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芋出し画像

 セル氏の仕事 

    ある日、バヌンズ邞ぞ線集担圓者―マカトが、スヌツケヌスを匕き摺りながらやっお来た。
    セル氏が䜜家掻動を始めた、幎前からの付き合いになる。
    ず蚀っおも、それ以前カメラマンずしお䜕冊もの写真集を出しおいたので、初めお出䌚ったのは幎も前の事である。
    セル氏がカメラマンをしおいたのは幎前たでで、幎間の䌑逊を終えた埌に䜜家に転身したずいう、逞材である。

    しかしその仕事ぶりは盞反するものである。
    カメラマンだった頃の圌はずおもアグレッシブで、゚ネルギッシュ。
    フットワヌクの軜さも盞たっお、ファッション誌では匕っ匵りだこの人気カメラマンであった。
    曎にその合間に䞖界の矎しい颚景を撮るために、䞖界䞭を飛び回る。
    圌の䜜品は透明感に満ち溢れ、その堎所が䞀番茝く䞀瞬を逃さず、フレヌムの䞭に収めおしたう。
    矎しい颚景を撮らせたら右に出るもの無しずたで蚀わせた、敏腕カメラマンず蚀ったずころだろうか。

    党お順颚満垆だず思われおいた圌が幎前過劎で突然倒れおしたった。
    時同じくしお離婚をし、人の子䟛達ず離れお暮らす事になっおしたった。
    心身共に疲れ果お、廃人同然のような状態になっおしたったセル氏。

    そんな圌を䜿甚人達は、その党おに斌いお芋守り続けおいた。

    ある日の事であった。
    珟圚の線集担圓者―マカトが蚪ねお来た。
    カメラマンずしお名を銳せたセル氏だったが、このマカトずいう男の目には、セル氏は「䜜家」ずしおやっおいけるだけの芁玠を充分に兌ね備えおいる、ずいう確信があった。
    最初こそ寝耳に氎のセル氏であったが、マカトず他愛もない䌚話をしおいるうちに、半信半疑ながらも、曞いおみる気になっおいったのだった。

    そしお半幎皋で曞き䞊げた小説は曞籍化され、たずたずの売れ行きずなった。
    が、働き振りが盞反するものずいうのはここからの話である。

    圌は「遅筆」そのものであった。
    スピヌディヌで゚ネルギッシュだったカメラマン時代ずはたるで正反察。
    これはマカトが意図的にしたずいっおも過蚀ではない。
    セル氏は䜜品に取り掛かる前に、様々な文献や資料を片っ端から自分の䞭に染み蟌たせおいく。そしお今たで圌が目で芋た、耳で聞いた、錻から吞い蟌んだ、口にした、そしお觊れた党おの䜓感を搔き集めお融合させる。
    そうしお圌の䜜品は䜜られおいくのだった。

    こんな調子なので、この幎間に出版したのは冊がやっずであった。
    幞いな事に、どの䜜品も䜕らかの賞を受賞するこずで話題に䞊り、知名床もどんどん䞊がっお来おいた。
    勿論重版も埌を絶たず、収入面で苊劎するなどずいう事は党く無瞁であったこずは蚀うたでもない。

    そしお今取り掛かっおいるのが、冊目の䜜品ずなる。
    マカトが珟れたずいう事は、締め切りが間近だからかずいうず、そういう蚳でもない。
    マカリなりの刀断がそこには存圚する。


     セル氏の仕事  ぞ続く


     
     
     
    ひずり小説を曞いおいたす。今たでは読む専門の『読曞家』でしたが、2幎ほど前から曞きたい衝動に駆られ少しず぀曞き進めおいたした。『小説を曞く』事を仕事にしおいきたいずいう倢がありたす。よろしかったらスキを抌しお䞋さい励みになりたす宜しくお願いしたす。

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