相続した実家、査定額が高い会社を選べばいいわけではありません【第77回】
不動産を売ろうと思って、何社かに査定をお願いする。
すると、
A社は1,500万円。
B社は1,700万円。
C社は2,000万円。
こんなふうに、査定額が大きく違うことがあります。
そうなると、
「一番高い金額を出してくれた会社にお願いした方が得なのでは?」
と思うのも自然です。
ただ、不動産の査定では、
高い査定額=その金額で売れる
とは限りません。
実際には、媒介契約を取るために高めの査定額を提示する、いわゆる「高値預かり」のようなケースもあります。
高く預かったあと、どうなるのか
高い査定額で売り出したからといって、買主がその価格で現れるとは限りません。
市場とかけ離れた価格で売り出すと、
なかなか問い合わせが入らない。
内覧が入らない。
売れない期間だけが長くなる。
そして最終的には、
「少し価格を下げましょう」
「もう少し下げましょう」
と、段階的に値下げしていく。
結果として、最初から現実的な価格で売り出すよりも、時間がかかってしまうことがあります。
売主さんからすると、
「最初は2,000万円で売れると言われたのに」
という気持ちになります。
でも実際には、その2,000万円は“売れる金額”ではなく、“査定として提示された金額”だったということです。
査定額より「誰が買うのか」を考える
私は査定をするとき、
その不動産を、
どんな人が買うのか
を考えます。
例えば、
一般の住宅購入者なのか。
建物を再生して使いたい人なのか。
投資家なのか。
事業者なのか。
隣地の所有者なのか。
買う人が変われば、その不動産に感じる価値も変わります。
普通の住宅としては評価されにくくても、
事業用として価値がある物件もあります。
逆に、売主さんにとって思い入れのある家でも、買主側から見れば建物価値をほとんど評価しないこともあります。
だからこそ、
「いくらで売れますか?」
だけではなく、
「誰に売るのですか?」
という視点が大切です。
売主さんの希望も販売戦略の一部です
不動産売却では、金額だけを決めればいいわけではありません。
売主さんが、
できるだけ早く売りたいのか。
半年くらいなら待てるのか。
時間がかかっても高く売りたいのか。
売却期限が決まっているのか。
こうした条件によって、販売方法は変わります。
例えば、
多少価格を抑えてでも短期間で売りたい方と、
一年かかってもいいから高値を狙いたい方では、
同じ物件でも売り出し価格は変わってきます。
大切なのは、
売主さんの希望する期間と価格に合わせて、現実的な販売戦略を作ること
です。
高い査定額より確認してほしいこと
不動産会社を選ぶときは、
査定額の数字だけを見るのではなく、
その数字の根拠を聞いてみてください。
例えば、
「なぜこの価格なのですか?」
「どんな人を買主として想定していますか?」
「どのくらいの期間で売れると考えていますか?」
「どんな方法で販売しますか?」
「売れなかった場合はどうしますか?」
ここまで説明してくれる会社であれば、販売後のイメージも持ちやすくなります。
反対に、
「この価格でいけます」
「うちなら高く売れます」
だけで終わってしまうのであれば、一度立ち止まって考えてもいいと思います。
査定額はスタート地点です
不動産の査定額は、
売却のゴールではありません。
あくまで、
「この条件なら、このくらいの価格が考えられます」
というスタート地点です。
その後に、
ターゲットを決める。
売主さんの希望期間を確認する。
販売方法を決める。
市場の反応を見る。
必要なら価格を調整する。
こうした流れがあります。
📚不動産売却で損をしたくない方へ
不動産売却では、査定額の高さだけでなく、売り方や価格設定も重要です。
今回のテーマに関連して、
『【完全版】損せず売れる! 不動産売却パーフェクトガイド』
も参考になる一冊です。
売却前に、基本的な流れや考え方を整理したい方におすすめです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます
複数の不動産会社から査定を取ると、
どうしても一番高い数字に目が行きます。
でも、
査定額が高い会社=一番高く売ってくれる会社
とは限りません。
大切なのは、
その価格に根拠があるのか。
誰に売るのか。
どのくらいの期間で売るのか。
どんな方法で販売するのか。
そこまで考えられているかどうかです。
もし、
「査定額が会社によって大きく違って迷っている」
「高い査定を出されたけれど、本当にその金額で売れるのか不安」
「売却期間も含めて相談したい」
そんな場合は、noteのメッセージからお気軽にご相談ください。
金額だけではなく、誰に・どのように・どのくらいの期間で売るのかまで、一緒に整理させていただきます。
