あれから八か月
アールグレイのティバッグ
紐の先端が邪魔でカップの持ち手に回し掛けた
気付くとこれは君がやっていたスタイルだったね
洗う時に面倒だからやめろと俺は言ってしまったっけ
今となれば、両手の僕だってそうした方が飲みやすい事を感じたよ
君がやっていた事は只の生活様式じゃあなかった
水道の蛇口がツマミ式だったのを、柄の長いレバー式に換えたのは僕だったけど、君に頼まれた事だった
その他数え上げればきりがないほど生活スタイルの7割以上が君のアイデァだったと今更気付く
家のあちこちにファブリーズを置いていたのも
洗濯用の洗剤を、粉でなく片手でワンプッシュ出来る奴を選んだのも
頭痛薬が部屋のあちこちに備えてあったことも
夏はトイレに卓上扇風機を備えたのも
トイレ掃除がしやすいように「そのまま流せる青い奴」を使い
寝たままでなんにでも手が届くように、色んなものがぶら下がり
漂白剤も気になった時にすぐ使えるようにしてあったっけ
食べるものも殆ど毎日同じような胃に優しいものだったり
半身不随が日々進行して行く中で、真剣に人生に向き合い、その意味を考えていたね
やりたい事 出来る事 やらなければならない事
・・・・・ 諦めた事
それらを熟考した結果から産まれたライフスタイル
使い勝手最優先で居心地の良さを極めようとした生活様式
一人になった僕はそれぞれの意味を嚙みしめながら、生活しています
この部屋に住んいる間は勿論、どこかへ引っ越しても同じこと
見たもの全てから君を思い出せる 何処に居ても
