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Photo byx4a4n

失敗しないとわかっていたらやりたいこと

    私は昔から、手先が驚くほど不器用です。

    私のこれまでの人生を振り返ってみると、
    「作りたいもの」と「実際にできたもの」
    のあまりのギャップに、
    心が折れてきた記憶ばかりです。

    家庭科や図工の時間、
    心の中には鮮やかな完成図があるのに、
    いざ形にしようとすると
    手が全く言うことを聞きません。

    高校の家庭科では、
    かぎ針編みのベストを宿題に出され、
    何時間もかかって必死に編み上げました。

    けれど、出来上がったのはベストなのだかなんなのか、形すらよくわからない謎の物体。

    あまりのひどさに、
    普段は厳しかった母が見かねて、夜中にこっそりほどいてやり直してくれたほどです。

    ミシンを動かせば、
    なぜか必ずと言っていいほど下糸が絡まり、
    ガチャンと音を立てて針が折れます。

    自分の頭の中にある完璧なイメージ。
    それと、目の前にある無残な現実との
    途方もない落差。

    そのギャップに向き合うたびに、
    「あぁ、私にはやっぱり無理なんだ」
    と深く落ち込み、切なくなってしまう…。

    イメージ通りに描けない絵を見つめては、
    静かにペンを置く。
    その繰り返しでした。

    だからこそ、
    「もしも絶対に失敗せず、
    イメージ通りのものが作れる」
    という魔法のような条件が揃っているなら、
    やってみたいことがふたつあります。

    ひとつは、旅先でのスケッチです。
    美しい景色に出会ったとき、
    自分の目で見た感動をそのまま、
    キャンバスに風景画として描き残してみたい。

    自分の手が魔法のブラシのように動いて、
    その場の空気や光のきらめき、
    心の震えまでを紙の上に再現できたら、
    どれほど素晴らしいでしょう。

    もうひとつは、自分の身体にピッタリ合う
    ワンピースを自分の手で仕立てることです。

    市販の服ではどこか丈が合わなかったり、ラインがしっくりこなかったりすることがあります。

    「こんなデザインで、自分の身体のラインをきれいに見せてくれる一着が欲しい」
    という頭の中の設計図を、上質な布と糸を使って
    そのまま現実のものにしてみたい。

    自分の身体にしなやかに馴染む、
    世界にたった一つの服を着て出かけられたら、
    どんなに心が躍ることでしょう。

    失敗の怖さや、
    不器用さへのコンプレックスが
    すべて消え去った世界。

    頭の中にある美しいイメージが、
    そのまま目の前の形になるという
    奇跡が起きるなら、
    私は迷わず針と筆を手に取り、
    心ゆくまでモノづくりに没頭したいです。

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