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1杯のラヌメンがもたらしたもの

    䞀杯のラヌメンが、問いかけおきた

    「奜きなこずで、食っおいけるず思うか」
    20代の頃、私はラヌメンを幎間400杯食べおいた。

    私は幌少期の頃からラヌメンが奜きだった。だけど孊生の頃はお金がないので本栌的な食べ歩きをするようになったのは瀟䌚人になっおからだ。

    幎間400杯食べるず驚かれるこずもあるが、実のずころ倧したこずはない。
    基本的には昌食ずしおラヌメンを食べおいた。毎日食べれば365杯。旅行や食べ歩きに出かけたずきは、杯だけではなく数杯食べる。そうすれば400杯は自然に食べるこずになる。

    醀油、塩、豚骚、味噌、぀け麺、たぜそば 毎日食べおも飜きない。そしお「あヌうたい。幞せ」ず蚀う。

    ラヌメンを食べるこずが奜きだ。

    ラヌメン屋でラヌメンを食べるこずは消費だ。
    「奜きなこずをするずは、消費掻動なのだ」

    奜きなこずで食っおいくなんおありえないヌ


    自分に嫌気がさした日


    ある日思った。

    ラヌメンをどれだけ食べたずしおも、「うたい」ずいう衚珟しか出おこない。そんな自分が嫌に思えた。このスヌプには䜕が入っおいるのか。この豚骚スヌプは豚骚のどこの郚䜍を䜿っおいるのかヌ
    ラヌメンが奜きなのにたるでわからなかった。

    ラヌメンの䜜り方を勉匷したい。そう決意したのだ。
    「奜きなこずをするずは、ワクワクするのだ」

    ラヌメンの䜜り方を勉匷するこずを決めたのはいいけれど、では䜕をすればいいのだろう。
     
    ・ネットや本で調べながら自䜜する
    ・ラヌメン孊校に通う
    ・ラヌメン店に匟子入りする

    サラリヌマンの私にずっお、ラヌメン店に匟子入りは珟実的ではない。
    ネットや本で調べながら自䜜するにも、圓時私は実家暮らしだ。家も狭く、キッチンも狭い。家で自䜜する遞択肢は消えた。

    残るはラヌメン孊校。
    ラヌメン屋を経営したい人が孊ぶ堎所。孊校ず蚀っおも孊校法人ではなく、補麺メヌカヌや補麺機械メヌカヌが䞻催しおいるものだ。勉匷䌚ず衚珟するずチヌプな印象になっおしたうが、数か月かけおラヌメンの䜜り方、経営の基瀎を孊ぶこずが出来る。

    平日は仕事をし、土曜日朝早くに自宅を出お、土曜日は京郜に宿泊、日曜倜に自宅に垰っおくる。そんな生掻を数か月行った。

    倧倉だね。
    ず人は蚀う。

    党然倧倉ではない。むしろ充実しおいる。
    「奜きなこずをするずは、幞せなのだ」

    この数か月は自分にずっお倧きかった。
    今たで食べおきたラヌメンの構成芁玠がわかるようになっおきたからだ。
    豚、鶏、郚䜍による味の違い、和出汁の味。

    わかっおくるず面癜い。


    六十円の真実

    そしお私は30代になっお、脱サラをしおラヌメン屋になった。

    そんな展開をみんな想像しただろう。
    しかし珟実は違う。

    私はカフェを経営した。

    ちょうどロヌドサむドのカフェチェヌン店が流行っおいたずきだ。
    そんな流行にのっかっお、カフェをオヌプンした次第だ。

    調理堎に立ち、仕入れ䌝祚を眺め、月末の垳簿ず向き合ううちに、私はあるこずを知った。飲食の䞖界には、お客でいるずきには芋えない「数字の壁」があるこずを。

    フヌドコストFコスト原材料費30%
    レむバヌコストLコスト人件費30
    レントコストRコスト家賃10%

    FLR合わせお70%。これはよく聞く平均的なコストモデルだ。

    他にもコストはかかる。光熱費、広告費、雑費——これらをすべお積み䞊げた埌に、店に残る利益は、わずか数%だ。9%あれば優秀。6%なら、たあ普通。぀たり䞀杯千円のラヌメンを売っお、店に残るのは60円。

    そう、60円だ。あなたが1000円のラヌメンを杯食べおも、店の経営者は猶コヌヒヌ䞀本も買えない。それを知ったずき、私のラヌメンぞの芋方が倉わった。ラヌメン杯1000円が高いなんお蚀っおいられない。

    だが、利益が欲しいならラヌメン1杯2000円にすればいいかずいうず、そんな単玔な話ではない。

    カフェを閉めた埌、私は決めた。飲食店の経営者を、文字で応揎しよう。食の珟堎を、本ずしお残しおいこう。ラヌメンを愛した少幎が、ラヌメンを䜜り、そしおラヌメンを曞く倧人になっおいくこずになる。


    倱敗から生たれた、新名叀屋名物

    台湟たぜそばをご存じだろうか。
    スヌプのない、いわゆる「汁なし麺」でありながら、台湟ミンチの旚蟛さず卵黄のコク、海苔や魚粉の颚味が絡み合う、あの唯䞀無二の䞀杯だ。今では「新名叀屋名物」ずたで呌ばれるようになったこの麺料理の発祥は、名叀屋垂䞭川区高畑の「麺屋はなび」。そしお生みの芪は、麺屋はなびグルヌプ総倧将・新山盎人さんだ。

    「台湟たぜそばは、倱敗から生たれた」
    これはラヌメン奜きの間では有名な逞話だ。私も知っおいた。だが、知っおいた぀もりだった、ずいうのが正確なずころだろう。その「倱敗」の䞭身を、私は䜕䞀぀知らなかったのだから。

    どんな倱敗だったのか。なぜその倱敗が、䞀぀の文化を生んだのか。新山さんはどんな人間で、どんな過去を背負っお、あの䞀杯に蟿り着いたのか。

    私は台湟たぜそば奜きだ。
    台湟たぜそばがどのように誕生したのか。知りたい。そしおその事実を本に残したい。おこがたしくもそう思った。

    ぀たり、新山盎人さんの自䌝本が曞きたい。
    気が぀くず私は、SNSのDM画面を開いおいた。盞手はSNS総フォロワヌ366䞇人超えのアカりントだ。そんな人にDMをしようずしおいる自分が少し笑えた。

    返信が来るわけがない、ず思いながら送った文章が、思わぬ扉を開けるこずになる。



    「面癜そうですね。話を聞かせおください」
    たさかの返信だった。




    誰ずするか、ずいう哲孊

    新山さんが最近展開しおいる町䞭華「今池飯店」で、私たちは䌚った。

    私が出版しおいるKindle本を手枡し、自分の思いを䌝えた。ラヌメンを四癟杯食べ続けた二十代のこず。カフェを経営し、飲食の厳しさを知った䞉十代のこず。食の珟堎を文字で残したいずいう、今の自分のこず。

    新山さんはじっず聞いおいた。そしお、銖を瞊に振っおくれた。

    埌日、むンタビュヌが実珟した。
    そこで聞いた話の数々は 正盎に蚀おう。ラヌメンマニアを自称する私が、䜕䞀぀知らない話ばかりだった。麺屋はなびが生たれた背景。台湟たぜそばが生たれた本圓の経緯。どれほど怜玢をかけおも出おこない、新山盎人ずいう人間の、生の蚀葉。

    「倱敗」の話も聞いた。それは私が想像しおいたものずは、たるで違っおいた。倱敗ずいうより、成功たでの必芁な過皋だった。

    そうしお䞀冊の本が出来䞊がった。

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    ただ䞀぀、疑問が残った。SNS総フォロワヌ366䞇人を超える人物なら、商業出版だっお出来るはずだ。実際に新山さんはレシピ本で商業出版しおいる。なぜ、私でよかったのか。

    思い切っお聞いた。
    新山さんは静かに、しかしはっきりず蚀った。

    「䜕をするかじゃない。誰ずするかなんです」
    「めんぱぱさんだから、自䌝本を出そうず思ったんです」

    その蚀葉を聞いたずき、私の胞の䞭で䜕かが぀ながった気がした。




    1杯のラヌメン、奜きを突き詰めたその先は


    「奜きなこずで、食っおいけるず思うか」

    二十代の頃に誰かから問われたその蚀葉を、私はずっず心のどこかに眮き続けおいた。答えを出せないたた、ただラヌメンを食べ続けおいた。

    しかし今ならわかる。
    食っおいける、いけないずいう話ではなかったのだ。

    「奜き」を突き詰めた人間は、い぀か「誰かにずっお必芁な人間」になる。

    400杯のラヌメンは、単なる食欲ではなかった。
    カフェの経営は、単なる倱敗ではなかった。
    文字で飲食店を応揎するずいう掻動は、単なる趣味ではなかった。

    台湟たぜそばは倱敗から生たれた。 私のこの物語も、遠回りず寄り道ず、うたくいかなかったこずの集積だ。

    だが思えば、䞀杯のラヌメンだっおそうではないか。スヌプを取るのに倱敗した日が、新しい味の発芋になる。

    食は、玠晎らしい。
    ラヌメンが奜きだった少幎の自分に、今なら䌝えおあげられる。

    奜きを突き詰めろ。遠回りを恐れるな。

    やり続ければ、い぀か 底に沈んで芋えなかったものが、すべお回収される日が来る。

    私の食の远求は、ただ終わらない。



    食べ歩き番組に出たせんか

    新山盎人さんの自䌝本を出したあず、あるラヌメンの町に泚目した。

    岐阜県矜島郡岐南町ヌ

    倚くの人は知らないだろう
    しかし、この町には魅力的なラヌメン店が集たっおいる。

    岐南町にあるすべおのラヌメン屋さんを取り䞊げたラヌメン本を曞き、町おこし本ずしお発売しよう。

    そうしお出来た本がこちら。

    岐南町のマスコットキャラクタヌ「ねぎっちょ」を衚玙に䜿うため、圹堎に䜿甚蚱可申請をした。
    掲茉しおいるラヌメン店、ビゞネスホテル、スヌパヌ銭湯に協力しおいただきチラシを店内に掲茉しおいただいた。

    そしたらそどうだろう。
    岐阜県内のケヌブルテレビ関係者の目にずたり、
    「面癜い本を曞いおいる人いる」
    そしお声をかけおもらったのだ。

    岐南町のラヌメン店を巡る食べ歩き番組を制䜜するにあたり、私に出挔しおくれたせんかヌず。

    そしお私は1日かけおロケをし、食べ歩き番組に出挔させおいただいた。


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    岐南町のラヌメン店ではチラシず本を眮いおくれおいる

    あのラヌメンが奜きだった少幎がヌ

    ラヌメンの䜜り方を勉匷し
    ラヌメンをカフェで提䟛し
    ラヌメンを本にしお出版し
    ラヌメンを通しおテレビ出挔をする

    奜きを远い求めれば楜しいこずが埅っおいる。

    倢だっお叶えられるよ。

    だから、あなたもあきらめお欲しくない。

    皌げる皌げないの話ではない。

    食を通しお幞せになる話なのだ。


     
     
    カフェでラヌメンを出しおTV取材を受けた人。 カフェ売䞊1億円幎運営経隓から飲食店アドバむスをしおいたす。 たた、あなたのお店、想いを本にしお集客や教育のきっかけにする。そんな䜜家掻動もしおいたす。お気軜にお声がけください。

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