
居心地のいい場所
「人生と仕事を、心地よく整える。」をお伝えしています。ドイツ流生き方研究家のキューリング恵美子です。お読み頂きありがとうございます。
ドイツ語に「Gemütlichkeit(ゲミュートリヒカイト)」という言葉がある。居心地がいい、心がほどける、そんなニュアンスを持つ言葉だ。
私にとって一番のGemütlichkeitは、ドイツの自宅、なかでもテラスにある。大きなカウチとテーブルを外に置き、春や夏には朝食をそこでとる。小鳥のさえずりを聞きながら過ごす朝は、何よりのリラックスの時間だ。
秋になると空が少し高くなり、青がより深く澄んだ色に変わる。その空を見上げながら、木々が色づき、葉が落ちていく様子を眺める。そして冬には、さらさらと雪が降り、冷たく白い、銀色の世界がテラスのすぐ向こうに広がる。
そんな四季を肌で感じられるこのテラスこそ、私の心を癒してくれる、Gemütlichkeitな場所だ。
ここに暮らして約30年。ふと、日本とドイツ、どちらが私にとって居心地のいい場所なのだろうと考えることがある。
これまでずっと、実家に母がいた。その実家こそが、私にとって一番の居心地のいい場所だった。
母がいなくなり、実家もなくなった今、あらためてこのテーマと向き合ってみると、気づくことがある。私にとって一番居心地のいい家、いい場所は、今この瞬間、ドイツにある私の家なのかもしれない。
そんなことを思いながら、今日という日を過ごしている。