何も手に入っていなくても。
幸せは、未来にあると思っていた。
第1章 完璧主義の限界
6年間の結婚生活に、ピリオドを打った。
養育費はゼロ。
それでも、不思議と
お金や将来への不安はなかった。
むしろ、自由になれた喜びで
胸がいっぱいだった。
4歳の娘との、ふたり暮らし。
離婚をしたことへの罪悪感もあって、
「ちゃんとしなきゃ。」
その思いだけで、毎日を走り続けていた。
フルタイム勤務。
残業。
ワンオペ育児。
家事。
休むことなんて考えもしなかった。
もともと完璧主義だった私は、
「頑張る」ことしか知らなかったから。
そして、ある日の夕方。
いつものように夕飯を作ろうとした、
その瞬間。
私はリビングに崩れ落ちた。
立ち上がることができなかった。
「もう、この働き方は続けられない。」
その日初めて、
自力だけで頑張り続ける人生には
限界があることを認めた。
第2章 動けない焦り
会社を辞めることに、迷いはなかった。
私は、自分ビジネスの道を選んだ。
屋号もすんなり決まり、
初月からお客様にも恵まれた。
「これなら、きっと大丈夫。」
そう思っていた。
だけど現実は、生活費には届かなかった。
それでも私は走り続けて、起業2年目。
私は突然、動けなくなった。
発信ができない。
やる気も出ない。
パソコンを開くことすら苦しかった。
もともと「思い立ったらすぐ行動」が
取り柄だった私が、ただ横になり、
YouTubeで引き寄せの動画を見続ける毎日。
「なんで動けないの?」
焦れば焦るほど、体は動かなかった。
頑張りたいのに、頑張れない。
あの頃の私には、それが何より苦しかった。
第3章 残金ゼロの恐怖
「貯金が100万円を切ったら、
自分ビジネスはやめる。」
そう決めていた。
もともと私は、
堅実でマジメな性格。
貯金は、安心そのものだった。
だけど現実は、
その100万円を切り、50万円を切り……
ついに、クレジットカード
未払いのお知らせが届いた。
人生で初めて見る景色だった。
プライドだけは誰よりも高かった私が、
初めて友人に泣きながら電話をして、
お金を借りた。
スマホを持つ手が震えた。
ただただ怖かった。
人に迷惑をかけて、情けなかった。
こんな経験は、生まれて初めてだった。
それでも——。
なぜか私は、自分ビジネスを
やめられなかった。
「やめた方がいいのかも。」
頭ではそう思うのに、
心がどうしても「違う」と言う。
あのときの私は、その感覚を、
まだ言葉にすることができなかった。
第4章 どうしても叶わない願い
私は、これまでたくさんの引き寄せを
体験してきた。
水没したスマホが元通りになったこと。
「紅茶が飲みたいな」と思ったら、
プレゼントされたこと。
理想の美容室との出会い。
確定申告を安心して任せられる人とのご縁。
理想の人リストを書いたら、
想像以上の彼と出会えたこともあった。
だから私は、宇宙の法則を信じていた。
予祝も。
アファメーションも。
イメージングも。
「これがいい」と言われることは、
全部やった。
それなのに──。
十分なお金だけは、手に入らない。
心から望むパートナーにも、出会えない。
どうして、この二つだけは叶わないのだろう。
「私の何がいけないんだろう。」
努力が足りない?
信じる力が足りない?
それとも、私はこの二つの願いを
叶えちゃいけないの?
答えの見えない毎日に、
私は少しずつ自分を責めるようになっていた。
第5章 ホロスコープとの出会い
ホロスコープとの出会いは、
私の人生を大きく変えた。
そこで初めて知った。
私は、努力が足りなかったわけじゃない。
間違った人生を歩んでいたわけでもない。
人生には、
それぞれのバイオリズムがあること。
そして、自分ではどうにもできない
「宇宙の完璧なタイミング」があること。
動けなかったことにも。
願いが叶わなかったことにも。
ちゃんと意味があった。
その瞬間、肩の力がふっと抜けた。
「もう、自分の力だけで人生を
コントロールするのはやめよう。」
そう決めて、
私は人生を宇宙に委ねることにした。
不思議なことに、
それから少しずつ景色が変わり始めた。
やる気が出ない日は、罪悪感なく眠る。
心が動いた日は、その流れに素直に乗る。
そんな生き方を、自分に許せるようになった。
私はようやく、「頑張ること」ではなく、
「人生を信頼すること」を学び始めた。
第6章 魂からのメッセージ
あるとき、こんな言葉に出会った。
「やりたい」「欲しい」と心が動くのは、
未来の自分がそれを手にしているから。
だから今、その未来へ向かうために
「願わされている」のだと。
その言葉を聞いたとき、胸が熱くなった。
「だったら、焦らなくていい。」
そう思えた。
未来は、ちゃんと用意されている。
私がすることは、
無理にコントロールすることではなく、
その流れを信頼することだった。
それから私は、
一枚ずつ鎧を脱いでいった。
「貯金がないと安心できない。」
「安定こそ正解。」
「頑張らなければ幸せになれない。」
長年信じてきた思い込みを、
少しずつ手放していった。
そして、ようやく気づいた。
私が血眼になって探していたのは、
お金でも、
理想のパートナーでもなかった。
本当に欲しかったのは、
自分と人生を、
心から信頼できる安心感。
それこそが、私がずっと探し続けていた
「本当の幸せ」だった。
終章 風が気持ちいい、ただそれだけで。
あの日、血眼になって追いかけていた
幸せは、未来にあると思っていた。
理想のパートナーができたら。
もっとお金を稼げるようになったら。
やっと安心できる。
やっと幸せになれる。
ずっと、そう信じていた。
だけど今の私は違う。
朝、窓を開けたときに感じる風が気持ちいい。
淹れたてのコーヒーが美味しい。
空がきれい。
娘と他愛もないことで笑い合える。
そんな何気ない一日が、
愛おしくてたまらない。
理想のパートナーは、まだいない。
思い描いていたほどのお金も、まだない。
それでも私は、
今が、人生で一番幸せです。
きっと私は、「願いが叶ったから幸せ」に
なったのではない。
自分を信じ、
人生を信じられるようになったから、
幸せは、いつもここにあったことに
気づけたのだ。
だから今は、
不安よりも楽しみの方がずっと大きい。
これから人生がどんな景色を
見せてくれるのか。
その続きを、心から楽しみにしている。
おわりに
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました。
この物語を通して私が伝えたかったのは、
「幸せは、何かを手に入れた先に
あるものではない」ということです。
思い通りに進まない日も、立ち止まる日も、起こる出来事にはすべてちゃんと意味があり、
あなたが感じることが正しいです。
この物語が、
自分自身や人生を信頼するきっかけに
なれたなら、とても嬉しく思います。
心からの感謝を込めて。
NAMI
