
マイナースポーツの日本代表の報酬は、名誉だけだった。
「日本代表」と聞くと、どんなイメージを持つだろうか。
華やかな舞台。
スポンサー契約。
遠征サポート。
報酬。
少なくとも僕は子どもの頃、そんな世界を想像していた。
でも実際にその立場になって知った現実は、少し違った。
マイナースポーツの日本代表には、基本的に大きな報酬はない。
あるのは名誉と経験。
それが現実だった。
もちろん、日本代表に選ばれた瞬間は嬉しかった。
これまで積み重ねてきた努力が認められた気がしたし、日本を背負って戦えることは純粋に誇らしかった。
ただ、その誇らしさとは別に現実もある。
遠征費。
宿泊費。
食費。
用具代。
競技によって事情は異なるが、僕の場合は日本代表としての海外遠征費を連盟に負担していただいていた。
本当にありがたい環境だったと思う。
そのおかげで、日本では経験できない景色を見て、多くの国の選手と戦う機会をいただいた。
金銭的な報酬はなくても、競技者として成長できる経験は間違いなく得られた。
ただ、それでも「日本代表」と「生活」が結びつかない世界が確かに存在している。
正直な話をすると、日本代表として活動していて一番嬉しかった“報酬”は、航空マイルだった。
日本とヨーロッパを何度も往復する中で、少しずつ貯まっていくマイル。
今振り返ると少し笑える話かもしれない。
でも当時は本気だった。
「このマイルで家族旅行に行けるかな」
息子が生まれてからは、そんなことを考えるようになった。
そして今は、少し違う見方もしている。
貯まったマイルは、ただのポイントではない。
日本代表として世界を飛び回り、
挑戦し、
失敗し、
学び続けた時間の積み重ねだ。
僕にとってそのマイルは、
世界で戦ってきた証であり、
競技人生のマイルストーンでもある。
金銭的な報酬はなかった。
でも、その代わりに世界で戦う経験をいただいた。
今振り返れば、それはお金では買えない価値だったと思う。
それでも競技を続けてきた。
なぜか。
競技が好きだから。
仲間がいるから。
応援してくれる人がいるから。
そして、競技を通じてしか見られない景色があるから。
だから僕は今、競技だけに依存しない未来も準備している。
SNS。
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競技人生は永遠ではない。
現役でいられる時間には限りがある。
だからこそ、競技で得た経験を競技の外でも活かせるようにしたいと思っている。
マイナースポーツの日本代表の報酬は、名誉だけだった。
でも、その経験まで無価値だったとは思わない。
むしろ今の自分を作ってくれた、かけがえのない財産だと思っている。