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幸せを感じた何気ない瞬間は?

    キューリング恵美子

    「人生と仕事を、心地よく整える。」
    ドイツ流生き方研究家のキューリング恵美子です。
    お読み頂きまして、ありがとうございます。

    幸せを感じた何気ない瞬間は?

    こんな質問をされて、一瞬固まった。
    けれど、少し考えてみると、私は毎日の中で、たくさんの幸せを受け取っていることに気づいた。

    朝目を覚まし、息を思いきり吸えること。水道からはおいしい水が出て、飲めること。
    静かな朝や、月や星が見える夜空。
    日中は、集中して仕事をし、次から次と今日やることをこなしているから、幸せを感じる時間もなく過ぎてしまう。
    でも、外に出かけて、ふと空を見上げたら、虹が現れたり、急に大粒の雨が落ちて、肩に落ちた雨粒を冷たいと感じながら、それがなぜか心地よい。
    そんな一瞬にも、幸せはある。
    そんなことを考えていたら、自分が小さかった頃を思い出した。

    あの頃は、毎日が幸せだった。おばあちゃんが握ってくれた、味噌のおにぎり。
    男の子とカナヘビ(トカゲ)を、小さな箱にウジャウジャするほど入れて、おばあちゃんにもっていったときの、うわーって驚いたおばあちゃんの顔も思い出した。
    真っ赤なエナメルのショルダーバッグをお母さんに上野の松坂屋で買ってもらった時。

    セキセイインコの卵が孵化して、赤ちゃんインコの世話をしていたころ。お父さんに怒られて、犬のサムに悲しくて話しかけた時。

    思い出すと次から次へと。そんな瞬間が頭の中に映像で浮かんでくる。
    悲しいことや苦しいこともあった。それでも私の心の中には、幸せを感じた何気ない瞬間が、宝箱からこぼれ落ちそうなほど詰まっている。

    あー私の人生はなんて幸せなんだろう。

    たとえ、私の生きがいだった母の姿が、今はもう見えなくても。
    私の心の宝箱には、何気ない幸せの瞬間が、あふれ出しそうなほど大切にしまわれている。

    今日も無事に一日を終え、ベッドで休むことができる。そんな毎日が、愛おしい。

    あなたもきっと何気ない幸せの瞬間に出会っているはず。
    例えば、道端に咲く小さな花を見つけたとき。
    太陽に向かって、精いっぱい背伸びをするように咲いている姿を見たとき。
    そんな何気ない一瞬も、振り返れば、人生という宝箱にそっとしまわれる幸せなのかもしれない。

    あなたが最近、幸せを感じた何気ない瞬間は、いつですか。

     
     
     
    ドイツ流生き方の研究家・ドイツ暮らしが教えてくれた生き方を発信。頑張りすぎない働き方と心の余白、日常の気づきを綴ります。読むことで、自分らしい人生の選択が見えてきます。がんサバイバー。著書『ドイツ人はなぜ自己肯定感が高いのか』(小学館新書)。新刊12月刊行予定。

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