
うちのディーオージー
犬と同居している。
犬種はポメラニアン。
身体はやや大きめで、耳も大きいきつね顔の女の子。
(飼い始めて知ったことだけど、ポメラニアン界では、きつね顔/たぬき顔の大きく2タイプに分けられて語られるのが定石らしい。うどん・そばみたいだ)
それで彼女、容姿が所謂ポメラニアンのイメージと少し離れているのだが、この前ドッグランで出会った女の人は、飼い主から犬種を聞いても俄には信じられなかったらしい。犬に何度も確認していた。(「あなた本当にポメラニアン?」と、犬に直接3回ぐらい聞いていた)
さて夏が来て気温が上がった先月のこと。
伸ばしっ放しにしていた毛はいつの間にか随分長くなっており、私は彼女が歩いている姿を眺めながら、大分もっさりしているのに気付いた。
これでは暑かろうとトリミングしてくれるお店について調べると、およそ1万円かかるという。
この家に住む誰よりも高いなと思い、迷わずホームサロンを開くことにした。つまり無免許でトリマーになることにしたのだ、自分が。
散歩から帰って、さあシャンプー。すっきりきれいになった犬の毛はまるでリカちゃん人形のよう。光を透かしてきらきらしているその毛を、私は注意深く梳き、短く切っていった。
その結果どうなったかは、この記事に写真を載せていないことから察していただきたい。
夏を迎えた彼女の新しいヘアスタイルについて、遺憾ながら、と前置きして話したいことは山ほどある。ただもうすべては余談だから端的にまとめるけれど、特に下半身がまずいことになった。元々あった毛玉が露出したのか、それとも毛玉ができやすくなったのか、白い毛玉がやたらもこもこしている。座っているときの接地面となるうしろ脚裏側〜おしりにかけて、なんだか物凄くがびがびだ。
トリミングしてこんなことになるなんて知らなかったよ。毛玉だらけで、さながらおばあちゃんが履いていた30年選手のお手製の靴下じゃないか。
引きで見ると、また違う発見もある。(嬉しくない)
前脚とうしろ脚、左と右。4本の足はそれぞれ別の生き物の足のようである。つまり、見た目の太さやかたちがまるで違う。
ビフォーアフターで唯一変わらないのは、お顔。少し垂れた眉の毛が長いので家族から「◯山首相」などと呼ばれるそのお顔はそのままで、相変わらずチャーミング。可愛い。そしてこちらの気も知らず丸い瞳を輝かせて笑っている。
この今を灼き尽くして喉の奥。勝手に心がぎゅっとなって、いつもより余分に撫でてあげた。
全て終わって間も無く、くつろいだ姿勢で過ごしながら、彼女は大きなあくびをした。
沢山歩いて、シャワーもして。おまけに身体の近くで延々と怪しげな手つきで鋏を操られて。
疲れたかな、ゆっくりおやすみ、と声をかけた。
どうか、楽しい夢を見られますように。
毎年この時期になると聴きます。いい歌。