『よねさんと妖精 〜1億円の小切手とシャンパンゴールドの奇跡〜』第13話:ハチャメチャ西部劇①〜すまいるビーム〜
ば、婆さん⁉️
身体が硬直し血の気が引く。
「ひ、ひぃっ……!」
よねさんは、時速100キロの車と並走しながら、涼しい顔をしていた。
──あれ? 怖いのかえ?
──人見知りかもしれんのう。
──まだまだお若いからのう…。
運転席の男が、震える声で叫んだ。
「割烹着の婆さんが並走してる!! 窓ノックしてくるんだけど!!」
コンコンコン。
窓を、トントンとノックする音。
やれやれ……
秘技──
『すまいるビーム』
まばゆい笑顔が、窓越しに炸裂した。
「クッ!!
ま、眩しいっ!!」
「めっちゃ笑顔──!!」
「喰われる!! 俺ら喰われる!! アクセル踏め! 踏みちぎれぇぇ!!」
カヨも、思わず悲鳴のような声を上げた。
「な、何なんですか、あれは……!」
真由だけが、目をキラキラさせていた。
「わぁ! すごい! 光ってる!」
──あれ? 通じない?
──ヤレヤレ。仕方あるまい。
──特別じゃぞ?
秘技──
『大人の色気・ラブラブビーム💋』
無数の唇マークが、窓からゴロゴロと転がり込んできた。
ダッシュボードに張りつき、バックミラーにぶら下がり、運転手の頬にまでペタリ。
「ギャアアア──!!」
「身体にくっついてきた──!! 払っても離れねぇ──!!」
──色気が足りんのか。
──まだ、わからぬ子供達じゃのう。
よねさんは、やれやれと首を振った。
「な、なんなの、あの人……!」
カヨの手が、膝の上で震えていた。
真由は、カヨの手を握りしめて
「カヨ!大丈夫だよ!!
あのお婆さん凄い笑顔で
笑ってるよ!!
マジックだねぇ〜!
楽しいな──!!
ね、次何見せてくれるの⁈」
車内を動き回る無数の唇をつかみ真由は、指でつついている。
カヨは、青ざめながら
「真由様!
いけません!!
得体の知れないものを
触っては、いけません!!」
真由から唇を剥ぎ取った。
あちこち動き回る物体💋
カヨは、真由を抱きしめて覆い隠した。
私が──
この子だけでも助かって──!!
(つづく)
次回予告|第14話
──ヨシヨシでもしてやるか。
よねさんの、最後の秘技が炸裂する。
第14話『ハチャメチャ西部劇②〜シャボン玉の奇跡〜』
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