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Photo byshl0

若者が地元に戻らない理由、それは“クルマ代36%”だった

    地方には仕事がない。

    そう言われることが多いが、実際は少し違う。
    工場もあるし、中小企業も人手不足だ。

    それでも若者は戻らない。

    なぜか。


    地方で働くということは「クルマを持つこと」

    地方で働くということは、
    クルマを持つことが前提になる。

    これは選択ではない。
    ほぼ義務だ。

    通勤、買い物、病院、役所。
    すべてクルマが前提で設計されている。


    給料の36%がクルマに消える現実

    例えば、地方の若手の給与水準で考える。

    初任給:約18万円

    ここにかかるクルマの費用は以下の通りだ。

    ・車両費
    ・保険
    ・税金、車検、消耗品
    ・ガソリン代

    これらを合計すると、
    給料の約36%がクルマに消える


    クルマのために働くという逆転

    本来、クルマは生活を豊かにするための手段のはずだ。

    しかし地方では違う。

    「クルマを維持するために働く」

    という逆転が起きている。


    都会との決定的な違い

    都会ではどうか。

    ・電車で移動できる
    ・クルマは必須ではない
    ・移動コストは低い

    一方、地方では

    ・クルマがないと生活できない
    ・維持費が固定費として重い

    つまり、

    地方は“移動コストが高すぎる社会”になっている。


    若者は合理的に判断している

    若者はこの構造をちゃんと理解している。

    ・給料は低い
    ・クルマは必須
    ・自由に使えるお金が少ない

    だから都会に出る。

    これは甘えではない。
    合理的な判断だ。


    地方企業の誤解

    地方企業はよくこう言う。

    「最近の若者は根性がない」
    「地元に戻ってこない」

    しかし実態は違う。

    問題は根性ではない。
    構造だ。


    もし“移動コスト”がなくなったら?

    ここで少し視点を変えてみる。

    もし、

    ・クルマを持たなくてもよい
    ・通勤の移動が保証されている
    ・移動コストが企業側で吸収されている

    そんな環境があればどうなるか。

    ・実質的な手取りが増える
    ・生活の不安が減る
    ・地元で働く選択肢が生まれる

    それだけで、
    地方は大きく変わる可能性がある。


    この問題はエネルギーともつながっている

    さらに重要なのは、
    この問題はエネルギーとも密接につながっていることだ。

    ・ガソリン代は地域外へ流出する
    ・電気は地域で循環させることができる

    つまり、

    移動の仕組みを変えることは、
    地域経済そのものを変えることになる。


    本当に必要なのは「仕事」ではない

    地方に必要なのは、
    仕事を増やすことではない。

    働く構造そのものを変えることだ。

    移動のあり方を変えること。
    生活コストの構造を変えること。

    それができて初めて、
    若者は地元に戻る理由を持つ。


    おわりに

    若者が地元に戻らない理由。

    それは給料ではない。
    根性でもない。

    クルマ代36%という現実だ。


    技能実習生には「クルマが支給される」という現実

    ここで少しだけ、現場の話をする。

    地方の工場や事業所では、
    技能実習生や外国人労働者に対して、
    クルマを会社が用意するケースが多い。

    ・社用車として貸与
    ・通勤や生活に使用
    ・費用は会社負担

    つまり、

    移動コストは企業側が持っている。


    なぜそれが成立するのか

    理由はシンプルだ。

    それがないと働けないから。

    ・公共交通がない
    ・徒歩圏に生活インフラがない
    ・通勤できない

    だから企業は、
    「クルマを用意する」という前提で採用設計をしている。


    そしてそれは“経費”になる

    さらに重要なのはここだ。

    このクルマの費用は、
    会社にとっては経費として処理できる。

    つまり、

    ・採用のための必要コスト
    ・税務上も処理可能

    という扱いになっている。


    日本人の若者にはなぜ適用されないのか

    ここで違和感が出てくる。

    同じように地方で働く日本人の若者には、

    ・クルマは自己負担
    ・維持費も自己負担

    つまり、

    同じ「働くために必要な移動」なのに、
    負担構造がまったく違う。


    これは制度の問題であって、個人の問題ではない

    この差は、能力の問題ではない。
    努力の問題でもない。

    単純に、

    制度と設計の問題だ。

    企業は「必要ならクルマを出す」ことができる。
    実際にそうしている。

    しかしそれは、
    外国人労働者には適用され、
    日本人には適用されていない。


    見えていないだけで、答えはもう出ている

    ここが重要なポイントだ。

    本当はもう答えは出ている。

    地方で働くためには、
    移動コストは個人負担では成立しない。

    だから企業が持っている。

    それだけの話だ。


    ではなぜ、日本人向けには設計されないのか

    これは文化の問題でもある。

    ・クルマは自己責任
    ・通勤は個人の問題
    ・会社は給料だけ払う

    こういう前提がある。

    しかし、

    その前提が崩れているから、
    若者は地元に戻らない。


    ここに本質がある

    地方創生の議論は多い。

    補助金
    移住支援
    テレワーク

    しかし本質はもっとシンプルだ。

    働くために必要なコストを、誰が持つのか。

    それだけだ。

     
     
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