見出し画像

🎧 深堀ミュージック ほぼDaily|Jodeci - Lately

今日はJodeci。

『Lately』。

Stevie Wonderのカバーです。

私はJodeciがデビューした頃から大好きでした。

アルバムも買った。

その後のK-Ci & JoJoも大好きで、こちらもCDをずっと買っていた。

だから今日は名曲『Lately』のカバーを紹介するというより、

私にとってJodeciの潮目が変わったように感じた一曲

として書いてみたいと思います。


Jodeciが『Forever My Lady』でデビューしたのは1991年。

当時はNew Jack Swing全盛期。

R&Bにヒップホップのビートを持ち込んだあの音は新しかったし、私も大好きでした。

Jodeciもその時代の音の中から登場したグループです。

もちろん、それはそれで格好よかった。

ただ、聴きながらずっと思っていたこともあります。

この人たち、こんなに歌えるのに、これだけじゃもったいなくない?

特にK-CiとJoJo。

兄弟揃って、とにかく歌える。

ゴスペルをルーツに持つ二人だから、声を綺麗に出すというだけではありません。

感情が乗る。

崩せる。

叫べる。

それでも歌として成立する。

流行のビートの中に置いておくだけでは、もったいないくらいのヴォーカリストでした。


そして1993年。

MTV Unpluggedで歌ったのが、

Stevie Wonder『Lately』。

これは怖い選曲です。

なにしろStevie Wonderです。

しかも『Lately』は、メロディそのものが強い。

余計なことをすれば、原曲の良さを壊してしまう。

だったらStevieをそのまま真似すればいいのか。

それではカバーする意味がありません。

Jodeciはどうしたか。

Jodeciとして歌った。

これがいいのよ。


歌詞は、恋人との関係に不安を感じ始めた男の話です。

最近、何かがおかしい。

相手の様子が違う。

自分以外の誰かがいるんじゃないか。

確かな証拠があるわけではない。

でも嫌な予感が消えない。

夢にまで出てくる。

そして、もしかしたら自分が恐れていることが現実になるのではないかと怯えている。

恋愛で一番嫌な時間かもしれません。

知らないなら知らないでいられる。

わかってしまえば、まだ次へ進める。

でも「たぶん何かある」と感じている時間は、どうしようもない。

Stevie Wonderは、その不安を胸の内側へ抱えていくように歌います。

ではJodeciは?

耐えきれません(笑)。

最初は抑えている。

でも曲が進むにつれて感情がどんどん外へ出てくる。

そしてK-Ciの声が上がっていく。

もう「最近ちょっと彼女の様子がおかしくてね」なんて話ではありません。

辛いんだよ!

そこまで全部出してしまう(笑)。

同じ曲なのに、Stevie Wonderとは違う『Lately』になった。

これこそカバーの面白さでしょう。


そして私は、この曲を聴いた頃に改めて思ったのよね。

やっぱりR&Bは、本当に歌える人が時代の真ん中に来る。

R&Bの音は時代によって変わります。

昨日まで新しかった音が、数年後には古くなる。

New Jack Swingだって永遠には続かなかった。

でも、流行の音が変わっても、

声は残る。

本当に歌える人は、別の音になっても歌える。

ビートを変えても歌える。

楽器を減らしても歌える。

そしてUnpluggedにしてしまえば、最後に残るのは歌そのものです。

『Lately』は、それをJodeciが見せつけた曲だったように私は感じています。


もちろん、この一曲をきっかけにJodeciが方向転換した、と言いたいわけではありません。

ただ、デビューから聴いていた私には、

このあたりから潮目が変わった

ように聞こえた。

NJSという時代の音に乗っていたJodeciから、

「俺たちの音はこれだ」

というJodeciへ。

その後の彼らは、自分たち独自の世界をどんどん濃くしていきます。

『Diary of a Mad Band』。

そして『The Show, the After Party, the Hotel』。

後者なんてタイトルからして、一晩の出来事を追いかけるような世界をアルバム全体で作ってしまう。

ゴスペル。

R&B。

ヒップホップ。

官能性。

少し危なっかしい空気。

そして、あのヴォーカル。

Jodeciの音が出来上がっていく。


やがてK-CiとJoJoは二人でも活動するようになります。

もちろん私はそちらも聴きました。

CDも買いました。

結局ずっと好きだったのよ(笑)。

でも考えてみれば、それも当然だったのかもしれません。

私が好きだったのは、その時々の流行だけではなかった。

この人たちの声が好きだった。

だからNJSが終わっても関係なかった。

Jodeciでも聴く。

K-Ci & JoJoになっても聴く。

そして30年以上経った今でも聴く。


『Lately』。

Stevie Wonderが書いた、とても美しい曲です。

でもJodeciは、それを借りて歌っただけでは終わらなかった。

ちゃんとJodeciの曲にして返した。

そして私には、この曲からその後のJodeciが始まったようにも聞こえます。

流行の音は変わる。

時代も変わる。

でもR&Bには、いつの時代にも本当に歌える人が出てくる。

そして結局、そういう人の声を私は追いかけてしまう。

だから今朝も、またこの曲を聴いております。

やっぱりR&Bは、最後は歌なのよ。

🎧 Jodeci - Lately(1993)



今日はこのへんで。
きっとまた明日。🎧

©️深堀ミュージック


いいなと思ったら応援しよう!