
想いはひとつにならないからこそ願うもの――Aqours Documentary
こんにちは。かみなりひめです。
やっと。やっと決心をしてきました。
これを観たら本当に終わっちゃう気がして、
気が進まなかった部分もあったわけなのですが、
でも彼女たちの想いを受け止めないのもなぁ‥‥と。
Aqours Documentary
観てまいりました!
【特報】
— ラブライブ!シリーズ公式 (@LoveLive_staff) June 28, 2025
映画「Aqours Documentary」
9月26日(金)ROADSHOW
最初で最後のドキュメンタリー映画
🔗https://t.co/opif5rrIgM#lovelive #Aqours pic.twitter.com/5aUbNQcRcp
上映前の最新映画ラインナップでは、
えいがさき第二章の予告も流れて既にウルウル。
こっちも着々と終わりが近づいていますね。
そんなこんなありまして‥‥、
緩んでゆく自らの涙腺を感じながら、
見慣れたバンナムとサンライズのロゴを通過し、
いよいよ本編が始まってゆきます。
※ 以下、映画のネタバレしか含みません ※
1. 通じてゆかない想い
このドキュメンタリーは、
Aqours Finale Liveまでの軌跡を追いかけつつ、
随所でここまでのAqoursの歩みを振り返っていく
という構成をとっています。
最初にAqoursの9人が初めて顔合わせをする場面、
お披露目イベント、1stからのナンバリングライブ、
Finale Liveのリハーサル映像などを交えながら、
文字通りAqoursのこれまでを辿ってゆきます。
さて、
Finale Liveが近づき、リハーサルが進むにつれ、
メンバーたちのなかには、ある想いが去来します。
「Aqoursとして始動して10年、
みんな大人になってゆくに連れて、
みんなの考えていることがわからない。」
Aqoursがスタートした当初は、
その存在を受け入れられなかった人たちからの
厳しい声に晒され続けてきたメンバーたち。
それでも、
「私たちを信じて、ついてきてください!」
と言うほかなかったお披露目イベント。
その言葉を体現するかのように、
4thライブ――μ‘sがファイナルを迎えた東京ドーム
までの道を、ただひたすらに走ってきました。
ところが。
新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、
五大ドームツアーや静岡での凱旋ライブなど、
いろいろなイベントが中止を余儀なくされます。
その決定を受け入れざるを得ないとはいえ、
メンバーたちの心には、相次ぐ「中止」の事実が
深く突き刺さっていってしまうのでした。
そのなかで、
ほんの短いMCで喋っている「自分」と、
「キャラ」としてパフォーマンスする「自分」とを
繰り返すうちに、「本当の自分」を見失ってしまう
キャストも現れてしまいます。
そんな事情も相まって、
Aqoursメンバーたちの間で「同じ方向を向く」
ということが難しくなってしまいました。
事実、インタビューのなかで、
「AqoursがFinaleを迎えることをどう思うか?」
という問いが投げかけられた際には、
逢田梨香子さんは賛成、斉藤朱夏さんは反対。
この後も、逢田さんと斉藤さんは
対照的な考えを持つキャストとして登場します。
メンバー間のギクシャクした空気を感じたのは、
逢田さんも斉藤さんも同じでありました。
「みんなで想いをひとつにしたい」
と涙ながらに願う逢田さんに対し、斉藤さんは
「想いをひとつにできるなんてエゴだ」と喝破。
バラバラなのもやむなし、という考えでした。
と、このような感じで、
どうやってメンバーと触れ合っていいのかも
分からなくなってしまったAqoursを救うのは、
やはりあの人しかいなかったのでした。
2. 本音と建前のはざまで
逢田さんと斉藤さんという、
対照的な考えを持つ二人が近くにいたゆえか、
我らが座長・伊波杏樹さんはこう考えていました。
「想いがひとつにならないのは仕方ない」
いわば、斉藤さんのようにAqoursの現実を見て、
自分の気持ちを整理していたわけです。
しかし。
Finale Liveのスタジオ最終リハーサルが終わり、
カメラの前で涙を流していた伊波さんの姿が。
悔いなくFinale Liveをやり切りたい伊波さんに
してみれば、ギクシャクした現状はどうしても
受け入れがたいものだったのです。
彼女は言いました。「悔しい」と。
つまり、伊波さん自身も
斉藤さん的な建前と、逢田さん的な本音との間で
揺れ動いていたというわけです。
このドキュメンタリーのなかでも、
他のメンバーから「本心が分からない」と
評されていたのが、伊波杏樹さんその人でした。
また、Finale Live直前のリレーインタビューでも、
以下のような回答をされていました。
――では最後に、リレーパートです。前回インタビューさせてもらった逢田さんから、「一番気が抜ける瞬間はいつ?」という質問がありました。10年一緒にいるけれど、まだ謎が多いから、だそうです。
伊波:謎か〜。確かに私はあまり自分の心の内を明かさないので、そう思われがちなのかもしれません。ここまでの話にも通じるところがあったと思うんですけど、「自分の意見や思いを明かさないほうがやりやすいな」と、どこかのタイミングで気づいたんですよ。本音を言うとしても、たまに少人数のところでポロッとくらいだから、一番気が抜けるのは家にいる時かな。一人の時が、一番気が楽です。
そんな伊波さんは、
「Aqoursの活動のなかで犠牲になったものは?」
という問いに対して、「自分」と答えています。
Aqoursのリーダーという気概を背負い、
Aqoursのことを何よりも考える伊波さんは、
その本心を隠し、Aqoursのために動いていました。
そんな彼女の苦悩は、
「円陣」というひとつの行為にも見えていました。
もちろんコロナ禍という社会的事情もあったと
考えられますが、Aqoursはあるときを境にして
ライブ前の円陣を組まなくなったと明かされます。
みんなの複雑な心中を察したうえで、
円陣が、心を一つにするということが
本番前のメンバーの心をざわつかせてはいけない
という、伊波さんなりの配慮のあらわれでした。
でも、そんなAqoursでFinale Liveを迎えるのは、
リーダー・伊波杏樹は「悔しい」のです。
3. 想いよひとつになれ
そんな伊波さんにとって救いとなったのは、
プロデューサーの大久保隆一さんでした。
円陣が組まれてこなかったことに
気づいていたのは大久保さんも一緒。
そこで、アンコール後に待ち受ける
「君のこころは輝いてるかい?」の披露前に、
円陣を組むことを提案するのでした。
この大久保さんの提案も背中を押したのか、
Finale Liveが始まる前にも、同じように
メンバーで円陣を組む流れが生まれました。
個人の想いはいろいろあるかもしれない。
でも、それでも。
Aqoursを成功させたいという想い。
悔いなくFinaleを迎えようという想い。
それはメンバーみんな一緒のはずです。
あの円陣によって、
久しぶりにメンバーの想いがひとつに
なっていたのかもしれません。
しかし、それ以上に、
伊波さんが、「自分」というものを
メンバーの前にさらけ出すことができた。
今まで押し殺してきた、自分の想いを。
このドキュメンタリーで描かれていたのは、
「伊波杏樹が、Aqoursのリーダーとして、
"自分" を取り戻す話」なのかもしれない。
そんなことを思わずにはいられません。
そんな映画を締めくくるエンドロールで、
エンディングとして流れていた楽曲が、
「想いよひとつになれ」なのは、まさに至高。
こんな歌詞がありますよね。
想いよひとつになれ
どこにいても同じ明日を信じてる
メンバーみんな、同じ明日を信じて、
Finale Liveに向かってくれたのでしょう。
そう信じない理由はありません。
このドキュメンタリー(=Aqoursの物語)において、
「想いよひとつになれ」がメッセージを持つとき、
1stライブでの逢田さんの失敗が、同じくこの曲に
関連するのはもはや命運だったとさえ思えます。
そして、Finale Live Day.1の
「想いよひとつになれ」がYouTubeにて
限定公開されたのも、このような事情を
踏まえてもことであったことでしょう。
たぶん今見たらまた別の感情で号泣です。
私個人としては、
すべての人と想いを通じ合わせることは、
実質的には不可能だと思っています。
上で言う、斉藤さんと同じスタンスですね。
でも、通じ合うことができないからこそ、
人は想いを通じさせたいと願うのでしょう。
だから、伊波杏樹も願ったのでしょう。
「想いよひとつになれ」と。
4. おわりに
ここまで、
『Aqours Documentary』で感じたことを、
ことばに紡いでまいりました。
今まで歩んできたAqoursとの思い出を振り返り、
涙するシーンも数多くありました。
しかし、
ただ一点において惜しむ点があります。
小宮有紗さん‥‥あんま出番なかったですね。
彼女は、Aqoursをどう思っていたのでしょう。
ファンとして気になるところです。とても。
どこかの折で、
今回あまりスポットライトの当たらなかった
キャストにも視点を当てた作品があれば、
これほど嬉しいことはありません。

あらためて、Aqoursのみなさん。
特に、黒澤ダイヤちゃん、小宮有紗さん。
前推しの松浦果南ちゃん、諏訪ななかさん。
まずは、いったん。ありがとうございました。
ここまでAqoursを追いかけるなかで、
書いてきたnoteたちのうち、今回の記事に
関連しそうなものたちです。よしなに。