Photo by
ithem_noramoyo
幸せを感じた何気ない瞬間
家事が一段落して、ふと一息つく時間。
リビングに座って、
私の小さな宝物たちを手のひらに呼ぶ。
白文鳥と桜文鳥、ふた羽のいとしい家族たち。
小さな足を包み込むようにそっと手を差し出すと、トコトコと嬉しそうに収まってくれる。
その軽くて温かな体をそっと持ち上げて、
左右の手のひらを自分の両頬へ引き寄せる。
右の頬には白文鳥の、左の頬には桜文鳥の、
絹糸のように滑らかな羽毛がふわりと触れると、
鳥好きの間ではおなじみのあの香りがする。
お日様に干したお布団のようでもあり、
香ばしいパンの耳やポップコーンのようでもある、あの独特な小鳥の匂い。
白と桜で、わずかに香りのニュアンスや
体温の伝わり方が違うのに気付けることも、
毎日お世話をしている私だけの特権だ。
人間よりも少しだけ高い小鳥たちの体温が、
頬からじわっと伝わってきて、
なんとなく溜まっていた日々の緊張や疲れが
スーッと溶けていく。
贅沢な「温もりのサンドイッチ」だ。
さらに、その至福の時、ふた羽の喉の奥から
「ジジッ……」「じゅるる……」と、小さく甘えたような心地よさの音が聞こえてくる。
安心しきって体を預けてくれていると感じられると、愛しさはもうピークを迎える。
この小さな命たちの重みと、
全身から伝わってくる確かな体温。
バタバタと過ぎ去っていく日常の中で、
ここだけ時間が止まったみたいに静かになる。
「大好きよ。ありがとうね」
と伝えると、手のひらの小さな文鳥たちが
「ピッ」とさらに小さく返事をした。
