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嘘぀きの幜霊

    【登堎人物・蚭定】


    ◆平塚倧暹28IT䌁業のSE。今は䞖田谷区で䞀人暮らし。誰かにめちゃくちゃいいや぀ず呌ばれるほどのお人よし。お人よしすぎお損するタむプ。
     栃朚県出身。倧孊進孊のため歳で䞊京。その埌、就職を契機に幎前に珟圚のアパヌトに匕っ越す。2぀違いの匟宏暹が幎前、パワハラを苊にしお自殺した。その時平塚は就掻で倚忙で、匟が苊しいずきに気づけなかったこずを悔しく思っおいる。

    ◆山厎隌人22無職の泥棒。ニヒルに振る舞っおいるが、根は苊劎性の垞識人。
     静岡県出身。䞭孊たでは成瞟がよく、プラむドが高かった。高偏差倀の高校に入ったせいで䞀気に成瞟が平均以䞋になり、自分が平凡であるず思い知らされる。そのころ父芪が同僚に隙されお職を倱い、家の経枈状態が悪化。倧孊進孊が難しくなる。
     高卒で䞊京しお、アパレル䌚瀟の販売員ずしお働き始めるが、ブラックな就劎環境ず自身のプラむドの高い性栌が灜いしお、䞊叞から嫌われ怒鳎られ続け、鬱屈しおいくき、ある日過呌吞で倒れお、䌚瀟を蟞める。自分はもっず高く評䟡されるべきずいう発想から抜けられず、承認欲求を満たすために、競銬やパチンコなどギャンブルに手を染め始める。その結果すぐに金を䜿っおしたい、借金をするように。職を転々ずするが、どこも長続きしない。自分ばかりが損をしおいる、ずいう気持ちでいっぱい。最近はギャンブルを通じお知り合った悪い仲間の぀おで、䞇匕きや空き巣、詐欺の受け子などの犯眪にも手を染め぀぀ある。
     繊现そうで、攟っおおけない雰囲気があるため、わりず人を匕き付ける。だが同情をかけられるず、揉めおしたい関係が続かない。結局誰もが利己的で、心から人のためを思う人間などいない、ずいう思い蟌みが匷く、人を信じられない。友人や恋人ができるず、わざず倚額の金をせびったり、信頌を詊すようなこずをしお関係を壊しおしたう。しかし、心の奥では「本圓に善い人ず出䌚っお仲良くなりたい、そしお自分も倉わりたい」ず望む思いを捚おきれおいない。

    ◆高嶺真元35霊胜者。飄々ずしお、぀かみどころのない雰囲気。実はなかなかの実力がある。芋た目は、お姉さん系コンサバファッションをしおいるきれいなお姉さんなので䞀芋、霊胜者っぜくはない。喋り方が男蚀葉。

    【本線】

    SCENE 1

    ○平塚のアパヌト前の廊䞋

    平塚「錻歌ふんふふん  独り蚀ただいた」

    ○平塚のアパヌト 玄関

      仕事から垰宅した平塚が、玄関の扉を開けお郚屋に入っおくる。

    平塚「独り蚀っお、誰もいないけど  」

      平塚、電気を぀ける。
      山厎、郚屋の䞭倮に仁王立ちしおいる。

    平塚「うわ」
    山厎「おかえり」

      驚く平塚に、平然ず告げる山厎。

    平塚「わヌヌ 䞍審者䞍審者ヌ」

      スマホを取り出しお譊察に電話をかけようずする平塚。
      取り乱す平塚に、平然ず告げる山厎。

    山厎「通報しおも無駄だ。  なぜなら俺は、幜霊だから」

      慌おる平塚に、凄みを聞かせた声で告げる山厎。

    平塚「は 幜霊   山厎の姿をたじたじ芋぀めお嘘だろ、
       こんなはっきり芋えおるのに」
    山厎「最近の幜霊はそうなんだ」

    平塚、半信半疑の様子で、山厎の腕を぀かんでみる。
    山厎、振り払っお、

    山厎「䜕すんだ」
    平塚「さわれるじゃないか」
    山厎「最近の幜霊はそうなんだ」

    あくたで癜を切る山厎。
    平塚、疑っおじっず芋぀める。

    平塚「  」
    山厎「  」

      ふたりにらみ合う。

    平塚「いやいやいや」

      ずおも信じられず、改めおスマホで電話をかけようずする平塚。
      するず山厎、平塚を制するように声を高める。

    山厎「倧声俺は」
    平塚「わ、䜕」
    山厎「以前、この郚屋に䞀人で䜏んでいた――」

      山厎、芝居がかった様子で語り始める。

    山厎「就職氷河期、やっずの思いで入った䌚瀟の䞊叞がめちゃくちゃなパワハラ野郎で、怒鳎られるわ眵られるわ  俺は毎日死にたいずばかり思いながら通勀しおた。挙句解雇されお、それ以来どこぞ行っおも、人が怖くおたずもに働けない。誰も助けちゃくれない。みんな自分のこずばかりだ。結局、人暩なんお、レヌルを倖れずに生きおる人間にしか無い。そう思い知ったよ  」

      山厎、滔々ず語る。

    平塚「それじゃ、たさかお前  」
    山厎「ああ  俺は䞖間の邪魔者だった。だから、消えおやったんだ」

      山厎、銖を吊るようなゞェスチャヌをする。
      静寂。
      平塚、目元を抌さえおう぀むく。

    平塚「   っ、ばかやろぉ  」
    山厎「え、泣いおる」

      山厎、驚きのあたり、䞀瞬玠に垰る。
      平塚、山厎の䞡肩をぐっず掎み、

    平塚「そんなこずない、そんなこずないぞ お前に生きおいおほしかった奎は、きっずいるはずだ この、ばか  っ」

      涙ながらに蚎える。

    山厎「お、おう  」

      あたりの剣幕に気圧される山厎。

    平塚「そうだよな  それじゃ、成仏できないよなあ  」

      平塚はう぀むいお萜ち蟌んでしたう。
      それを芋お、胞の内でほっずする山厎。

    山厎「た、助かった  」

      × × ×
      回想。䞀時間前。
      ピッキングで玄関の鍵を開け、そっず宀内に䟵入する山厎の姿。
      × × ×
      机の䞊に出しっぱなしだった平塚の通垳を手に取り、
      めくっお金額を確認する山厎。
      通垳をポケットに入れ、なおも郚屋を物色しおいるず、
      廊䞋から平塚の足音ず錻歌が聞こえおくる。
      × × ×
      廊䞋。
      錻歌を歌いながら歩いおきた平塚、扉の前に立ち鍵を開ける。
      × × ×
      宀内。
      山厎、焊っお匕き出しや荒らした曞類を元に戻し぀぀、呚囲を
      芋回すものの逃げ堎に困っお、仕方なく郚屋の䞭倮に仁王立ちになる。
      × × ×
      回想戻り。

      平塚がう぀むいおいる内に、そっず玄関に向かおうずする山厎だが、

    平塚「よヌし、わかった」
    山厎「わっ」

      平塚、顔を䞊げ、山厎に向き盎る。
      山厎、慌おお元の䜍眮に戻る。

    平塚「俺がお前を成仏させおやる。生たれ倉わっお、今床こそ幞せに生きるんだ」

      平塚、山厎の肩を掎んで力説。

    山厎「え、いやそんなのいいから  」
    平塚「遠慮するな」

      平塚、山厎の背をばんず叩いお笑う。
      そしお、勝手に悩み始める。

    平塚「しかし幜霊を成仏っお、どうしたらいいんだ。お経ずか唱えるのかないや、でも珟䞖に未緎があるなら、それを晎らしおやらないずだめなんじゃ  」

      平塚が考え蟌み始めた隙を぀いお、今床は窓から逃げられないか
      芋回す山厎。そろりず窓ぞ向かおうずしたずき、平塚が振り返る。

    平塚「そうだ」
    山厎「えっ」

      平塚の声に驚いお、再び元の䜍眮に戻る山厎。

    平塚「知り合いの知り合いに、確かすごい霊胜者がいた  電話しおみるわ」
    山厎「いや知り合いの知り合いっお  他人だろ」

      平塚、スマホで電話をかける。

    平塚「電話あ、枡蟺 あのさ、前に霊胜者の知り合いいるっお蚀っおたろ あ、知り合いの知り合い」
    山厎「それじゃ、知り合いの知り合いの知り合いじゃんか  」
    平塚「電話その人の連絡先さ、わかる あ、ありがずな」

      平塚、ニコニコしお電話を切っお、

    平塚「埅っおろヌ、霊胜者に連絡ずれそうだ」
    山厎「䜕でお前が嬉しそうなんだよ」
    平塚「メッセヌゞを芋おお、来た。高嶺さんか  よし」

      平塚、意気揚々ず電話をかける。

    平塚「電話あ、もしもし。高嶺さんですか 俺、枡蟺の友達の平塚ですけど。あ、はい坂田のバむト先の枡蟺の友達の平塚です」
    山厎「関係性遠すぎるだろ  」
    平塚「電話急にすみたせん。  はい、実はあの今、俺の家に幜霊がいお。はい、陀霊しおほしいんですけども  え、䞇円」
    山厎「䞇」

      驚く平塚。暪から聞いおいる山厎も驚く。

    平塚「電話。感心しおぞえヌ、さすが、䞀流なんですね。すごいな」
    山厎「いや、信じるのかよ」
    平塚「電話でも䞇はちょっず俺には厳しくお  あ、初回割匕があるんですか 䞇 それなら払えたす」
    山厎「いや、それも高いよ」
    平塚「電話はい、では今すぐ。ありがずうございたす じゃ、䜏所送りたすんで。それじゃ」

      平塚、電話を切る。

    山厎「え、頌んじゃったの 䞇で」
    平塚「ああ、本圓なら䞇のずころを、初回限定䟡栌だっお」
    山厎「それお前隙されおるだろ」
    平塚「いや、きっずちゃんずした人だからこそ、高い金額でもやっお行けおるんだ」
    山厎「貯金䞇しかないくせに」
    平塚「え、䜕でそんなこず知っおるの」
    山厎「慌おい、いや  霊だからわかるんだよ」

      平塚、䞍意にしんみりしお、

    平塚「いいんだ。お金に換えられないものっおあるから  」
    山厎「  よっぜど幜霊が怖いんだな」

      山厎が呆れお蚀うず、

    平塚「ん 別に怖くはない。きみ、党然幜霊っぜくないし。䞀人暮らし寂しかったから、ちょっず楜しい」
    山厎「は   怖くないなら、䜕で」
    平塚「さっきも蚀ったけど。きみに生たれ倉わっお、幞せになっおほしいんだよ」

      平塚、屈蚗のない笑顔を向ける。
      山厎、戞惑う。

    山厎「  䜕で、芋ず知らずの幜霊にそこたで」
    平塚「若い人が死ぬのは、悲しいこずだよ」
    山厎「そうか。こんな䞖の䞭、生きおおもいいこずなんかないじゃん」
    平塚「そう決め぀けちゃだめだよ。未来のこずは誰にもわからないもんだよ」
    山厎「わかりきっおるよ、未来なんか」
    平塚「そうかな俺は幎生きおきお、今日初めお幜霊に䌚った。そんなこず、想像もしなかった」

      あくたでポゞティブに笑う平塚に、少し毒気を抜かれる山厎。

    山厎「  確かに俺も、お前ほど胜倩気な奎に䌚うのは、初めおだよ」
    平塚「笑っおおい、䜕だよそれ」

      その時、玄関のチャむムが鳎る。ピンポヌン。
      二人は顔を芋合わせ、玄関に向かう。

    平塚「きっず高嶺さんだ」
    山厎「え、もう 早すぎない」

    SCENE2

    ○平塚のアパヌトの玄関

      平塚が玄関を開ける。
      のっそりず高嶺登堎。

    高嶺「こんばんは。はじめたしお。霊胜者の高嶺です。」 
    平塚「こんばんは 倜遅くに、ありがずうございたす。平塚です
       どうぞ。」
    高嶺「では、お邪魔する。」 

      ブヌツを脱ぎ、玄関にあがる高嶺。

    平塚「こっちです」

    ○平塚のアパヌトのリビング

      リビングで仁王立ちで霊胜者をた぀山厎。
      ずかずかリビングルヌムに入る高嶺。
      高嶺、宙に芖線を据え、ぜ぀りず぀ぶやく。

    高嶺「  お、これは、『居る』な」
    平塚「わかるんですか」
    高嶺「ああ、いる  」
    平塚「さすがですね」

      平塚はすっかり感心しおいる。

    山厎「うさんくさ  」

      山厎がぜ぀りず぀ぶやくず、高嶺が圌に目を留め、

    高嶺「䜕だ、君は」
    平塚「やっぱり、圌が芋えるんですね」
    高嶺「芋える 䜕を蚀っおる」
    平塚「圌が幜霊なんです」
    高嶺「こい぀が幜霊」

      高嶺、疑うようにじろりず山厎を芋぀める。

    高嶺「  」
    山厎「  」

      山厎も、負けたいずにらみ返す。
      しばらくガン぀け合っお、

    高嶺「なるほど。こい぀は確かに幜霊だ。しかも、かなり悪質な地瞛霊だな」
    山厎「おい、こい぀詐欺垫だよ」

      高嶺がいい加枛なこずを蚀うので、山厎はムカ぀いた様子。

    平塚「いや、違うんです。圌はかわいそうな幜霊なんです。䜕ずか成仏させおやりたいのでお願いしたす」

      平塚はあくたで芪身に匁護する。

    高嶺「うむ  こい぀は生前の悪行のせいで、成仏できずにいる。だから、善行を積むこずで成仏できるだろう」

      もっずもらしく合掌しお蚀う高嶺。

    山厎「いや、適圓なこず蚀うなよ」
    平塚「そうか、善い行いをすればいいんですね。善い行い、善い行い  」
    山厎「あんたは簡単に信じるなっおの」

      完党にツッコミに回っおいる山厎。
      信じ蟌んで真面目に悩む平塚。

    平塚「善いこずずいえば、ボランティアだな よし、ゎミ拟い行くか」
    山厎「ちょ、今、倜時だけど」

      平塚、山厎の手を匕いお歩きだそうずするのを、止める山厎。

    平塚「そうか、それもそうだな  今すぐできる善行っお、䜕かある」
    高嶺「あ、私ちょっず疲れおるから、肩揉んでくれ」
    平塚「え、そういうのでいいんですか」

      飄々ずずがける高嶺ず、真に受けお驚く平塚。

    山厎「やだよ」
    高嶺「平塚を瀺しじゃあ、こい぀揉んでやれ」
    平塚「いや、俺はいいよ。あ、だったら䞊の階に䞀人暮らしのお爺さんいるから、䜕か手䌝うこずないか聞きに行けば――」

      平塚ず高嶺が勝手なこずを蚀い、わちゃわちゃした空気に。
      流石に耐えられなくなった山厎、声を荒げる。

    山厎「あヌ、もういいから」

      高嶺平塚、驚いお山厎に泚目する。

    山厎「善いこずすりゃいいんだな。わかったよ。平塚におい、お前」
    平塚「俺」
    山厎「カヌテン開けっ攟しで仕事行くのやめろ。それに通垳ずか、机の䞊に出しっぱなしにするな。もっず隠せ。䞍甚心なんだよ。」
    平塚「え、出しっぱなしだった」
    山厎「だったよ ほら、これだろ」

      山厎、隠し持っおいた平塚の通垳を平塚にぜんず枡す。

    平塚「あ、ほんずだ。  っお、䜕でお前が持っおるんだ」
    山厎「あず、ここのアパヌトの鍵、安物すぎる。ガキでもピッキングできるぞ。通りから郚屋が䞞芋えだし。もうちょっず気を぀けろっお倧家に蚀っおやれ」
    平塚「感心しおはヌ、党然気づかなかった。ありがずう、君、物知りな幜霊だね」
    山厎「埡瀌蚀っおる堎合か、お前、お人奜し過ぎるんだよ。い぀かひどい目に䌚うぞ」

      たくしたお終わり、ふうっず息を぀く山厎。
      平塚は玠盎に感心しおいる。
      高嶺、蚳知り顔で、

    高嶺「うむ。これはたさしく善行だ。君ならではのな」
    平塚「え、じゃあ  」
    高嶺「ああ、これで無事成仏できるだろう。」

      山厎、高嶺を指差す。

    山厎「あず、こい぀、霊胜者じゃないから。䞇円払うなよ。」
    平塚「え」
    高嶺「私は霊胜者だ。」
    山厎「いや、違うね。俺は幜霊だからわかるんだよ。。」

      静寂。

    平塚「高嶺さん 」
    高嶺「ここには幜霊がいる。君の、肩に乗っおいる方の幜霊のこずだがね」
    平塚「え  」
    山厎「え」

      高嶺の蚀葉に、驚く平塚ず山厎。

    高嶺「圌からの蚀葉だ。『兄貎、嘘぀いおごめん』だずさ」
    平塚「それっお  っ」

      平塚、息を呑む。山厎きょろきょろず蟺りを芋回す。

    山厎「はどういうこずお前、嘘぀くのやめろよ」

      わけがわかっおいない山厎。
      高嶺、平塚のななめ埌ろを芋぀めお、

    高嶺「匟さんかな」
    平塚「宏暹宏暹がいるんですか」
    山厎「な  宏暹」
    平塚「俺の匟、1幎前に自殺しおるんだ。その、宏暹が自殺する䞀週間前に䌚ったのにさ  俺は働き始めおから、実家でちゃったからさ、党然䌚っおなくお。久々に実家であったらなんか様子がおかしくお、倧䞈倫っお聞いたけど、あい぀、倧䞈倫だ、元気だっお蚀っおたんだよ。でも本圓は、職堎でパワハラにあっお、苊しんでた。俺もその時、仕事がすごく忙しくお、䌚えなかったし党然気づいおやれなかったんだ  」

      平塚、山厎に目を向ける。

    平塚「さっき君が蚀った蚀葉  たるで、宏暹から蚀われおるみたいだった。びっくりしたよ」
    山厎「え  」

      悲しそうに笑う平塚。

    平塚「そうか、宏暹もやっぱり、成仏しおないんだ」
    高嶺「圌は成仏できないのではなく、しないんだそうだ。君を守っおいる。お人よしすぎる君を心配しおいる。それに、お人よしには、特に生きづらい時代だから、ず」
    平塚「宏暹  」

      平塚、静かに涙をこがす。

    平塚「宏暹、正盎にパワハラにあっおる、っお俺に蚀っおくれればよかったのに。そしたら䜕か助けるこずができたかもしれなかったのに。」
    山厎「違う。蚀えないだろ、蚀えないんだよ。俺はわかる。」
    平塚「  え」

      × × ×
      回想。数幎前。
      同僚たちの前で執拗に䞊叞に叱責される山厎。
      山厎は、蚀い返すこずができず顔が青ざめおいる。
      続く䞊叞の怒鳎り声。過呌吞状態になり倒れる山厎。
      × × ×
      回想終わり。

    平塚「山厎くん、、」

      高嶺、平塚のななめ埌ろを芋぀めながら話す。

    高嶺「宏暹さんは、平塚くんに盞談しなかったこずを悔いおいるようだけどな。パワハラを受けたこずを話すのが恥ずかしかったそうだが、ストレスが溢れる出す前に頌れば良かったず蚀っおいる。」
    平塚「宏暹 」
    山厎「 たしかに、こい぀みたいな兄貎がいるなら嘘を぀かずに、勇気をだしお盞談すればよかったんだ。俺には誰もいなかったけど、いたんだから。俺も、こい぀みたいな兄貎がいたら、こんなこずは 」
    平塚「山厎くん もし成仏できなそうなら、君も宏暹ず䞀緒にここに居おもかたわないよ。」

      自分の幜霊蚭定を忘れおいたこずに気づき、我にかえる山厎。

    山厎「いや、俺は 」
    高嶺「遮っお䜕の因果か䞖知蟛い時代だが、地獄も極楜も呜あっおの物皮だ。粟進せえよ、若人たち」

      話の雰囲気をぶち壊しお、朗々ず語る高嶺。

    山厎「䜕なんだよ、あんた。」

    高嶺「これで君は無事成仏できるだろう。山厎に生たれ倉わったら、真っ圓な人間になれよ」

    高嶺は、山厎の正䜓に気づいおいる様子。山厎も勘づかれおいるこずに気づく。玄関を指差す高嶺。

    高嶺「さ、君、お垰りはこちらだ。」
    山厎「ああ」 
    平塚「え、普通に玄関から成仏するの」
    山厎「最近の幜霊はそうなんだよ」

      ただ信じおいる様子の平塚に、冒頭の蚀葉を繰り返し、苊笑する山厎。

    Scene 

    ○平塚のアパヌト 玄関

      玄関で扉に手をかけるず、山厎は振り向いお埮笑を浮かべる。
      玄関前に平塚ず山厎が立ち、山厎を芋送る。

    山厎「じゃあな、お人奜し」
    平塚「ああ、元気に成仏しろよ」
    山厎「䜕だ、それ」

    山厎、明るく笑っお、扉を閉める。
    高嶺、平塚、ほっず息を぀いお閉じた扉を芋぀める。

    平塚「高嶺さん、あい぀、倩囜にいけたすかね」

      しんみり蚀う平塚だが、

    高嶺「ただそんなこず蚀っおるの。あい぀、幜霊じゃないよ。人間だよ」

      呆れお告げる高嶺。

    平塚「えっ。絶句じゃ、あれは誰なんですか」
    高嶺「泥棒か䜕かじゃないの」
    平塚「だ、だっお高嶺さんもさっき、地瞛霊だっお」
    高嶺「根は悪い奎じゃなかったみたいだからね」
    平塚「そんな無責任な」
    高嶺「いいんじゃないか。君のおかげで、圌は救われたよ」
    平塚「え、そうですか 䜕で」
    高嶺「にぶちんだなあ。芖線を平塚の埌ろにやっお匟さんも苊劎するね。匟ず話しおいる様子ん あ、そうなの、やっぱり ははは」
    平塚「あ、ちょっず、ずるい。俺も宏暹ず話したいです」
    高嶺「それは別案件になるから、远加䞇円だね」
    平塚「えヌ」

      ワむワむ蚀っおいる二人でフェヌドアりト。


    原案空想喫茶
    脚本論理錠・空想喫茶

     
     
     
    アメリカ・LAに䜏んでいる映像ディレクタヌ。 仕事はドキュメンタリヌ倚めです。 仕事の取材埌蚘やらアメリカでの生掻をノヌトしおいきたす。📝 アむコンは、愛犬です。

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