
万葉集476-480を唄う。やまと言葉、英語(blues)、フランス語(シャンソン)、翻訳はgeminiです。AIと遊ぶ高齢者与三郎目次 AIと遊ぶ高齢者
『万葉集』巻3(挽歌など)の476番から480番までの現代語訳(意訳)、漢字抜きの「ひらがな」表示、そして英語・フランス語への翻訳です。
このセクションには、大伴家持(おおとものやかもち)が愛する妻を亡くした哀しみを詠んだ哀傷歌(挽歌)の結び(476〜478番)や、その他の挽歌・哀傷の歌(479〜480番)が収められています。
476. 大伴家持
愛する妻を失い、一人で迎える夜の寂しさと、夢のなかでさえ逢うことが叶わない切なさを歌った一首です。
【意訳】 秋の夜のしんじんと深まる寂しさのなか、独りきりで寝床に入っても、愛しいあなたの面影ばかりが胸に迫り、ろくに眠ることすらできない。
【かな】 あきのよの ながきあひだに ひとり寝れば いもが恋しく 寝ねかちにつも
477. 大伴家持
せめて夢の中だけでも逢いたいと祈りながら眠りにつくものの、目覚めたあとの更なる虚しさに涙する一首です。
【意訳】 「せめて夢の中でだけでも姿を見せてほしい」と切願して眠りについたのに、ふと目が冴えて周囲を見渡せば、そこにはただ独り取り残された私がいるばかりだ。
【かな】 ゆめにだに みえむと想ひて 寝ねたれど おどろき見れば ひとりしもあれて
478. 大伴家持
世の無常さを知っていながらも、亡き妻への断ち切れぬ愛しさを永遠に抱き続けると誓う一首です。
【意訳】 この世の命というものが儚く虚しいものだと身に沁みて知りつつも、去っていった愛しいあなたへの私の恋心が、途切れることは決してないのだ。
【かな】 よのなかは むなしきものと 知りつつも わが恋ひやまず なきいもがため
479. 作者未詳
亡き人の残した遺品や思い出の品々を手にするたびに、涙が込み上げて止まらない切痛な哀傷歌です。
【意訳】 亡くなったあの方が遺していった品々を見つめるたびに、かつての睦まじい思い出が胸に押し寄せ、私の目からは溢れる涙が止まらない。
【かな】 なき人が かたみとおもう 品々を 見むごとにのみ なみだながるる
480. 作者未詳
春の野原に若草が萌え出る瑞々しい景色のなかで、二度と戻らない亡き人の命を思って深い溜息をつく一首です。
【意訳】 春の野原に青々と萌え出る草木を見るにつけても、もう二度とこの世に帰ってくることのないあの方のことが想い出され、私は涙を流さずにはいられない。
【かな】 はるののに もえづるくさを 見るごとに かへらぬひとを 思ひ涙つ
476
英語(English) Sleeping all alone through the endlessly long autumn nights, my longing for my late wife aches so deeply that I can barely close my eyes in sleep.
【かな】 あきのよの ながきあひだに ひとり寝れば いもが恋しく 寝ねかちにつも
477
英語(English) I fell asleep praying that I might see her even if only in a dream; yet when I awoke startled from my slumber, I found myself utterly alone in the desolate cold.
【かな】 ゆめにだに みえむと想ひて 寝ねたれど おどろき見れば ひとりしもあれて
478
英語(English) Though I well know that this mortal world is fleeting and empty, my heart will never cease its aching longing for my beloved wife who has passed away.
【かな】 よのなかは むなしきものと 知りつつも わが恋ひやまず なきいもがため
479
英語(English) Every single time I look upon the various items left behind as sacred keepsakes of the departed one, my tears begin to fall uncontrollably like an endless stream.
【かな】 なき人が かたみとおもう 品々を 見むごとにのみ なみだながるる
480
英語(English) Every time I look upon the fresh green grass sprouting in the spring fields, tears fall from my eyes as I remember the beloved one who will never return to this world again.
【かな】 はるののに もえづるくさを 見るごとに かへらぬひとを 思ひ涙つ
476
フランス語(Français) Dormant tout seul tout au long des interminables nuits d'automne, mon regret pour ma défunte épouse me fait si profondément souffrir que je peux à peine fermer les yeux pour dormir.
【かな】 あきのよの ながきあひだに ひとり寝れば いもが恋しく 寝ねかちにつも
477
フランス語(Français) Je me suis endormi en priant de la voir, ne serait-ce qu'en rêve ; pourtant, lorsque je me suis réveillé en sursaut, je me suis retrouvé entièrement seul dans un froid désolé.
【かな】 ゆめにだに みえむと想ひて 寝ねたれど おどろき見れば ひとりしもあれて
478
フランス語(Français) Bien que je sache pertinemment que ce monde mortel est éphémère et vide, mon cœur ne cessera jamais son regret douloureux pour ma bien-aimée défunte.
【かな】 よのなかは むなしきものと 知りつつも わが恋ひやまず なきいもがため
479
フランス語(Français) Chaque fois que mes yeux se posent sur les divers objets laissés comme de précieux souvenirs de l'être disparu, mes larmes se mettent à couler de façon incontrôlable, telle une rivière infinie.
【かな】 なき人が かたみとおもう 品々を 見むごとにのみ なみだながるる
480
フランス語(Français) Chaque fois que je regarde l'herbe fraîchement germée dans les champs printaniers, des larmes coulent de mes yeux en me souvenant de l'être cher qui ne reviendra plus jamais dans ce monde.
【かな】 はるののに もえづるくさを 見るごとに かへらぬひとを 思ひ涙つ