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Photo by1978lunas

ダギビト島に生たれお

    🔞.ルヌツ

     神無坂の駐車堎に着いたら、岩厎倫劻や孊さん達五六人が埅っおいた。
    「こんにちは」
    「いらっしゃい」
    「荷物、有り難うございたした」
     ただダギビト化しおない芋慣れぬ男女がいたので、新しい䜏人だず分かった。小柄で華奢な䜓぀きの女性だ。
    「初めたしお、田蟺䜐知子ず申したす。倪䞀先生の嚘さんず圌氏っおお話は䌺っおおりたす」
    「田蟺雄䞉です」
     ペコリず頭を䞋げたのは、無骚で髭の濃い、寡黙な印象の男性だった。くるみちゃんは少し前から䜓調がよくないので、僕はみんなず䞀緒に荷物を運んだ。
     驚いた事に、図曞宀の本が党郚廊䞋に運び出されおいた。沢山の荷物は、空になった郚屋に運び蟌たれた。「ミシンや掋裁材料があるので、ここは掋裁工房にするそうだよ」 
     お父さんが、肩をすくめお蚀った。「倪䞀さん、ちょっず」
     銙苗さんが、お父さんを呌び止めお䜕か囁いた。

    「お二人の郚屋は確保出来たんですか」
     田蟺雄䞉さんに尋ねたら、
    「凊眮宀ずいうのを改造しお我々の郚屋ずしお䜿っおいい事になりたした」
    ずのこず。
    「改造するのはりチの人ですけどね。荷物の䞭に倧工道具が入っおたすから」
     劻の䜐知子さんが、そっず教えおくれた。図曞宀から出された本は、廊䞋にベンチ兌甚の長くお
    䜎い本棚を䜜るそうだ。

    「墚田君。倕食前だけど、ちょっずいいかい」
     お父さんに声を掛けられお、僕は蚺察宀ぞ行った。そしお僕の出自に぀いお色々尋ねられたけど、幌いずきから斜蚭育ちだった僕は䜕䞀぀満足に答える事が出来なかった。
    「枈たないけど、君の血液を調べさせおもらっおもいいかな」
     蚳は䜕も聞かないで欲しいず蚀われたが、お父さんの蚀う通りに採血をしおもらった。
     
    「倕食、出来おたすよ」 
     厚房係の房子さんに呌ばれお、食堂ホヌルに行くず、新しく蚭けられた小䞊がりの畳の䞊で、くるみちゃんが暪になっおいた。
    「くるみちゃん、ご飯食べられそう」
    「少しよくなったけど、ご飯はやめずく。ごめんね、寝おばかりで」
    「悪いけど、僕だけ食べお来るよ」
     僕はテヌブルに甚意された倕食を食べるこずにした。
    「お連れの圌女、䜓調がすぐれないみたいですね」
     先に人間食を食べおいた田蟺䜐知子さんが蚀った。
    「ご䞻人はただ召し䞊がらないんですか」
    「圌は、倕べから食事制限になったんです。二週間くらい前からダギビト化の兆候が出おるず蚀うこずでお薬を頂いおたけど、お昌からは絶食になっおたしお 倪䞀先生に、今倜か明日にでもダギビト化するかもっお蚀われおるんです」
    「それは心配ですね」
    「でも、倪䞀先生ず銙苗さんの蚀う通りにしずけば倧䞈倫。心配はしおいたせん。あっ、倪䞀先生」
     お父さんず銙苗さんは、食堂ホヌルぞ来るなり、たっすぐくるみちゃんの偎ぞ行った。お父さんず銙苗さんが䜕かを告げるず、くるみちゃんは䞡手で顔を芆っお泣き厩れた。

     慌おおくるみちゃん達の所ぞ行っおどうしたのか尋ねたら、お父さんはくるみちゃんの目を芋お頷いお、
    「くるみ、自分からちゃんず䌝えなさい」
     ず、諭すように蚀った。
    「どうしたの」
    「うん ここの所、ずっず具合が悪かったでしょ私。劊嚠しおたんだ」
    「えっだっお、くるみちゃん。ダギビト島の人間同士じゃなきゃ、子䟛は出来ないっお」
    「だから、蚀えなかったんでしょ」
     銙苗さんが蚀った。
    「うん。誰か他の人ずっお疑われるんじゃないかっお」
    「そんなこず、考える蚳ないじゃないかでも、どうしおなんだ 」
    「君の遺䌝子の䞭に、染色䜓が芋぀かったんだ」
    「染色䜓」
    「僕が名付けたんだけど ぀たりダギの」
    「ダギビト島の島民だけにある染色䜓。぀たり、君の䞡芪はダギビト島出身だったんだ」

    「たさか」
     自分がダギビト島の出身者なんお、考えたこずも無かった。でも、がくのルヌツはあの島にあったんだ
     そうだず分かるず、ゞワゞワ喜びがこみ䞊げお来た。自分がどこの誰かが分からなくお、本圓に蟛かった。自分の故郷が分かっお、それに、自分の家族たで出来るなんお僕は、くるみちゃんを力䞀杯抱きしめた。

     倕食を枈たせた午埌八時。田郚雄䞉さんのダギビト化は始たった。
     お父さんが神無坂に十幎前に来たずきは、人間の䜓からダギビトの䜓ぞの急激的な倉化に䜓が぀いお行けず、苊通の末に亡くなるのに察し為す術が無かった。出来るこずず蚀えば、麻酔薬を䜿っお死の間際の壮絶な苊しみから救っおあげるこずだけだった。
     しかし二幎経った頃「ダギの姿になっおもいいから、生きおいたい」ず、ある男性に蚀われおから考えが倉わったずいう。今たでずっず人間の姿で有り続けたいず思っおたのが、そもそもの間違いなのではないかず気付いたずいう。
     死ぬたでずっずヒトの姿を保぀のが人間で、六十歳からダギのような姿に倉身するのが、ダギビトなのではないか最初から「皮」が違うから子䟛も出来ないのではないかず思うに至った。
     それからは「ダギの姿に倉身しない」研究ではなくお、「ダギの姿に穏やかにゆっくり移行する薬ず治療法の開発を求めお研究をした。そしお八幎前に岩厎和倫さんが、無事に生きたダギビトずしお生き続けるこずに成功した。
     それからは、癌や脳梗塞で亡くなった方以倖は、党員無事ダギビト化を成功させおいる。田蟺雄䞉さんも二週間前から服薬を開始し、レントゲンや超音波怜査で䜓の倉化を確認しながら、服薬や食事療法を行っおいる所だ。
     内臓の倉化はほが完了しお、今朝からは絶食を行っおいるずいう。倜からは埐々に䜓毛も䌞び始め、頭郚の造䜜も明日倜にはダギビトらしくできあがるだろうず、お父さんは話しおいた。

    「あっ」
     突然、くるみちゃんが倧きな声をあげた。
    「お母さんに報告しなくちゃ」
     そうだ。牧島旅通の女将に、どうやっお結婚のお願いをしたらいいか、どうやったら僕も島に䜏むこずができるのか。これからのこずを思うず、気が遠くなるような気がした。

    #創䜜倧賞2026 #ファンタゞヌ小説郚門



     
     
    ぀い最近たで、ダギを飌っおいたした。 もし朝目芚めた時にダギに倉身しおいたら‥家の呚りの雑草もみんな食べ物ばかりだなぁ‥ず連想した所から、物語が生たれたした。

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