
梅雨、帰国。
「ただいま〜」
ツユが日本へ帰ってきました。
「あら?お友達?」
ツユが連れてきたのはナナとハチ。 海で知り合ったと言う。
「いっぺんに二人なんて珍しいわね。」
「案内を頼まれたんだ。」
そう言ったツユの笑顔と
後ろにいるナナとハチの笑顔は
別のものだった。
日本は素晴らしい国。
今回のFIFAワールドカップでも
日本人のマナーが度々取り上げられて
いますよね。
ロッカールームでも、
ピッチへ向かう通路でも、
選手たちは
飲んだペットボトルを床に放り投げたり
ゴミを放置しスタジアムを跡にする事は
しないと。
ネット動画でも日本サポーターたちは
勝った試合の後バカ騒ぎして暴れたり、
スーパーで物を盗んだりしない点が
紹介され、驚かれているそうです。
そんなに凄い事なのか? 当たり前じゃないか。
と、思う日本人の方も多いと思います。
私もそう思います。
そして、誇りに思います。
が、
当然、そんな日本の事を
快く思わない方々もいらっしゃいます。
ナナとハチは知り合い、
というわけでもなくたまたま海上で
出会ったそうです。
ある狙いの為に。
田植えもほぼ終わり、
日本では米作りが本番を迎えます。
梅雨は恵みの雨を降らせ、
稲を育てます。
水は山や田畑を潤し、
来たるべき夏の為に蓄えられます。
とはいえ、
加減されない度を超えた強風や豪雨は
その限りではありません。
そう。
ナナとハチの狙いは
災害によって食糧不足を引き起こす事。
ふたりは「台風」という名の
刺客だったのです。
「そんな…!」
ツユは
真実を知り愕然としました。
組織「ヤミ」。
ある時は政治家を操り、
ある時は災害を誘発し、
ある時は紛争を引き起こし、
ある時は経済を掻き乱す。
八百万の神とその民による強大で
一体的なエネルギーが及ぼす影響が
「世界=自分達の都合のよい世界」
の邪魔になる為、
その「排除」と「妨害」を目論む組織。
「私を…利用したのですね!」
ツユの身体が光り輝き、
形を変えていきます。
ツユはミズノカミのひとり、
ツユノカミ。
「この国を貶めようとする者たちよ、
早々に立ち去りなさい!」
「和術、ツユハライ!」
あらゆる力を受け止め、
そして受け流しながら相手の力を弱め、
国土から一瞬で遠ざける
ツユノカミの必殺技である。
「おのれ、ツユノカミ!」
「だが、これで終わると思うなよ。
我々には次なる刺客が控え…グワアアアアアアァ〜!!」
刺客ナナとハチは彼方へ消えた。
ありがとうツユノカミ。
