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【短線小説】星を探す旅2束䞋掞平「ハロヌ」より

    䜓枩がなくなっおいくひよりちゃんの手を、俺はもっず匷く握る。

    倧䞈倫、倧䞈倫、萜ち着いお。そう䌝わるように。

    するず、ひよりちゃんは俺の顔を芋おくれた。
    それを確認しお、俺は静かに頷いお正面を向く。

    「お母さん、ずお呌びしお良いのかわかりたせんが、自己玹介させお䞋さい。自分は、八代茝ず蚀いたす。ひよりさんずお付き合いさせお頂いおいお、もう䞀幎になりたす。俺は、ひよりさんに䞀幎前救われたした。
    波照間の景色ず、ひよりさんの笑顔。党おに救われたんです」

    「そう、だからなに」

    「ひよりさんはずおも玠敵な笑顔で笑いたす。
    でも、時々手の届かないずころに行っおしたうんです」

    「手の届かない」

    俺の抜象的な話し方で、お母さんはこちらの話に興味を持っおくれたのがわかった。

    「はい。ひよりちゃんは幌い時から毎日毎日海を芋぀めおきたした。お母さんがら迎えにくるのを埅っおたから。でも来なかった。
    だから、ひよりちゃんにずっお海は、お母さんが来なかった象城で、ずおも寂しいものなんです。
    俺はその衚情を䜕床も芋おきたした。海を芋おいなくおも、䞍意に寂しくなっおしたった時、どうしようもなくなっおしたった時、ひよりちゃんはその顔をしたす。その時、ひよりちゃんはたるでどこにもいないようになっおしたっおいるんです」

    「 だから、それはひよりが良い子じゃなかったっおこず 」

    「それ、もういいんです。お母さん」

    俺は、深呌吞をしお、ひよりちゃんの手をもう䞀床握った。そしお、さらに、ゆっくり諭すように話し始めた。

    「党郚、ひよりちゃんのおじいさんから䌺いたした。ひよりちゃんに䌚わないようにしたのは、ご䞡芪ず盞談した䞊ですよね」

    「 䜕蚳の分からない事蚀っおいるの」

    「その蚌拠に、なぜひよりちゃんが東京にいる事を知っおいるんですかそれに、今日だっお十数幎ぶりの再䌚だっおいうのに、迷わず僕らのテヌブルに来た。知っおるからですよねひよりちゃんの事、ちゃんずご䞡芪から報告を受けおいたんですよね」

    お母さんは芳念したように、゜ファにもたれかかっお、倧きなため息を぀いた。

    「なんで、おじい、そんな倧切なこず私に蚀わなかったのよ 」

    「その点はおじいさんを責めないでください。自分が口止めをお願いしたんです。だっお、重芁なのはそこじゃない。そこじゃないんです」

    「そこじゃない」

    「ひよりちゃんずお母さんが別々の人生を歩んでいるのはもう事実ずしお、倉えられたせん。
    あなたは、ひよりちゃんを眮き去りにしたんですから」

    「 蚀っおくれるね」

    「ええ、自分は他人ですから。事実を述べるこずができたす。あなたは、ひよりちゃんを眮き去りにした。その事実は倉わりありたせん。
    問題は嘘を぀いたず蚀うこずです」

    俺がここたで蚀うず、ひよりちゃんは握っおいた俺の手を離し「ありがずう」ずそっず口にしお、姿勢を正した。

    「私はね、迎えにくるっお蚀っお来なかった、お母さんに嘘を぀かれおいたっお事が嫌なの。
    だから、私の心はい぀たで経っおもお母さんが垰っおくるかもっお眺めおた島の海に挂ったたたなんだよ」

    ひよりちゃんの蚀葉を受けお、お母さんは、目の前のアむスコヌヒヌをぐいっず飲み干した。
    明らかに動揺しおいるのがわかった。

    「 だっお、おじいが、お前が島に垰っおくる気がないなら、ひよりの前に姿を衚すな。その方がひよりのためだっお蚀ったのよ。
    今の旊那にも、ひよりがいるこずは䌝えおなかったし、それならっお 」

    お母さんはそのたた俯いおしたった。

    「黙っおいるこずは、私の垌望じゃないよ」

    俯いたお母さんに盞反しお、ひよりちゃんは真っ盎ぐお母さんを芋぀めおいた。

    「嘘を぀いお誰が幞せになったの
    私おじいおかあさん誰も幞せになっおないじゃない。タラレバかも知れないけど、私はちゃんず話しお欲しかった。そうすれば、その時は傷぀いたかも知れないけど、い぀たでも島の海に挂わなくお枈んだ。子䟛だからこそ、ちゃんず知りたかった」

    そこたで蚀っお、今床はひよりちゃんが目の前のコヌヒヌを飲み干した。
    でも、俯くこずなく、お母さんを芋぀めおいた。

    「 ごめん 」

    お母さんは力なく呟いた。

    「その時の決断は、お母さんたちにずっおは正しかったんでしょう。でも、それはお母さんたち偎の決断です。
    自分たちの気持ちを優先した事で、ひよりちゃんは存圚も気持ちも眮き去りにされおしたった。あの波照間の海にです。
    だから、ひよりちゃんは今も嘘が倧嫌いだし、海を芋るず悲しくなる。
    でもね、今回はなんで捚おたんだず、嘘を぀いたんだずお母さんたちを責める為だけに、来たんじゃないんです」

    えず蚀う顔でおかあさんは顔を䞊げる。
    お母さんずひよりちゃんの芖線が合う。

    「 お母さん、私の事が嫌いで眮いお行ったの」

    そこたで蚀うず、ひよりちゃんはポロポロず涙を流しおいた。

    今たで、ずっず、ずっず、ずっず怖くお聞けなかった事を、胞の奥にしたい蟌んで、蓋をしお、それでも海に溶かす事ができなかった気持ちを、蚀えおいた。

    「 そんなわけ無い」

    ひよりちゃんの蚀葉を受けお、お母さんもポロポロず泣き出し、倧きく息を吞っお目を閉じた。

    「おばあから届く手玙の䞭のひよりを眺めるのが私の幞せだった。写真を眺めながら、い぀もごめんね、ごめんねっお蚀っおた。
    ひよりを捚おた最䜎な母芪だから、私の事を捚おお欲しい。そう思っおた」

    「だから、ツンツンしおたんだ」

    ひよりちゃんが少し笑う。

    「だけどさ、それも私が望んだ事じゃ無い。
    だっお、お母さんを埅ち続けたんだから、嫌いになりたく無い。嫌われおないなら、嫌いになりたく無いよ」

    「嫌いなわけ無い。嫌いなわけ無い   倧切なひよりだもん。ごめんね。今たで本圓にごめんね   」

    そう蚀っおお母さんは机に䌏しおしたった。

    ひよりちゃんは立ち䞊がり、お母さんの隣に立ち、机に䌏したたたの、お母さんの肩に手をかけた。

    「嫌いじゃ無いっお蚀っおくれおありがずう」

    先皋たで泣いおいたひよりちゃんの目には涙はもうなかった。

    「だから蚀えるよ。
    私もお母さんのこず、勿論嫌いじゃ無い。でもね、お母さんのこず蚱すこずはできない。私を眮き去りにしたこずを忘れないで。私はこれからも1人で生きおく。だから、お母さんも堂々ず私を捚おたたた、生きお」

    そう蚀っおひよりちゃんはお母さんを軜く抱きしめお、俺に「行こう」ず声をかけおお店を埌にした。
    お店を出おしばらく歩き、曲がり角を曲ったずころで、ひよりちゃんは俺に瞋り付いお泣き出した。

    「 お母さん、私の事嫌いじゃ無いっお」

    「うん」

    「嘘぀いおごめんねっお」

    「うん」

    「私も嫌いじゃ無いっお蚀えた」

    「うん。よかった」 

    「だから、蚱さないっお蚀えた」

    「うん。1番偉かった。良く頑匵ったね。良く蚀えたね」

    俺は、波照間の石碑の前で抱きしめたように、ひよりちゃんを抱きしめた。
    この涙が、俺を通しお波照間の海に流れ蟌んで、あの長い日々、母芪を埅ち続けた幌いひよりちゃんに届きたすように。
    そう願いながら抱きしめた。

    ⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘

    「おかえりヌ」

    バむトを終えお垰っおきたひよりちゃんを俺は迎える。

    『お母さんには1人で生きおいくっお蚀ったけど、そこに俺も加えお、2人きりにならない』
    そう蚀っお、俺が口説き萜ずす圢で䞀緒に䜏むようになり、半幎が経っおいた。

    「あ、茝さん、星が芋えるよ」

    い぀のたにか八代さんから、茝さんず俺の呌び方を倉えたひよりちゃんが、窓の倖を眺めながら指を差しおそう叫ぶ。

    差した指の先には飛行機の灯りがピカピカ点滅しおいた。

    「だから、あれは飛行機だっお」

    「わかっおるよ。でも、いいの」

    そう蚀っおひよりちゃんは笑った。
    今は、星を芋぀けられなくおも、ひよりちゃんの指は宙を浮く事がなくなった。

    ひよりちゃんは、飛行機の灯りを写真におさめ、波照間のおばあに送る。
    『東京の星だよ』
    そうメッセヌゞを添えお。

    「お母さんに送っおっお曞かなくお良いの」

    「うん、いいの。曞かなくおも送るだろうから」

    ひよりちゃんはお母さんず盎接連絡を取り合うこずは今もしおいないが、元気であるこずを、こうやっお、おばあさんを通じお䌝える事ができるようになっおいた。
    ひよりちゃんなりに、赊す方法を探っおいるのだ。

    俺たちはこれからも、笑った顔も、怒った顔も、泣いた顔も党郚、党郚お互いのスケッチブックにおさめる。
    そしお、どんな色を塗ろうか。そんなこずを2人で意芋を出しお、盞談しながら、歩いおいく。

    家の壁には、色鮮やかに色付けされた、波照間の颚景の絵が、食られおいた。(おわり)

    あずがき
    束䞋掞平さんの「ハロヌ」ず蚀う曲を聞いお、友人が「䜓枩のアンサヌ゜ングみたい」ず蚀う蚀葉を受けお、今回のお話を思い぀きたした。
    歌詞の䞭に「これからはたったふたりだね」ず蚀う歌詞があり、その䞖界芳を私なりに、衚しお芋た぀もりです。
    最埌たでお付き合いいただき、ありがずうごぞいたした。


     
     
     
    元々文章を曞くこずなんおしおこなかったのですが、あるこずをきっかけに劄想爆発。時々オリゞナルもありたすが、朝ドラスカヌレットを䞭心に劄想二次小説を曞いおいたす。劄想なので、本線ずは党く関係ありたせん。 ずおも短い話なので、よかったら読んでください。

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