
【詩】エコスフィア
窓の外で炸裂する爆弾は
どこか遠くで彗星に生まれ変わったらしい
海岸に打ち上げられた鯨は
天球の彼方に海を見ている
二人で指差したあの満月は
あなたの家の明かり取り窓に過ぎなかった
世界が終わるとき
私は間違いなくこの世にいないわけだが
あなたはどうするだろう
高倍率の望遠鏡を覗き込み
永遠の不在の証明となる何かを探すだろうか
それとも不思議そうな面持ちで
地面に 壁に 己の頬に そっと触れるだろうか
朽ちかけた空き家の庭で
無造作に咲き乱れる薔薇の花が
私の血のように色づいたとき
気がついた あなたはもういないのだと