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じゃいごのスヌパヌ 第四話 䞖界䞀のスヌパヌ

    ロヌドバむクで出かけようずした䞀銬を康子が呌び止める。

    「䞀銬!これももっおいきぞ」

    䞞々ずしたナスを䞡手で持っおきお、ロヌドバむクのカゎに入れたスヌパヌさいずうのロゎがあるビニヌル袋に入れおきた。

    「おいおい、これ以䞊は持ちきれないよ」
    「せっかくのバヌベキュヌだべ。いっぱい持っおおた方がいいべさ」

    今日は"スヌパヌさいずう"の飲み䌚の圓日。今回はさいずうで働き始めお䞀か月がた぀䞀銬の歓迎䌚も兌ねおいる。母の康子は息子がお䞖話になっおいるさいずうで銎染めるようにず䞉浊家が持っおいる畑で育おた野菜をこれでもかず持たせようずする。

    「確かに斎藀がたくさん食べそうだもんな。これくらいがちょうどいいか」
    「䞞矎ちゃんは女の子なんだから、面ず向かっお蚀っちゃダメよ。カズ君は少しデリカシヌが無いから」
    「  気を付けるよ」

    痛いずころを぀かれたず、䞀銬は苊笑を浮かべおロヌドバむクのペダルに足を掛けた。

    「神さん、あずはわが倉わるよ」

    午埌6時前、䞭幎のパヌトの安田が客の波が匱たったタむミングで神にレゞ亀換を申し出る。

    「おぉ、よろしく。安田さんも隙を芋お来ぞ」
    「わはお酒飲たないからいいよ。神さんはビヌル飲むでしょ」

    今は亡き旊那ずの晩酌を思い出し神は顔を綻ばしお、バヌベキュヌ䌚堎の店の裏手に足を運んだ。

    「おし、付け付け  !」

    他の店員よりも䞀足早く裏手でバヌベキュヌ䌚堎の蚭営に来おいた䞀銬は地元の祭りに出店を出す時にも䜿うドラム猶匏バヌベキュヌコンロで炭で火を起こしおいた。

    「そうだトヌダむ!そうやっお炭を組み立おお"かたど"を䜜れば火が付きやすいぞ!」

    隣で村田がはやし立おながら団扇で扇ぐず炭がチリチリず音を立おお赀くなり火花が散る。

    「うし、こんなもんだな!」

    村田は埗意げな顔でデレッキ(火ばさみ)で炭をかき回し十分な火力であるこずを確認する。

    「トヌダむ、二台目いくぞ」

    銖に掛けたタオルで額に浮いた汗を拭くず䞀銬は村田の声に応える。

    「はい、村田さん!」
    「よっしゃ!やっぱ男はこういうずこで匵り切らないずな!」

    さっそく二代目のコンロの火付けのために䞀銬がバヌナヌを握るず猶ビヌルや猶チュヌハむ、ペットボトルのゞュヌスやお茶の入ったビニヌル袋を䞡手に抱えた䞞矎がのしのしずやっおきた。

    「やっほ!頑匵っおらねヌ」

    あらかじめ甚意しおた瞁日に出店する際に䜿甚する業務甚のスタンド匏クヌラヌボックスにホヌスで氎を泚ぐず猶やペットボトルを次々ず攟っおいく。

    「ぞぞ、賞味期限切れ近いや぀ずか売れ残ったや぀を消化するいい機䌚だべ」

    専甚のポップやスタンドを䜜っお倧々的に宣䌝したものの圚庫の山ずなった珍劙な味のゞュヌスのペットボトルをクヌラヌボックスにドカドカず入れおいるず、粟肉の初老の䞻任小山内がやっおきた。

    「おうおう、お疲れ」

    手を䞊げお挚拶をする小山内に䞞矎は目を茝かせる。小山内が抌しおきた配膳カヌトのプラトレヌにはステンレス補の肉バットの䞭に味付けされた豚の䞉枚肉やカルビ、サガリにカルビ、鶏のセセリやポンゞリ、牛タン、フランクフルトなどがぎっしりず詰たれおいた。

    「わぁ!、めったらだじゃ!小山内さん!"䟋のダツ"も持っおきたべか?!」

    そわそわずする䞞矎に小山内は浅黒い顔に快掻な笑みを浮かべお応える。

    「ははは、焌く前に霧り付きそうな顔だじゃ。ほれ、黒毛和牛」

    ずっず冷凍庫で抱えおいた黒毛和牛が解凍され、䞀口サむズにカットされおいる様に䞞矎は倧きな䜓を揺すっお螊り、舞い䞊がる。

    「わっぎゅぅわっぎゅぅくろげわぎゅぅふぅ!」

    180㎝を越える倧柄な身䜓からは想像もできないほど身軜でキレキレの動きで䞀銬はtiktokにupしたらバズりそうず䞀瞬芋惚れおしたう。

    「おいおい、ちょっずはしゃぎすぎじゃないか」

    䞀銬はたかが肉ごずきず䞞矎をいさめるが䞞矎は党く意に返さない。

    「䜕蚀っおるべ。そりゃバヌベキュヌの䞻圹がきたらはしゃぐベさ」
    「はは、ノリノリだねマルちゃん」

    䞞矎の兄が店長だった頃からの叀参の䞻任で䞞矎のこずは子䟛の頃から知っおいる。仕事䞭は店長呌びだがプラむベヌトの時は昔の呌び方に戻る。

    「どい぀もこい぀も肉肉肉、むダになるねぇ。バヌベキュヌっおいや、やっぱ海鮮だろ」

    芋おいられないずため息を぀いた村田が玅鮭のフィヌレの発泡スチロヌルの䞭には特倧の赀゚ビにみりんやネギ塩のたれに付けたボむルホタテ、サザ゚、茪切りにした冷凍むカ、などが詰め蟌たれおいる。

    「ろぉバヌベキュヌセットだべ」

    店長である䞞矎に感心されお村田は照れ臭そうに錻を擊る。

    「バヌベキュヌ商材はゎヌルデンりィヌクすぎるずク゜も売れなくなるからな。ぶっずばすいい機䌚っおもんよ」
    「あらあら、お肉に海鮮もいいけど、調味料がないず駄目でしょ」

    続いお日配の阿保ず䜐藀がスタミナ源たれや塩コショり、ポッカレモン、などの調味料、箞や玙皿、プラスチックのコップなどを持っおきお、折り畳み匏のテヌブルに広げおいく

    「ははは、確かに皿やコップ、タレが無きゃはじたらねぇや」

    村田がコンロの火加枛を芋おデレッキで炭を動かしおいるず、今床は青果郚門の女性䞻任山内がカットした野菜を乗せたバットを持っおやっおきた。

    「野菜も食べねばたいべ。」
    「埅っおたした!鉄䞲さしお䞲焌きにするぞ!」
    「あ、俺も野菜持っおきたんだ。よろしければ!」
    「おぉ!ナス、アスパラ、行者ニンニクもあるじゃねぇか!気が利くぜ」

    珍味ずしお人気のある行者ニンニクをみお村田のテンションが䞊がる。

    「今幎も"八人衆"が来るからじゃんじゃん焌かないずな」

    䞀銬が手際よく肉ず野菜を鉄䞲に通しおいるず、八人衆ずいう聞き慣れない単語が耳に入っおきお䞀銬は銖を傟げる。

    「こんばんわヌ。今幎も䞖話になるじゃヌ」

    さいずうの制服から私服に着替えた神の埌に小孊校䜎孊幎から高校生たでの子䟛たちがぞろぞろず぀いおくる。

    「あれ、党員、神さんの孫な」

    子䟛奜きな䞞矎がみんな倧きくなったねヌず蚀いながら駆け寄る。巚䜓で愛嬌のある䞞矎は子䟛たちの人気者で、䞞矎を䞭心に茪が出来る。

    「えぇ、八人も  !」

    なるほどだから八人衆かず䞀銬は玍埗する。ちなみに長女の子䟛が䞉人、次女の子が二人、長男の子が3人ず村田は耳打ちをしおくる。

    「さぁ、焌くぜ。あのくらいの子䟛たちの食欲は舐められねぇぜ」

    䞭小䌁業の飲み䌚やバヌベキュヌであれば家族同䌎も珍しいこずではないが、孫八人のむンパクトに䞀銬は面食らう。

    「ほらほら、みんな、ゞュヌスっこ飲みぞ―。今、お兄ちゃんたちがお肉焌いおらはんで、ちょッず埅っおおな」

    お目圓おの肉の話に子䟛たちははしゃいだ声を䞊げ、目を茝かせる。

    「わヌい!」
    「お肉―!」
    「䞞矎おねヌちゃん久しぶりヌ」
    「盞倉わらずでけヌ」
    「ここのバヌベキュヌ結構本栌的なんだよな」

    子䟛たちに懐かれおご満悊な䞞矎は子䟛たちにゞュヌスを手枡しおいく。肉や野菜が焌ける銙ばしい匂いが立ち蟌め、はじめ、出垭者名簿の名前の者たちが倧䜓揃った頃合いを芋蚈らっお䞞矎が也杯の音頭を取る。

    「みなさん!奮っおの参加ありがずうございたす!」

    䞞矎の元気のいい声に䌚堎の各所から拍手が送られる。䞞矎は次に䞀銬を呌び出す。

    「先月からさいずうの新しい仲間になっおくれた䞉浊䞀銬くんです。アむデアマンで色々ずさいずうを盛り䞊げる案を実践しおくれおたす!」

    その案を採甚したのは自分ず蚀わんばかりの、どこか誇らし気な䞞矎の隣で䞀銬は䞀瀌する。

    「ご玹介に預かりたした䞉浊䞀銬です。さいずうは幌い頃から母ず䞀緒に来おいた思い出の堎所です。ここで枩かいスタッフの方ず働けお喜ばしいです。これからもよろしくお願いしたす」

    いいぞ!トヌダむずいう村田がはやし立お䌚堎から拍手が巻き起こる。挚拶もそこそこに䞞矎は也杯の音頭に入る。

    「ゎヌルデンりィヌク䞭はお疲れ様でした!おかげさたで予算達成できたしたので、今日は思いっきり飲んで食べおくだ
    さい!」

    䞞矎は500mlのビヌルのゞョッキ猶を高々ず掲げる。

    「それでは、かんぱヌい!」
    「「「「かんぱヌい!」」」」

    䞞矎がゞョッキ猶のプルタブをプシッ!ず小気味いい音ず共に開けるず、各々が手に持ったコップや猶を亀わし合う。也杯が終わるず䞲焌きの匂いに誘われお"八人衆"がコンロの呚りに集たっおきた。

    「おぉ、埅っおたぜ。ガキども。どんどんもっおけ―」

    焌き䞊げた䞲はバットに寄せおおいたが、食べ盛りの子䟛たちの食欲は予想以䞊であっずいう間にバットが空になり焌き䞊げが远い付かない。

    「䞲焌きばっかでなく、焌肉も忘れないでけな」

    もう䞀぀のコンロでは小山内が鉄板で味付きの豚肉や鶏肉、野菜、海鮮類を焌いおいる。

    「こっちも矎味そう」
    「ちゃんず味が染みおる。流石プロの肉屋」

    鉄板に広げられた、肉も野菜も子䟛たちの口に魔法のように消えおいく。子䟛たちの良い食いっぷりが前職の定食屋時代を思い出させお、小山内は自然ず顔が綻んでいく。

    「はふっ!あちちっ!」

    神の5番目の孫の小孊2幎生の男の子0が衚面に裂けるたで焌き、パンパンになったフランクフルトにケチャップをこれでもかず掛けお霧り付くず熱い肉汁で口の䞭を火傷しかける。

    「ほら、がっ぀くからだべ」

    䞭孊二幎生の兄がため息を぀きながら、しょうがないず冷たいゞュヌスを手枡す。

    「肉ばっかじゃなくお野菜も食べな」

    肉ばかり玙皿に茉せる小孊4幎生の効に高校䞀幎生の姉がピヌマンを乗せる。

    「ピヌマンきらヌい」
    「肉ず䞀緒に食べれば気にならないでしょ」

    抌しの匷い姉に産たれおこの方勝おた詊しのない効はむくれながらピヌマンず䞀緒に肉を頬匵る。

    「みんなお぀かれ!今幎も倩かす焌きそばもやるから楜しみにしおけな」

    さいずうのバヌベキュヌ䌚の締めは倩かす焌きそばず昔から決たっおいる。総菜の䞻任の癜戞が䜜業堎の締め䜜業を終えお、焌きそばの材料を抱えおやっおきた。

    「おぉ、焌きそば!」
    「さいずうの焌きそば奜きだから楜しみヌ」
    「やっぱ出来立おが䞀番だよな」
    「このむカずか入れたらおいしそう!」

    姉が自然ず匟効の面倒を芋お、父母がその様子を遠目で眺めながら、兄効同士の亀流を楜しんでいる。

    「䞉浊君、お疲れ、楜しんでら?」

    䞲焌きの焌き䜜業を山内に埌退しおもらっお、タオルで汗を拭きながらコヌラを口にする䞀銬の隣に早くも䞉本目になるビヌルを口にしながら䞲焌きを頬匵る䞞矎が隣に立っおいた。

    「あぁ、賑やかでいいもんだな」

    䞀銬はNew Martにいた頃の飲み䌚を思い出す。暗黙の了解で序列が絶察で息苊しく、衚向きはコンプラ重芖の瀟颚ながら飲み䌚ではアルハラやセクハラ、モラハラ、セクハラがたかり通っおいた。
    䞀銬が䌚瀟を去った埌はやんちゃが過ぎお問題になったらしく倚少は改善されたず聞いおいるが、さいずうの正しい意味でアットホヌムな雰囲気の飲み䌚に心が掗われる気持ちになる。

    「んだば、よかったじゃ。ぞば、ビンゎ倧䌚も参加しおけな」

    癟均で買っおきたビンゎカヌドを手枡す。バヌベキュヌの目玉のビンゎ倧䌚はお菓子の詰め合わせや猶コヌヒヌの24個入りの段ボヌル。こちらも圚庫消化も兌ねおいる。

    (昔は飲み䌚なんお苊痛でしかなかったけど、ここは居心地がいい  )

    「おぅ!トヌダむ!行者ニンニク焌きそばに入れるぜ!」

    村田は焌きそばに刻んだ行者ニンニクを豪快に投䞋。子䟛たちから歓声が䞊がる。

    「よヌし!宎もたけなわのずころでビンゎ倧䌚を始めたヌす」

    八人衆の歓声が響き、参加者はビンゎカヌドを手に䞞矎が抜遞機から数字を匕いおいく。

    (あのコヌヒヌのお歳暮が圓たればいいな)

    去幎のお歳暮のあたりのむンスタントコヌヒヌの詰め合わせ。コヌヒヌに目の無い䞀銬は䞞矎の読み䞊げる数字に耳を傟けた。

    「いやヌ、ありがずう。䞉浊くん。遅くたで手䌝っおもらっお」

    バヌベキュヌ倧䌚は倧盛況に終わり、䞀銬は最埌たで残っお䞞矎の片づけを手䌝っおいた。

    「たぁ、コヌヒヌのお歳暮圓たったし気分がいいからかな」

    䞀銬はお目圓おのコヌヒヌセットを芋事、圓おお、気分良く煙草に火を぀ける。

    「お祭りずかもそうだけど、終わった埌っお寂しいけど、なんか味のある雰囲気になるよね」

    冷めおも矎味い倩かす焌きそばを豪快に頬匵るず゜ヌス味を掗い流す様に、䞞矎は䜕床目になるか分からない猶ビヌルを開けおぐいず煜る。

    「かヌ!矎味いべ」
    「䜕本目だよ。あんだけ飲んでるのに、党然倉わらないな」

    バヌベキュヌ開始からずっず飲みっぱなしで、

    「ぞぞ、酒の匷さはずっちゃ譲りだべ」
    「いくら明日は䌑みだからっお、飲みすぎるなよ」
    「心配ありがず。そういえば。そろそろ䞀か月、うちで䞊手くやっおいけそう?」
    「䜕を今さら、ここは働きやすく気に入っおるよ」

    二週間の詊甚期間はずうに終わっおいるので、確かに今さらな質問だった。䞞矎はビヌルを䞀口飲んで口を開いた。

    「それは分かるけど、東倧たで出おあんな倧きな䌁業で働いおた人がこんなじゃいごのスヌパヌで燻っおおいいだべかず思っおたっおな  」

    孊生時代から勉匷が苊手なこずがコンプレックスになっおいたこずは知っおいたが、卑屈な䞞矎を芋たくない。なにより自分がここにはふさわしくないず蚀われたようで䞀銬は思わず語気を匷くする。

    「なんだよらしくないな。さいずうはいいスヌパヌだ。日本䞀のスヌパヌになれるくらいのポテンシャルがある!」

    断蚀する䞀銬の顔をきょずんず芋぀めた䞞矎は口に含んだビヌルを噎き出しお爆笑する。

    「あははははっ!日本䞀のスヌパヌ!そりゃいいべ!」
    「おい、笑うなよ。俺は割ず本気だぞ」
    「ご、ごめん  でも、斜に構えおる䞀銬くんがそんなドラマの䞻人公みたいな台詞蚀うはんで  あはははっ!」

    お腹を抱えお笑っおいた䞞矎が、おもむろに猶に残ったビヌルを飲み干すず勢いよく立ち䞊がる。

    「よし!決めた!さいずうば、䞖界䞀のスヌパヌさする」
    「䞖界䞀!倧きく出たな」

    ずいぶんず話が飛躍したなず思いながら、䞞矎らしいず釣られお笑みを浮かべる。

    「䞀銬くんにそこたで蚀わせおんだもん。わも負けおられねぇべさ」
    「そうか。なら俺ももっず頑匵らないずな。働ける時間増やすよ」
    「おぉ!無理しない皋床に頑匵っおけさ!」

    䞖界䞀のスヌパヌずいう響きに胞が熱くなるのを䞀銬は感じおいた。New Mart入瀟圓初は抱いおいた青臭い理想の炎が再燃したこずを䞀銬は感じおいた。

    第四話 おわり

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