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空から萜ちおきた少女が俺に䞖界の敵ず蚀った 最終話「ただいた」

    最終話

    䞖界が揺れおいた。

    火星の空ず、地球の空が重なっおいる。

    それを芋ながら、カむは思った。

    ――未来の俺は、䜕を守ろうずしたんだ。

    ペンダントの光が脈打぀。

    たるで答えを埅぀みたいに。

    カむは静かに目を閉じた。

    カむは、火星を守ろうずした。

    それだけは、もう分かっおいた。

    それが、自分の䞖界だったからだ。

    だが。

    胞の奥には、それだけでは説明できない䜕かが残っおいた。

    違う。

    ずっず消えなかったものがある。

    思い出せそうで、思い出せない誰かの笑顔。

    カむはゆっくり目を開く。

    その瞬間。

    ペンダントが眩く茝いた。

    䞖界が厩れる。

    光が溢れる。

    そしお。

    たるでその瞬間を埅っおいたかのように。

    そこには、玗那がいた。

    カむは息を呑む。

    玗那もたた蚀葉を倱っおいた。

    䜕幎も探し続けたものを芋぀けたように、ただ芋぀めおいる。

    やがお。

    震える声が挏れた。

    「  カむ」

    その声だけで十分だった。

    忘れおいた時間が、倱われた蚘憶が、䞀気に繋がる。

    赀い倧地。

    研究斜蚭。

    点怜䜜業。

    厩れる床。

    萜䞋。

    激しい衝撃。

    途切れる意識。

    そしお。

    泣きながら装眮を起動する玗那。

    党おを思い出した。

    カむは死んだ。

    あの日。

    確かに死んだ。

    玗那が静かに蚀う。

    「そのペンダントは鍵だった」

    「あなたを蘇らせた装眮を起動するための」

    胞元のペンダントが光る。

    ルナが黙っお芋぀めおいる。

    玗那は続けた。

    「私が火星の研究チヌムにいたこず  思い出した」

    少しだけ間を眮く。

    「だから私は、装眮のこずも知っおいた」

    芖線が揺れる。

    「でもね」

    「起動できる保蚌なんお、どこにもなかった」

    蚀葉が途切れる。

    「それでも  やるしかなかったの」

    声が震える。

    「あなたを倱いたくなかった」

    涙が零れる。

    「だから䜿ったの」

    カむは䜕も蚀えない。

    ただ胞が苊しい。

    火星を守ろうずしおいた。

    それが、自分の信じた答えだった。

    だが。

    玗那もたた、俺を守るために諊めなかった。

    ルナが䞀歩前ぞ出る。

    「お母さんは」

    「䜕床も自分で倉えようずしたの」

    玗那は目を䌏せる。

    ルナは続けた。

    「でも倉えられなかった」

    「未来を知りすぎおいたから」

    「お母さんじゃ、未来を倉えるこずはできなかった」

    カむは顔を䞊げる。

    ルナを芋る。

    「だから私が来た」

    静かな声だった。

    「未来のお父さんは、火星を守るこずが私たちを守るこずだず信じおた」

    カむは息を呑む。

    ルナは小さく笑う。

    泣きながら。

    「だから、私は信じた」

    「お母さんが繰り返し芋おいた未来も」

    「私はただ倉えられるず思っおた」

    あの日。

    空から萜ちおきた少女。

    䞖界の敵ず蚀った少女。

    その党おが繋がる。

    だがルナは最初から。

    父芪を救うために来おいた。

    カむの喉が震える。

    「  ルナ」

    ルナは泣きながら笑う。

    「うん」

    「お父さんの嚘だよ」

    その蚀葉が胞の奥ぞ静かに萜ちおいく。

    カむは笑った。

    涙が零れた。

    「  そうか」

    「ルナ  本圓に、俺の嚘なんだな」

    ルナは䜕床も頷いた。

    泣きながら、笑いながら。

    カむは二人を芋る。

    玗那。

    ルナ。

    守りたかったもの。

    倱いたくなかったもの。

    そしお。

    気づく。

    火星でもない。

    地球でもない。

    守りたかったものは、最初からひず぀だけだった。

    「家族」だった。

    カむは静かに息を吐く。

    守るずは、䜕かを切り捚おるこずだず思っおいた。

    だが違った。

    切り捚おおいたのは、本圓に守りたかったものだった。

    垰る堎所も。

    守りたかった理由も。

    党郚。

    カむは静かに笑う。

    もう、迷わなかった。

    その瞬間。

    ペンダントの光がさらに匷く脈打぀。

    火星の空が揺れる。

    地球の光が揺れる。

    二぀の未来が重なり合う。

    そしお──

    空間そのものが応えるように揺れた。

    ルナが目を芋開く。

    「未来が  」

    カむは静かに気づく。

    未来を揺らしおいたのは、

    装眮そのものではなかった。

    䞖界はずっず――

    カむが“誰を守ろうずしおいたのか”を芋おいた。

    その遞択ひず぀で、未来は揺れ、圢を倉えおいた。

    あの日。

    玗那が必死に繋ぎ止めた呜が、

    そのたた䞖界の“焊点”になっおしたっただけだった。

    火星文明の蘇生装眮は、

    芳枬システムず連動しお生呜を再構築する仕組みだった。

    未来を芳枬しながら、

    もっずも生存可胜な結果ぞ収束させるための装眮。

    だから――

    玗那がカむを手攟さなかったその瞬間、

    䞖界はカむを䞭心に未来を圢づくるようになっおしたった。

    それは偶然ではなく、

    玗那が諊めなかった結果だった。

    だが同時に、

    ひず぀の遞択が無数の未来ぞ圱響を䞎える始たりでもあった。

    火星を遞ぶ未来。

    地球を遞ぶ未来。

    その党おが、

    カむずいう存圚を䞭心に枝分かれしおいった。

    䞖界が曞き換わっおいく。

    ルナは涙を流した。

    玗那も泣いおいた。

    カむは二人の元ぞ歩く。

    倱われおいた時間の先に、ようやく蟿り着いた堎所。

    そしお。

    立ち止たる。

    蚀葉を探す。

    垰れなかった玄束の続き。

    ずっず蚀えなかった蚀葉。

    カむは笑った。

    涙が零れた。

    「ここが、俺の垰る堎所だったんだな」

    「ただいた」

    玗那は泣きながら笑った。

    ルナも泣きながら笑った。

    そしお二人は同時に蚀った。

    「おかえり」

    玗那が䞀歩螏み出す。

    カむも静かに歩み寄る。

    その間ぞ飛び蟌むように、ルナが二人に抱き぀く。

    䞉人は自然ず抱きしめ合っおいた。

    もう、それだけで十分だった。

    火星の空の向こうに、青い地球が芋えた気がした。

    どちらも消えおいない。

    どちらも倱われおいない。

    守りたかったものは、最初からここにあった。

    だから䞖界は、もう二぀に分かれるこずはなかった。

    完


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    「おかえり」


     
     

    sata

     
     
    離れお暮らす母ずの日々を綎る「小さな蚪問日蚘」。 Romiや芋守り、暮らしが少し楜になる工倫など、実䜓隓を発信しおいたす。 小さな喜びや気づきが、誰かの安心に぀ながれば嬉しいです。

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