
さくらのかほり。忘れられないあの人。|エッセイ
ꕤはじめにꕤ
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れいぽんらしさを集めたエッセイ集「あっちでこっちで」
桜が満開だ。
この時期になると、期待と不安が入り混じる。わくわくでちょっと切なくて。そして懐かしくて。
そんな気持ちになる人が多いのではないだろうか。
でも、わたしは違う。
咲きほこる桜並木を見ると、桜の木の下でうずくまる元彼と救急車を思い出す。
あの日、わたしたちはサークルの「お花見飲み会」に参加していた。
少し肌寒い日で、わたしは黒い厚手のコートを着ていた。
お酒もおつまみも無くなってきて、「そろそろお開きかな」と思い始めた頃。
後輩が血相を変えて走ってきた。
「れいぽんさん、彼氏さんが怪我をしちゃった!」