耳を澄ませば
耳を澄ませば、何が聞こえるだろう。
なんとなく「ピー」という音が聞こえるような、それとも、ただシーンとしているだけのような。
窓の外に耳を澄ませても、何も聞こえない。
けれど、本当に何もないのだろうか。
風が木の葉を揺らす音。少しずつ冷たくなっていく空気。遠くから聞こえる誰かの足音。
これから、メランコリックな秋、そして空気がキーンと冷える冬へと向かっていく。
寂しいときも、楽しいときも、静けさは変わらずそこにある。以前は何も聞こえないことが寂しかったのに、今は、そんな時間さえも愛おしく思える。
静けさの中で耳を澄ませていると、自分の心の声が少しずつ聞こえてくる。
そして、いつかその向こうから、懐かしい母の優しい声まで聞こえてきたら、嬉しい。
今日は、もうすぐそこまで来ている秋の気配のせいだろうか。
少しだけ立ち止まり、静かな時間に耳を澄ませている。
