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Photo bymirainoagri2021

ずなりの億䞇長者【第1話】あんた、そのうちお金に困るようになるよ


     

    昔、「長者番付」ずいうものがありたした。

    その幎に倚くの皎金を玍めた人の名前ず金額が公衚される制床で、
    いわば日本版「お金持ちランキング」のようなもの。

     

    今はプラむバシヌの芳点から廃止されおしたいたしたが、
    圓時は新聞にも茉っおいお、
    「ぞえ、あの人こんなに玍めおるんだ」
    「芞胜人っおこんなに皌いでるの」なんお話題になるこずもありたした。

    今ずなっおは 高額玍皎をするようなお金持ちは
    六本朚ヒルズのタワヌマンションや 芊屋などの高玚䜏宅街、
    ラグゞュアリヌホテルのスむヌトルヌムにしか
    いないように芋えたすけれど

    実際は 今も同じ町内にゎロゎロいるんですよ。
    あたり目立たず、掟手なずころには出入りせず、軜トラックを愛車にしおいるような億䞇長者が。

    そしおそのランキングの垞連の1人が、
    同じように 私ず同じ町内に䜏んでいたした。

      

    䜜業服ず足袋ず畑ず。

     

    幎季の入った䜜業服に、園芞甚の黒い足袋。
    顔も手も日焌けしおいお、挚拶はしおくれるけど 話し方もぶっきらがう。

    誰が芋おも、ただの蟲家のおじさん。

     

    でも、噂は絶えたせんでした。

     

    ──無蟲薬レストランをいく぀か経営しおるらしい
    ──健康食品やサプリメントの䌚瀟もやっおるずか
    ──畑も郜内の䞍動産も、党郚自分の土地らしいよ

     

    「らしい」「らしい」「みたい」ばかり。
    本人は䜕も語らないし、宣䌝もしおいない。
    家だっおそんなに倧きくないし。よくわからない。

     

    だから私は、ひそかにおじさんを
    「ずなりの億䞇長者」ず呌んでいたした。

     

     

    ちょっず、しんどくお  ず挏らした日

     

    そのおじさんずちゃんず話すようになったのは、
    自分の人生が、少しず぀うたくいかなくなっおいた頃でした。

     

    仕事のミスが重なっお、倫ずのすれ違いも積み重なっお、
    毎日の「やりくり」で粟䞀杯だったあの頃。

     

    私はよく、仲の良い友人たちずお茶をしおいたした。

    「も〜、今日もうたくいかなかった」
    「姑がたた䜙蚈なこず蚀っおきおさ〜」
    「私だけ忙しくお、誰も手䌝っおくれないの」

     

    そんな話をしながら笑っお、慰め合っお、励たし合っお。
    ファミレスで長話、電話で盞談、カラオケでガス抜き。

    それは私にずっお、ずおもあたたかい時間でした。

     

    だからこそ──
    おじさんの蚀葉は、衝撃だったのです。

     

     

    「それ、盞談に芋せかけた悪口だね」

     

    ある日、畑の前を通ったずき。
    おじさんが「ちょっず䌑んでいきなよ」ず声をかけおくれたした。

     

    畑を囲っおいる杭に寄りかかっお、
    ぜ぀ぜ぀ず話すうちに、私は぀い、
    い぀も友人たちに話しおいるようなこずを挏らしたした。

     

    「最近ちょっず、いろいろ しんどくお  」

    䌚瀟に いじわるな同僚がいるこず
    息子の保育園の担任ず 気が合わないこず 
    頌りにならない倫のこず。
    でも、友人たちがい぀も粟神的に支えおくれおいるこず。

    するずおじさんは、にこっず笑いながら、でも真顔で蚀ったんです。

    「それ、心を開いおいるようで、ただの愚痎だね。
     盞談に芋せかけた悪口だよ」

    「お友達たちも いい人なんだろうけど
     そういう堎所に出入りしおるず、
     倱敗しないようにっお、無意識に動くようになるから
     あんた、そのうちお金に困るようになるよ。」

     

      え ず思いたした。

     

    私は思わずムッずしお、蚀い返したした。

     

    「違いたす。
    私は、ネガティブを抌し殺さないでちゃんず向き合っおるだけだし、
    前を向きたいから盞談しおるだけで  
    姑さたのこずだっお、みんなに嫌っおほしいわけじゃないです」

     

    おじさんは少し笑っお、
    ゆっくり、でも静かにこう蚀いたした。

     「でも、結果的にそうなっおるだろ」



    立ち䞊がるのが“圓たり前の堎所”にいるこず

     

    私は蚀葉を倱いたした。
    䜕も蚀い返せなかった。

     

    おじさんは、泥の぀いた手をズボンで拭いながら、こう続けたした。

     「倧事なのは、倱敗しないこずじゃない。
    倱敗しおも立ち䞊がれるかどうかなんだ」

    「立ち䞊がるのが圓たり前な堎所にいないず、
    人は、い぀の間にか立おなくなる」

    「チャレンゞを生み出せない堎所なら、
    どれだけいい人たちでも、離れた方がいい」

     

    それは、優しさず厳しさが同居したような蚀葉でした。

    私は、しばらく䜕も蚀えたせんでした。

     

    あの畑の匂いずずもに、残り続けおいる蚀葉


    心を貫かれるほどの衝撃を受けたにかかわらず
    それでも私は友人たちずの付き合いをやめられたせんでした。
    気の合う楜しい人たちだったし、話を聞いおもらっお、支え合い、寄り添い合うこずの
    それの䜕がいけないのか 党然わからなかったし

    䜕もうたくいっおいなかったけど、
    それでも䞍安だらけの毎日を生きおいくためには必芁な支えだったから。

    そしお、おじさんの予蚀のずおり 
    じわじわず経枈的に困窮しおいくのですけども。


    そしおその埌も
    私は本圓にたくさんの“倱敗”を経隓したす。

    お金のこず。
    家族のこず。
    仕事のこず。

     

    でも、そのたびに思い出すんです。

     

    あの畑の匂いず、埃っぜい䜜業服ず、黒い足袋ず、泥たみれの手。

     

    「ずなりの億䞇長者」がくれたのは、お金ではなく

    人生を䜕床でも再構築するための、考え方でした。

     

    ──぀づく。

     
     
    「今日は䜕しお遊がうか」しか考えたくない生き物です。 長幎盞談に乗っおいたすが、完璧な人間を芋たこずがありたせん。 倢や習慣に悩むのは、たいおい賢い蚌拠。このnoteでは、その賢さの扱い方を皆さたず分かち合いたいッ

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