイターを見た時の話。

    家族でお出かけ、目的地は覚えていないが途中休憩をする事になった。
    昼食のタイミングが合わず、昼下がりになっていた。そこで、入ったのがレストラン。
    今思えば、そんなに高級なレストランでは、なかったと思われるが、当時の私には、高級店に思えた。
    真っ白な、テーブルクロス真ん中には花が飾られていた。その雰囲気にお出かけの楽しさが飛んでいた。
    そして、心配した。こんな高そうなお店で両親は、お金払えるのか?(失礼な息子だ)
    ドキドキしていると、
    スッとウエイターがやってきた。
    メニューを配り、しなやかな動きで去っていった。
    私のドキドキは、加速してしまった。
    心配がより大きなものになっていた。
    ウエイターを初めて見た、背筋がピンとしていて、機敏に動くお辞儀も、スマート。
    圧倒された。
    さっきまであんなに減っていたお腹も、気にならなくなっていた。
    そん中、当たり前だが、家族は次々に遅くなった昼ご飯の注文を、済ませていった。
    そんなに注文したらお金が、、、
    私の、心配がピークになった。
    「いらない、何も食べたくない、お腹空いてない。」
    とつぶやいた。
    みんな、どうしたの?ほんとにいらないの?と聞いたが
    「いらない!」と答えた。
    さっきのウエイターが注文を取ってくれていた。
    何となく気不味い雰囲気だった。

    その後、次々に注文の品が届き、家族がみんなワイワイと食べはじめた。
    家族が楽しく食事している中
    私は、ふてくされていた。
    そこへ、スッとウェイターがやってきた。

    スマートな動作で、
    コースター、そして
    オレンジジュースが私の前に置かれた。

    「ん?注文してません。」

    「サービスです。」
    ニコッと笑顔のウエイター。

    なんとなく、気まずいオレンジジュース。
    なんだかほっとしたオレンジジュース。
    味は覚えてないけど、一生わすれられないオレンジジュース。

    あれから、ウェイターのいる店に何度か行ったことがあるけれど、
    あの格好良く、素晴らしい接客のウェイターほどのウェイターに会えてはいない。

    彼は、私の人生で、最高のウェイター。








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