
今年も戦っています。相手は柿の木。
〜柿ジャム未遂事件〜

今年もこの季節がやってきた。
敵は鳥と蜂、そして――柿の木だ。
枝を引き寄せ、樹の下でせっせともいでいると、
まるで意思を持ったように柿がこちらを狙って落ちてくる。
熟し切る前の実はまだ弾力があるから、命中しても被害は少ない。
……とはいえ、今朝は二発くらった。
それでも、負けてなるものか。
隣のお宅の庭にはみ出しそうな枝を優先的にもいで、
戦いは続く。

「この一つは、渡さない……!」
そう心の中で叫びながら、私は枝を引き寄せた。
だが、現実はいつも想定外である。

ぽとん。
枝を戻した反動で、上から柿が落ちてきた。
見事に、頭に命中。
幸いにも熟し切る前の実だったから、髪が悲惨なことにはならなかった。
けれど、柿の木との戦いは今年も負け越しである。
何も起きない?
いえ、全部そこで起きていました。
熟しきった実だったら、頭の上でぐしゃっと潰れていたかもしれないけど、
幸いにも落ちてきたのは、まだ崩れる前の実でした。
……髪も無事。プライドも、たぶん無事。