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Photo byechica111

#1 神様の耳栓

     これは宇宙開発が盛んになった時代の話。

    ある国が国の威信をかけてロケットを開発した。科学者や技術者など7人の精鋭がロケットにのって宇宙に旅立った。木星までやってきた彼らは、ある奇妙な現象と出会う。

    小惑星がつぎつぎと消滅する現象だ。まるで、目に見えない穴に吸いこまれて消えていくように、小惑星が消えていくのだ。

    彼らはその見えない穴の中を探索することにした。

    穴の奥まで行くと、いくつもの小惑星がひと塊になって穴を塞いでいる。

    その塊をどけて、さらに奥に進むと、白髪と白髭の老人が不機嫌そうに椅子に座っていた。

    「あなたは誰ですか?」と科学者が問うと、

    「わしは神じゃ」と老人は言った。

    「どうしてこんな場所に?」

    「わしはこれまで何千年も人間どもの願いを聞いてきた。じゃが、最近は人間が増えすぎて、もう願いを聞いていられん。願いが聞こえないように、小天体で入り口を塞いで、この穴にこもっておったのじゃ。さあ、出ていけ。もうお前らのことは知らん」

    仕方なく探索者たちは穴から出て、ロケットに乗り込んだ。

    すると、地球から連絡が届いていた。

    「大変だ。今すぐ帰ってきてくれ。つぎつぎと天変地異が起こって、飢饉や伝染病や戦争で地球が大変なことになっている」

     
     
     
    短い小説を書いています。楽しむことを忘れずに、をモットーに創作を続けています。花澤薫さま主催の「一枚の写真から文芸賞」で佳作を、「第二回失われる者たち文芸賞」で期待賞を頂きました。

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