
万葉集486-490を唄う。やまと言葉、英語(blues)、フランス語(シャンソン)、翻訳はgeminiです。AIと遊ぶ高齢者与三郎目次 AIと遊ぶ高齢者
『万葉集』の486番から490番までの現代語訳(意訳)、漢字抜きの「ひらがな」表示、そして英語・フランス語への翻訳です。
この5首は巻4(相聞歌)に収められており、藤原鎌足(中臣鎌足)と車持娘子(くるまもちのおとめ)の情熱的な恋の贈答(486〜487番)や、志貴皇子(しきのおうじ)と紀皇女(きのひめみこ)の間で交わされた優美で切ない思慕の歌(488〜490番)です。
486. 藤原鎌足(中臣鎌足)
車持娘子への強い愛を胸に抱き、世間の目を気にしながらも逢いたいと願う情熱を詠んだ一首です。
【意訳】 人目の多いこの都では、あなたに逢うことさえ容易ではありません。しかし、私のこの激しい恋心は、人目を恐れて諦められるような生半可なものではないのです。
【かな】 ひとごとの しげきこの世に あひみむと おもひしこころ ありと言はなくに
487. 車持娘子
鎌足の強い想いに応え、たとえ世間の噂や障害があろうとも、自分もあなたを深く愛し続けると誓った一首です。
【意訳】 人の噂がいくら繁く立とうとも、私はあなたを想い続けております。私のこの命がある限り、あなたへの愛が途切れることなど決してありません。
【かな】 我がいのち いつまであらむ わぎもこが なぐさむ心 ありと言はなくに
488. 志貴皇子(しきのおうじ)
紀皇女(きのひめみこ)の美しい面影を思い浮かべ、片時も忘れることができない切ない情愛を詠んだ一首です。
【意訳】 神々が鎮まる吉野の滝の激しい泡のように、私の胸のなかにはあなたへの愛しさが絶え間なく湧き起こり、片時も消え去ることがありません。
【かな】 よしの川 たぎつたきつせの たきのみち 絶ゆることなく おもほゆるかも
489. 紀皇女(きのひめみこ)
志貴皇子からの想いに対し、自分もまたひそかに皇子を恋い慕っている深い胸の内を明かした返歌です。
【意訳】 夕暮れどき、静かに立つ霧のように――私の胸のなかにも、あなたへの切ない想いが立ちこめ、消えることなく満ち溢れております。
【かな】 ゆふぎりの たなびく山の うへにたち きみをしのひつ 夜のふくるまで
490. 志貴皇子
夜が更けてもなお消えない愛しさを抱き締め、逢えない切なさを月に託して歌った一首です。
【意訳】 澄み渡る夜空に浮かぶ月を見つめながら、私は今夜もあなたを想い続けています。この光が、どうか私の恋心をあなたのもとへと届けてくれますように。
【かな】 ひさかたの あめの月夜に 照らされて 我が恋ひやまず きみを想ふに
486
英語(English) In this world thick with the watchful eyes and rumors of others, meeting you is no easy task; yet my burning heart cannot be swayed or quieted by the opinions of men.
【かな】 ひとごとの しげきこのよに あひみむと おもひしこころ ありといわなくに
487
英語(English) I know not how long my mortal life will endure, but as long as I draw breath, my heart will never cease to hold you in deep, unchanging devotion.
【かな】 わがいのおち いつまであらむ わぎもこが なぐさむこころ ありといわなくに
488
英語(English) Like the surging, white-foaming rapids of the Yoshino River that cascade without pause, my heart's deep longing for you swells endlessly without a single moment's rest.
【かな】 よしのがわ たぎつたきつせの たきのみち たゆることなく おもほゆるかも
489
英語(English) Standing under the sky where the evening mist trails softly over the mountains, I remain lost in longing thoughts of you, my Lord, until the deep night enfolds the world.
【かな】 ゆふぎりの たなびくやまの うへにたち きみをしのひつ よのふくるまで
490
英語(English) Bathed in the radiant light of the moon shining from the vast heavens, my heart knows no end to its yearning, devoted entirely to thoughts of you.
【かな】 ひさかたの あめのつくよに てらされて わがこいやまず きみをおもうに
486
フランス語(Français) Dans ce monde rempli de regards vigilants et de rumeurs, vous rencontrer n'est pas chose facile ; pourtant, mon cœur enflammé ne saurait être réprimé par le qu'en-dira-t-on.
【かな】 ひとごとの しげきこのよに あひみむと おもひしこころ ありといわなくに
487
フランス語(Français) Je ne sais combien de temps durera ma vie mortelle, mais tant que je respirerai, mon cœur ne cessera jamais de vous porter un dévouement profond et immuable.
【かな】 わがいのおち いつまであらむ わぎもこが なぐさむこころ ありといわなくに
488
フランス語(Français) Tout comme les rapides écumeux de la rivière Yoshino qui se déversent sans pause, le désir profond de mon cœur pour vous s'enfle sans fin, sans un seul moment de répit.
【かな】 よしのがわ たぎつたきつせの たきのみち たゆることなく おもほゆるかも
489
フランス語(Français) Debout sous le ciel où la brume du soir s'étire doucement sur les montagnes, je reste perdu dans des pensées languissantes pour vous, mon Seigneur, jusqu'à ce que la nuit profonde enveloppe le monde.
【かな】 ゆふぎりの たなびくやまの うへにたち きみをしのひつ よのふくるまで
490
フランス語(Français) Baigné par la lumière radiante de la lune qui brille depuis les vastes cieux, mon cœur ne connaît pas de fin à son désir, entièrement dévoué aux pensées qui me portent vers vous.
【かな】 ひさかたの あめのつくよに てらされて わがこいやまず きみをおもうに