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望みのたたご【短線小説】

     奜きな人の鞄に“それ”がぶら䞋がっおいるのを芋た時、私の心はグラグラ揺れた。
     それは、氎色の服を着た、長さ10cmくらいの小さな人圢で、男子高校生の鞄に付けるには、可愛らしすぎお違和感あるよねっお、代物。

     目ざずく芋぀けたクラスメむトの男子から冷やかされお、新城(しんじょう)は気たずそうだった。
    「女子からのプレれントリア充アピヌルかい」「あヌ孀独が沁みる。この時期そういうの、メチャしょんどい」
     揶揄する連䞭は軜い調子でからかっおいたけど、呚りで芋おいるクラスのみんなは蚀語化されない郚分  圌らの蚀葉の底に(こんな時期に浮かれやがっお)ずいう嫉劬ず苛立ちを感じ取っお、その䞀幕から䜕ずなく目を逞らしおいる。来月にはクリスマス、ずいうこずは、受隓も近いずいうこずだから。
     新城は「うるせえよ」ず少し困ったような顔で返し぀぀も、ホヌムルヌムの時にさりげなく人圢を鞄から倖しお、倧事そうにポケットにしたっおいた。隣の垭の私からは、人圢を手に取ったずきの、圌の䜕ずも蚀えない優しい衚情が芋えおしたい、厖っぷちでかろうじお螏み止たっおいた私の心は足を螏み倖しお真っ逆さたに奈萜の底ぞず萜ちおいった。

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     倧孊受隓を控えた受隓生であるずころの私ず、他の高校䞉幎生の半分以䞊は、攟課埌、圓然のように塟に通っおいる。受隓が終わるたで遊ぶ暇なんおない。
     目指す倧孊がある人、将来なりたい職業がある人はただいい。そうじゃない人  私みたいに、特に目暙もなく䜕ずなく進孊しお、倧孊でやりたい事が芋぀かればラッキヌずいう人間の方が倚いんじゃなかろうか。少なくずも私の友達呚りはみんなそんな感じだ。偏差倀高めの倧孊に入れば、人気の䌚瀟に就職できる可胜性が高たる、みたいな。けど、䌚瀟に入れたからずいっお、めでたしめでたし䞀生パピ゚ン、ではない事もよく分かっおいる。

     そんなだから、普段から勉匷に身が入らないのだけれど、今日はもう気分がどん底で、勉匷どころじゃなかった。数匏の隙間から、新城の圌女っおどんな人だろうずか、あの人圢を芋぀めおいた優しい県差しで圌女を芋るのかなずか、胞が痛くなるような劄想が次々ず立ち昇り、頭の䞭をぐるぐる駆け回っお、䜕も手に぀かない。
     塟の授業をがんやり過ごし、小テストを䜕ずかこなしお、私は、個別勉匷の時間になるずサッサず垰り支床をした。「今日は甚事があるから」ず先生に蚀い蚳をもごもご呟いお塟の玄関を出る。倕食甚の匁圓は家で食べよう。家族には、気分が悪くなったから、ずかなんずか適圓に蚀えばいい。実際、気分は最悪な蚳だし。

     塟から垰る時は、い぀も家の近くたで友達ず䞀緒だったけど、今日は時間が早いので䞀人だった。早いずいっおも、もうすぐ20時だ。駅前の道は、䌚瀟垰りなのか、そこそこ歩いおいる人は倚い。商店街の店は閉店支床の最䞭ずいうずころもあった。

     ショッピングモヌルの玄関前を通りかかる。蟺りには客の姿はほずんど無く、トラックが数台停たっおいお、業者らしき人々が箱や䜕かを運んで忙しそうに行き来しおいる。
     圌らは倧きなツリヌの蚭営をしおいるようだった。ホリデヌシヌズンに玄関を食る二本の倧きなツリヌは、オヌナメントの趣向が毎幎倉わる。去幎はキラキラしたミラヌボヌルのオヌナメントだった。今幎は䜕だろう、ず、興味深く眺めおいるず
    「すいたせん、ちょっず通しお」ず声がしお、私は慌おお振り返った。倧きな箱を䞡手に抱えた男の子は、私を芋るず「あれ、高山じゃん」ず声を䞊げた。
    「山厎  え、䜕やっおんの、バむト」
     そこにいたのは同じクラスの山厎だった。軍手にスりェットの腕をたくり、銖にはタオルを巻いお、たるっきり業者のお兄ちゃんだ。山厎は箱を䞋ろすず
    「玍品。今幎のツリヌのオヌナメント、俺の䜜品なんだ」
    「うぇっ䜜品山厎が䜜ったのうそ、䜜れるの」
     山厎は箱を開けお芋せおくれた。5センチ四方のミニチュアプレれントボックスが、ひず぀ひず぀緩衝材に包たれお、箱に詰たっおいる。ブルヌのメタリックカラヌの包装玙で包たれた小箱には、キラキラしたオパヌルカラヌのリボンず造花、吊り䞋げる銀色の玐が付いおいる。私は玠盎に感心した。
    「すっごく可愛い  」
     圌はそれを聞いお、嬉しそうにひず぀取り出した。
    「これさあ、ちゃんず䞭身も入っおんだ。十二月䞭はツリヌに食っお、䞀月からのクラフトマルシェで売るの」
    「クラフトマルシェ」
     山厎が指さしたずころに、造花で食られたりェルカムボヌドがあった。

    「ハンドメむドの祭兞〜クラフトマルシェ2022」
    1/3〜2/15 
    ショッピングモヌル内 䞭倮広堎
    地元のハンドメむド䜜家たちが
    それぞれのブヌスで
    自由に展瀺販売するむベントです
    クラフト・アクセサリヌ・雑貚
    むンテリア・ファッション
    クリ゚むタヌによるこの䞖でただひず぀の
    オリゞナル䜜品
    ワヌクショップの開催日皋は以䞋  


    「ザキダマヌあんた時間ないよヌ」
     女の人の声がしお、シャツに゚プロンを぀けお䞊着を矜織った、これたた業者颚  いやアヌティスト  のお姉さんが、私たちに呌びかけた。山厎は「はいはヌい、行きたっす」ず陜気に応じ、箱を抱え䞊げお走っおいった。
     私は邪魔にならないように、少し離れた堎所から䜜業を芋守った。山厎ず女の人、ほか数人は、車から箱を䞋ろしお、䜕か盞談をしながら䞭身をツリヌに食り付けおいる。今幎は、高さ4m䜍の癜いツリヌだった。片方のツリヌには青系のオヌナメントが食られ、もう片方は赀やピンク系のオヌナメントになるようだ。
     山厎ず、もう䞀人のお兄さんが、青系ツリヌのはしごに登り、䞊からバランスよくオヌナメントを食り付けおゆく。オヌナメントの䞭に、新城の鞄に付いおいたのずそっくりな人圢を芋぀けおドキリずした。そういえば、さっき山厎に「ザキダマ」ず呌びかけた、あの声をどっかで聞いた気が  考え蟌んでいるず、䞍意に目の前に人圱が珟れお、私は心臓がマゞで䞀瞬、止たる。
    「高山」
    「新城  」
    「あれ高山も関係者」
    「えち、違う、塟の垰り」
    「俺も」
     えヌめっちゃラッキヌず私は内心盛り䞊がる。が、新城は、すぐに私から顔を逞らすず、䜜業䞭の人々の方に歩いお行った。女の人は、圌を芋お驚いた声を䞊げた。
    「高人(たかひず)、なんでいんの」
    「塟の垰り、぀いでに䜕か手䌝うこずある」
     山厎が梯子の䞊から「関係者以倖立ち入り犁止なんで」ず蚀った。新城は冗談ぜく「マゞでえ」ず蚀い返す。
     䞉人のやりずりを眺めるうちにふず思い出した。二幎の時、たたに教宀たで来お山厎を呌んでいた䞉幎の先茩。確か手芞郚の郚長ず友達が蚀っおいた。その友達は笑いながら、こうも蚀っおいた。
    「山厎さあ、あの先茩のこず奜きらしいよ  䞭孊たで剣道郚でいいセンいっおたらしヌのに、高校入ったら女目圓おで手芞郚ずか、りケる」

     新城がこっちに向かっお歩いおくる。
    「垰るわ。途䞭たで䞀緒にいこ」
    「いいの」
    「居おも邪魔なだけみたいだし」
     新城は苊笑いしお歩き始めた。私は䞊んで歩きながら、心が沈み蟌んでゆくのを止められない。新城の圌女っお  うん倚分。そうだよね。
    「あそこに居た女の人っおさ、去幎、手芞郚の郚長だったひず、だよね」
    「そうそう。知っおたんだ」
    「新城っおさ、その、付き合っおんのあの人ず」
    「え」
     新城はチラリずこちらを芋お、決たり悪そうにガリガリず頭をかいた。
    「たあ、うん」
    「  そっか」
     うわあ本人の口から聞きたくなかったなあ。っお、蚊いたの私だけどさ。私はそれきり口を閉じた。沈黙が続き、やがお耐えきれなくなったのか、新城が口を開いた。
    「家が近所でさ。たあ幌銎染  同じ高校に入ったら、手芞郚入れっおし぀こくおさ。オトコが手芞郚ヌいやいやいや。したら山厎の奎、しれっず入郚しおお笑った。床胞あるよなアむツ。内心マゞで焊った  お、䜕話しおんだオレ」
     ん新城は山厎が圌女を奜きだっお事を知っおたのかな。けどたあ、私には関係ないか  。
     ぀い涙が滲みそうになっお、歯をぐっず噛み締めお必死で堪えた。その埌も新城は、小孊校の頃は時々、圌女の家でお菓子䜜りを手䌝ったずか、䞭孊の時は䞋手くそな手線みの手袋を貰ったずか、照れながら話しおいたけど、私は盞槌を打぀のが粟䞀杯で、話の内容は殆ど右から巊に抜けおいった。それでも自宅のそばで別れるたでの十五分匱は、人生の䞭でトップクラスに蟛い時間だったず思う。


     倕飯ずお颚呂を終えお郚屋に戻った。い぀もなら、塟でやった範囲を軜く芋盎しお、明日の英語の予習もしおから寝るんだけど、そんな気力も湧いおこない。私はベッドに寝転がっお、がんやり倩井を芋䞊げた。新城ず圌女のこずをなるべく意識から締め出しお、山厎の事を考える。背が高くお、痩せおいるけどそれなりにガッチリした䜓぀き。業者ぜい栌奜をするず、めっちゃガテン系っお感じになる。

    今幎のツリヌのオヌナメント俺の䜜品なんだ

     受隓のこの時期に物䜜りずか。山厎は進路どうするんだろ。むベントに出店するっお、そう簡単じゃないだろうし、あの前のめりな空気感は、手芞は単なる郚掻動っお感じじゃなかった。それを蚀うなら女目圓おに  おのも、友達の勘違いだろう。 

    床胞あるよなアむツ内心焊った

     私の知らないずころできっず色んなドラマがあっお、䞻人公は倚分、新城ず山厎ず先茩で、私はモブの䞀人でしかない。生埒A。孊園ドラマの台詞のない、教宀にいるだけの賑やかし。
     どんどん考えが埌ろ向きになっおくる。理性がこれ以䞊考えおもロクなこずにならないから止めずけず囁くけど、止められない。台詞がある圹を挔じられる人達が矚たしい。ドラマを䜜るのも賞賛を济びるのも圌らで、モブにはそれは蚱されない。同じ人間なのに。神様は本圓に䞍公平だ。私は垃団に朜り蟌んで、ぎゅっず目を瞑った。
       途切れがちな苊しい眠りの䞭で、孊園ドラマの賑やかし達が「台詞ず生きる暩利を寄こせ」ず鉢巻を額に巻き、春闘の劎働組合みたいに映画監督ずかテレビ局の人に詰め寄っおいる、ずいう倢を芋た。その間、䞻挔の俳優新城ずヒロむン先茩は隅の方で怯えた顔をしお、瞮こたっおいる。私は鉢巻偎の䞀人だったけど、内心は、俳優に抱えられおいるヒロむンを矚たしく感じ、私もそっち偎に行きたい、䞀床でいいから代わっお欲しい。などず考えおいた。


    「雪乃ゆきの、どした、顔が死んでるよヌ」
     私は䜓育通の壁際に座り蟌み、前に立぀友達を芋䞊げた。今は䜓育の時間で、バレヌボヌルの詊合が終わり、次のチヌムが亀代しおコヌトに入るずころだ。友達はそのたた隣に座った。うヌんそんなに顔に出おるか。これでも普段通りを装っおいる぀もりなんだけど。
    「モブだけに挔技が䞋手なん  」
    「はもぶ」
    「䜕でもない」
     向こうの方では男子が詊合をしおいる。新城はコヌトに入っおいお、山厎は壁際で友達ず䞊んでその詊合を芋おいる。暪の友達の、䜓育だるいよねずか塟の英語の先生がたあたあむケメンずか、そういう話を聞き流しおいるず、䜕やら頭が痺れおボヌッずしおくる。
    「あっ」
     友達の声がしたず同時にガンず激しい衝撃があっお、党おの音が䞀瞬、意識から遠ざかり、転がっおゆくボヌルが芖界に入った。コンマ数秒の埌、顔にボヌルがぶ぀かった、ずいう文章が頭に浮かぶ。同時に顔の真ん䞭に痛みを感じ、生ぬるい感觊が錻から流れ出お顔を濡らした。䜓操服に染みる鮮やかなダヌクレッド。
       蟺りの隒然ずした音がいっぺんに戻り、錓膜に入っおくる。うわ雪乃ダバむ錻血が出おる倧䞈倫ごめんねちょっずティッシュ誰か持っおないこれで抌さえお冷やした方がいやいや䞊向いちゃダメ保健宀連れおけおヌい保健委員
    「高山、保健宀いこ。立おる」
     目の前に山厎が立っおいお、私の腕を掎み、匕っ匵っお立たせた。少しよろけ、山厎が私の片腕を持ちながら、もう片方の腕を背䞭に回すのを感じる。山厎は教垫ず蚀葉を亀わし、ゆっくりず歩きはじめた。私は手枡された垃で錻を抌さえながら、圌に぀いお歩いた。顔の䞊半分がゞンゞン痛んで、足元がふわふわする。劙に珟実感がない。


     保健宀の扉には「離垭しおいたす」の札がぶら䞋がっおいたが、山厎は構わずドアを開けお私を通し、パむプ怅子に座らせた。
    「䞊向かないで、錻を抌さえおお。氷嚢出すから  ほらこれ。錻の、ここんずこに圓おお冷やしお」
     蚀われた通り巊手で錻を抌さえ、䞡目の間、錻の䞊のあたりを右手の氷嚢で抌さえる。山厎は私の前に立ち぀くしお、しげしげず私の顔を眺めた。私は䜓操服の血のしみを芋䞋ろしお「あヌあ」ず嘆いた。錻を抌さえたたたなので酷い錻声だ。
    「バチが圓たったのかも」
    「え」
    「ヒロむンに成り代わりたいなんお思ったから」
    「  なんの話」
    「山厎、手芞郚の元郚長のこず、奜きっおほんず」
     山厎は驚いた顔をした。私は思わず巊手を離した。ショックの反動か、䜕かが堰を切ったように溢れお止たらない。
    「いいよね、やりたい事あっお䜕か目指せる人。私なんお䜕もないよ。これがどうしようも無いくらい奜きずかこれやっお生きおいきたいずか。特技も埗意なこずもない。なによ、俺の䜜品だずかキラキラしちゃっお。私なんか高校生掻にキラキラしたもん䜕にも無いたた卒業だよ。なんで私には䜕もないのモブだから」
    「はいやちょっ高山、萜ち着いお」
    「萜ち着けないっ」


     その時、勢いよくドアが開いお、新城が保健宀に入っおきた。
    「䜕、どうした。倖たで声ダダ挏れおるけど。揉め事」
     山厎が答えた。
    「なんかショックで興奮しおる。お前は様子芋に来たの」
    「俺も突き指しちゃった。湿垃ない」
     私は急に恥ずかしくなっお、思わず巊手の垃で目をゎシゎシ拭いた。新城はそれを芋お
    「高山、それであんた拭かない方がいいよ  トむレのずこにあった雑巟だから」
    「っ」
     䜕かが私の䞭で音を立おお切れた。無理、䜕もかも無理、限界。私は立ち䞊がっお垃を床に投げ぀け、おいおい泣き出した。男子二人は呆然ずしおいる。
    「ふううああ、ううふヌヌひうっぐ、ひっ、バカっし、んじょのっ、バカっ  私っずっず奜きだったのに䞀幎の時からっ  なによお塟垰りにむチャ぀いちゃっおさあぁヌヌもおおぉヌヌダダヌもうダダようヌヌふうわあああヌヌん」
     山厎ず新城は顔を芋合わせた。山厎は、はああ〜ず倧袈裟に息を぀くず
    「そうかぁヌ。高山、お前のこず奜きだったみたい」
    「え  」
    「気持ちわかるわ。芋せ぀けられちゃっお可哀想」
    「はあ誰がい぀芋せ぀けたよ」
     私は泣きながら倧声で遮った。
    「うるさいアンタが悪いっ」
    「だよなヌお前が悪い」
    「なんだよそれ  」
     新城は溜息を぀き、私に向き盎るず、深く頭を䞋げた。
    「高山。ごめん、俺が悪かった」
    「    」
     私は泣きすぎおリアクションができない。山厎は湿垃を匕き出しから取り出しお新城に差し出した。
    「俺が぀いずくからさ、先に戻れよ」
    「ん  頌むわ」
     新城はこちらを気にする玠振りを芋せながらも、保健宀から出お行った。


     五分埌、しゃっくりが沈静化するず、猛烈な恥ずかしさが抌し寄せお、私は俯いお顔を芆った。
    「死にたい  」
    「黒歎史、爆誕」山厎はニダニダ笑っおいる。「錻血止たっおるよな」
     私は錻血を忘れおいたこずに気が぀いた。
    「ごめん迷惑かけちゃっお。あヌもヌ  新城にも謝らないず  はあ」
    「もう埌はホヌムルヌムやっお垰るだけだし、ここで着替えお盎で垰れば制服ず荷物取っおきおやるからさ」
    「えヌいいのかなぁ  けど、そうしお貰えるずすごく助かるかも。新城の顔芋るのに、もうちょっず時間が欲しい」
    「んじゃ埅っおな」
     山厎は保健宀を出お、入れ替わるように逊護教諭の先生が入っお来た。山厎ず䌚話を亀わしお事情を把握するず、私の錻の具合を蚺おくれる。しばらくそこで埅っおいるず、山厎が荷物を抱えお戻っおきた。私はそこで着替えお、圌ず䞀緒に校舎を埌にした。

     垰りの道で、私は䜕床も重い溜息を぀いた。出来るこずならこのたた消えおしたいたい。倱恋したからっお八぀圓たりなんおマゞで最悪だ。
    「あのさあ」
     話しかけられ、どんよりした気分で圌の方を芋やる。山厎は笑いを含んだ顔で「俺、めっちゃ腹枛ったんだけど。なんか食いに行かね」ず蚀った。蚀われお私も猛烈にお腹が空いおきた。山厎は重ねお
    「マック行かないスマホのナゲット半額クヌポン、今日たでだからさ」
    「うん、行きたい  喉枇いたし甘いものが欲しい。シェむク飲みたい」
    「じゃ決定」

     ハンバヌガヌショップのテヌブルに぀いお、倖を眺めながらシェむクを飲んだ。向かいの垭では山厎が、すごいスピヌドでハンバヌガヌずナゲットを頬匵っおいる。トレむの䞊の食べ物は、あっずいう間に圌の胃袋に収たった。
    「そういえばさ、山厎。先茩のこず奜きだったの」
     私は思い出しお蚊いおみた。山厎はコヌラを啜りながら顔をしかめた。
    「忘れおなかったか」
    「私ず䞀緒にここに来たっおこずは、話しおくれる気だったんじゃないの」
    「そうかな、どヌだろ  そうなのかもなぁ  」山厎は音を立おおコヌラを飲み干すず、ストロヌを口から離しお頬杖を぀いた。
    「倧䜓さ、俺の方が先に奜きだったんだよ、新城よりも。だっお俺、保育園の頃から先茩ず結婚する気だったし」
    「えっ、山厎も幌銎染」
    「小孊校はマンモス校だったから、生埒の数は倚かったし、そっからの付き合いむコヌル幌銎染じゃん  先茩の母ちゃんが料理教宀の先生やっおんの。俺の母芪も新城の母芪もそこの生埒で、家も近くお昔から䜕かず亀流があったっおわけ  物䜜りが奜きな家系なんだろうなあ。先茩は、手芞の方に行っちゃったけどさ」
    「じゃあ、ずっず䞉角関係だったんだ」
    「䞭孊の途䞭から付き合いだしたから、アむツら。俺はもヌずっくにフラれおる。おか䌝えおない。新城にはバレたけど」
     そんなにも長い間の片思い。で、そっからの倱恋。想像もできない、おゆヌかしたくない。䜕気なく話しおるけど、死ぬほど蟛い時期だっおあったろう。乗り越えおきたんだなぁ山厎は。
    「手芞郚に入ったの、先茩が居たから」
     山厎は片手を口にあおおゲップをした。
    「無くもないよ、ぶっちゃけ。けど俺、やりたいこずがあったから。それに近い内容が手芞郚なんだよね。芪ずの玄束で䞭孊たでは剣道続けるっお。けど、この高校受かったら奜きにしおいい、で、合栌しお。これからは奜きなこずやろうず思っおさ」
    「やりたいこずっおあのオヌナメント」
    「あっそうだ」
     山厎は隣の垭に眮いた鞄を匕き寄せるず、䞭からあのオヌナメントを取り出しお、私に差し出した。
    「やる」
    「えっなんで」
    「フラれ仲間じゃん、オレら」
    「ええ〜なにそれぇ  開けおいい」
    「いや。垰っおからにしおよ。やっぱさ、家に垰っお開けるたでがプレれントだからさ」
    「遠足かい」
     私はブルヌに茝く小箱を鞄にしたった。
    「ありがずう。これさ、もしかしお先茩にあげる぀もりだったずか」
    「バレた  けど、もヌいヌわ。うん、いいこずにする」
     山厎は笑った。私も぀られお笑った。



     自宅に戻るず着替えもせずに、貰った小箱を開封しおみる。そのたたでも綺麗で、包装玙ず花の食りを剥がすのが勿䜓ない感じだけど、䞭を芋たい気持ちに抗えない。ペヌパヌナむフを䜿っお、傷を぀けないように慎重に包装を剥がすず、䞭から透明なプラスティックの箱が珟れた。箱の䞭に、茶色の梱包材に包たれた、青い䜕かが入っおいる。青い卵を抱いた小さな鳥の巣みたいだ。私は透明な箱を開けお、䞭身を取り出した。
     ころん、ず手の平に転がったのは、ガラス補の蜻蛉玉だった。青ず氎色ず゚メラルドグリヌンが耇雑に組み合わさった色合いは、超ミニチュアサむズの地球みたい。玐を通す穎が、地球を地軞のように貫いおいる。
    「わあすっごい、綺麗  」
     私は぀たみあげるず、窓にかざしおそれを眺めた。これを山厎が䜜ったの山厎はガラス職人になりたいのかな。芋おいるず心に朮が満ちおきお、静かな光が身䜓の隅たで沁み枡るような感じ。これを䜜っおいる時の、圌の暪顔を想像しおみる。

     棒の先に付いたガラスの雫を、バヌナヌの炎にかざしお。
     ひず぀ひず぀、魂を蟌めるように。
     届け。俺の魂よ、届け。

     いいなあ矚たしい。今たでにないくらい匷烈に、私も䜕かを远いかけたい、ず思った。こんな颚に、自分の魂のひずかけらが誰かに届いお、その人の勇気や元気になるような。
     私にもできるかな。私の魂はどこたで届くのかな  望みに手を䌞ばすこずがどこか怖かった。でも螏み出しおみよう。そこから党おが始たるはずだから。手始めに、この蜻蛉玉をストラップにしたいな。山厎に盞談しおみようかな。

    ────わたしは 望む。

     蜻蛉玉をアクセサリヌ眮きにしおいるガラスの皿の䞊に茉せお、スマホで写真を撮圱した。それを山厎個人宛に、LINEで送った。メッセヌゞを打ちこむ。
    「めちゃ綺麗。すごく嬉しいこれ、ストラップにしたいんだけど、盞談しおもいいかな」

     すぐ既読が぀いた。


     私はスマホを握りしめ、ドキドキしながら返事を埅った。



    完


    ⭐   ⭐   ⭐   ⭐   ⭐   ⭐   ⭐   ⭐   ⭐   ⭐   ⭐   ⭐

    [ あずがき的な ]

    むシノアサミ&闇カラス、2021幎最埌の()共挔です

    むシノさんの「カラヌシリヌズ」の䞭の子を、い぀か物語に登堎させたいな。
    そう話すず、むシノさんは快く応じお䞋さいたした。たしか「みる猫」が終わっおたもないころ。
      光陰矢の劂し。気づけば2022幎たで、もうひず月も残っおない
    焊りたした。そしおようやく、ここに完成させるこずが出来お、ホッずしおいたす。
    こちらは今回䜿わせお頂いた「ホリゟンブルヌ Horizonblue 」の子です。
    そしおヘッダヌも今䜜の為に描き䞋ろしおくださいたしたあいえ〜いっ😆
    むシノアサミさん、ありがずう

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    ↑色圩煌めくむシノアサミさんのカラヌシリヌズから

    ↑ここには収録しないでくれたしたが。実はあんこ様の最終回を読んですぐは,
    取り乱しおガチ泣きした私です。今ずなっおはよい思い出  (恥)

    ↑拙著「貎方が矎しいずいうこず」。
    kesun4さんず「みる猫」のコメント欄で『なんかダろうぜ』みたいなノリから始たった䌁画でした。こちらの詩を読んでびっくり。
    「えっこれ癟目鬌サむドの歌詞kesun4さん『囀る』読んだ」みたいな(笑)

    初心を忘れないためにも、自分で曞いた「囀る」のレビュヌを貌っおおこう。


    2021幎は、私にずっお、人生の䞭でもすごく印象深い幎になりたした。沢山の方ずの関わりの力でここたで来れたした。
    ほんず人生は、䞭に䜕が入っおいるか食べるたでわからないチョコレヌトみたいですねえ。

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    はじめたしお。たたは、こんにちは。闇カラスに぀いおはプロフィヌルをご芧ください。小説は「オリゞナル小説」マガゞンにたずめおありたす🌻 ★創䜜倧賞2022 入賞 ◆カクカタチ2000字ドラマ ◆才の祭 xu賞◆うたスト準グランプリ⭐いた興味があるこずはパラスポヌツず車怅子バスケ

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