
好きなポケモン|文藝大賞2026
数あるnoteの記事の中からご覧下さりありがとうございます!
今日はいつも仲良くしてくれている方々が主催されている文藝対象2026に挑戦してみます。
1000文字以下の読みやすい内容になっていますのでご一読頂けたら嬉しいです。
拝啓、カイリュー様。
あの頃の私にとって、君がいるカントー地方は、何よりも遠くて眩しい異世界でした。
初代『ポケットモンスター 赤・緑』が爆発的な熱狂を生んでいた小学生時代。周りの友達が手のひらの上のゲームボーイに熱中する中、我が家で買ってもらえたのは、据え置きのスーファミにカセットを差し込む「スーパーゲームボーイ」だけでした。
しかも「ゲームは二日に一回、一時間まで」という厳しい家庭内ルール。
テレビの前に座れる限られた時間以外、僕はあの世界に触れていたくて、ボロボロになるまで分厚い公式攻略本を読み耽っていました。ドット絵を指でなぞりながら、まだ見ぬポケモンたちの生態を頭の中で想像し続ける毎日。
初代の「最強」といえば、誰もが知るミュウツーでした。圧倒的なステータスと当時は弱点を突くのが難しかったエスパータイプ。けれど、少年の僕の心を奪って離さなかったのは、間違いなく君でした。
貴重な一時間を削りながら「すごいつりざお」を何度も投げ入れ、ようやく釣り上げた一匹のミニリュウ。
少しでも初期ステータスが高い個体を探し求め、タウリンやインドメタシンを必死に集めては惜しみなく注ぎ込む。
丸っこい身体に似合わぬ攻撃力と、優しげな瞳のギャップに、僕はすっかり夢中になっていました。
「いつか本当に、ポケモンと一緒に旅できたらいいのに」
テレビの前でコントローラーを握りしめながら抱いた途方もない妄想。
………
あれから三十年の月日が流れました。 当時の少年はアラフォーの父親になり、二人の娘の手を引いて歩いています。
そして今、私のスマホには『Pokémon GO』の画面が光っています。画面の向こうには、現実の景色を背景に誇らしげに羽ばたく、自慢のカイリューの姿。

二日に一時間しか会えなかった憧れの相棒は、いまや毎日の通勤路でも、休日の家族旅行でも、いつも私の隣を一歩一歩一緒に歩いてくれています。
あの日の少年の夢は、三十年後の日常の中で、ちゃんと叶っているよ。 ずっと側にいてくれて、ありがとう。
敬具
(852文字)
須川さん、まきさん、企画ありがとうございます!
りっちゃんさんも協賛ありがとうございました!
エッセイ部門へのエントリーですがちゃんとエッセイになってますかね??
ちなみにカイリューは600族!
(HPや素早さなどのパラメータのトータルが600の強いポケモン群の総称。ポケモンGOは別です)
ということでたかっちPさんの #600note祭り にもこの作品でエントリーします!
はしゃもさんの「推し庭」はじめました。
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