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星降る夜の願い

    前置き

    初めて投稿する物語です。自己紹介の記事にもある通り、テーマは七夕ですが、あまり気にせず読んでもらえればと思います。
    もう少し、ふくらましたかったのですが、七夕の日にアップしたかったので一旦公開します。(後日修正するかもです。)
    稚拙な文章でお恥ずかしいですが、どうぞよろしくお願いします!

    ここから物語

      遠い昔、美しい自然に囲まれた小さな村がありました。森の中には小さな丘があり、そこからは星空がとてもよく見えました。
    その村にはオリヒコという青年がいました。オリヒコは小さいころに両親を亡くし、一人で生活していました。気丈にふるまい、村のためによく働く彼の姿は村の人たちにとって好感を持つと同時に、無理をしているようにも見え、心配していました。

     ある夜、オリヒコは村から少し離れた丘へ向かいました。その丘からは星がよく見え、オリヒコのお気に入りの場所です。その日も、夜空には無数の星が輝いていました。煌めく光の中で、オリヒコはひときわ輝く一つの星を見つけました。すると、光は次第に明るさを増し、そのまぶしさにオリヒコは目を閉じました。
     目を開けると、目の前に自分と同い年くらいに見える女性が立っていました。背丈は自分より少し小さく、美しい装いをしています。初めてあったにもかかわらず、どこか懐かしさを覚えた彼は、不思議と自身の自己紹介に始まり、身の上を彼女に話していました。幼いころに家族を亡くしたことや、一人で生活していた寂しさや苦しさを打ち明けました。彼女はオリヒコの話を熱心に聞き、慰めていました。彼女と話をすることでオリヒコの心は軽くなっていったのでした。ただ、その時間は長くは続きませんでした。夜が明ける前になると、また強い光が目の前を照らし彼女は消えてしまいました。

     その日から、星がよく見える夜には、オリヒコは丘に向かいました。彼女と話ができるのは星の見える夜の間だけで、夜明け前にはやはり彼女は消えてしまいます。なので、何日も丘に通い、二人は短い時間のおしゃべりを楽しんでいました。オリヒコの話す村で起きた出来事や、森の植物、動物の話を、彼女はとても興味津々で聞いていました。

     ある夜、丘へ向かう途中、青白く光り輝く流れ星を夜空に見つけました。オリヒコはその流れ星を見つめながらつぶやきました。彼女とずっと一緒にいたい、と。
     その夜もオリヒコは彼女とおしゃべりを楽しんでいましたが、いつまでたっても夜が明ける気配がありません。うろたえているオリヒコに、彼女は言いました。あなたの願い事が叶ったのだと。状況をよく理解できないオリヒコに、彼女は説明しました。
    彼女が実は星の民の姫で、その父である星の民の王に願いことを叶える力を持っていること。
    そして、夜しか地上に姿を現すことができない彼女は、オリヒコの願いを叶えるため、夜が永遠に続くことになったこと。
     しかし、オリヒコの気持ちは複雑でした。彼女とずっと会えるのはうれしいですが、太陽が昇らないと植物が育たなくなってしまいます。すると、畑の野菜が取れなくなってしまいますし、森も枯れ、動物たちがいなくなってしまいます。村のみんなが困ってしまうのです。
     オリヒコは彼女に尋ねました。願い事を取り消すことができないかと。彼女は取り消すことはできるが、その代わり代償を背負う必要があるといいました。その代償とは、願い事をした当人に、願い事と反対のことが起こるというものです。つまり、彼女とずっと一緒にいたいと願ったオリヒコは、代償として彼女とずっと離ればなれになってしまうのです。オリヒコは悩みましたが、村のみんなのため、代償を背負うことで願い事を取り消すことにしました。 

     オリヒコはその日から彼女に会うことはなくなりました。元気がなくなった彼を、村の人たちはとても心配しました。オリヒコから事情を聞いた村人たちは、彼を励ましました。村人たちに心配をかけまいと空元気を振りまいていたオリヒコですが、その姿は周りからはかえって痛々しく見えました。 

     そんな彼のために村人たちはみんなで流れ星に願い事をしました。またオリヒコと星の民の姫が会うことができるように、と。
     すると、村人たちの耳に星の民の王の声が聞こえました。ただ、その内容は村人たちが期待したものではありませんでした。村人たちの願いは、彼の背負う代償に反するものであるため、叶えることはできないというのです。
     その時、村の中で知恵の回るものが言いました。オリヒコの願いは、「星の民の姫と”ずっと”一緒にいたい」というものであった。であれば、「”ずっと”は一緒にいられない」、つまり「たまにしか一緒にいられない」というのも、代償として成り立つのではないかと。その機転の利いた意見に、星の民の王は感心し、大きく笑いました。星の民の王は、知恵ある村人の意見を聞き入れました。
     そして、オリヒコと星の民の姫は、年に一度、星のよく見える夜に、会うことができるようになりました。

    ~おしまい。~


     
     
    子供向けの読み聞かせ、絵本が多くなると思われますが、社会人向けの物語も書いていく予定です。よろしければ、見ていってください。

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