
願望の行方 9 【第1章 桜の季節】
3年生。僕を軽い衝撃が襲った。
みおと同じクラスになったのだ。
部活を通して仲良くなってはいたが、クラスメイトになるなんて本当にラッキーだ。
「そう、今度の試合どう?」
キラキラした瞳で、みおが言う。
「んー、どうかな。調子は良いけどね。」
ちょっと見栄を張って僕は答える。
みおは、僕の机の前の椅子に座って楽しそうに足を動かした。少し髪が伸びたみたいだ。揺れる度にほのかな良い香りがした。
ある日、数学のテストが返された。
「そう、すごいね!98点?」
みおが驚いたように言う。
「いや、偶々。」
できるだけ平静を装い僕は答える。本当は、偶々ではない。みおに少しでも認められたくて夜遅くまで勉強したのだ。
羨望の眼差しで僕を見る、みお。
やっと認めてもらえたようで、僕の胸は熱くなった。
僕の毎日はこうして充実していく。
どんどん。どんどん。
こんなが日々が訪れるとは、夢にも思っていなかった。学校が楽しいと僕は初めて思った。
薔薇色の世界とはこういう物だろうか。
図書室で、僕としゅうは黙って問題集を開いている。
受験生という実感が湧き始めた。もう部活は無い。
僕としゅう、2人共同じ高校を目指している。
そして、みおも同じだった。
月日は流れ・・・・・。
合格発表日。
空からヒラヒラと雪が舞い出した。
画面を追っていく。僕は自分の番号を見つけた。
「やった!」と声を上げた。
当然だが、しゅうも受かった。
みおも受かっていた。
「そう、高校でもよろしくね!」
そう書かれた、みおの文字に何度も目を通す。僕は又、「やった!」と拳を握り締めた。
雪は今も降り続いている。
その瑞雪は夜になっても周りを白く染めながら、静かに降り積もっていった。