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「すばらしい話ですね」で終わらないニュースがある。

朝から、ちゃんとした人を見てしまった。
同時に、自分の小ささも一緒に見えてしまいました。

ニュースを見ていたら、
どこかで見たことのある方が、見たことのない姿で出てきました。

北九州空港で、靴をきれいにするボランティアをしているという。

あれ、この方、どこかで……。

やっぱりそうでした。
スターフライヤーの元社長、松石禎己さん。
2021年から、空港で乗客の靴を無料できれいにしているそうです。
約5年で、5千人以上。

まぶしい。
朝から、まぶしすぎる。

人のために動いている姿を見ると、
まっすぐ感動する前に、少し逃げたくなることがあります。

この方の前には行けないな、と勝手に思いました。
別に会う予定なんてないのに。

働いていた会社が大好きでした。

入りたくて仕方がなかった会社で働き、
毎日が本当にキラキラしていました。
1日に300人以上と出逢える仕事。
いろんな国の人たちと働いて、
人として育ててもらった場所でもありました。

だからこそ、終わったときは辛く悲しかったんです。

それからずっと、
頭の中には「なぜ」が住みついていました。

なぜこうなったんだろう。
なぜ終わったんだろう。
なぜ、自分はここに置いていかれたような気がするんだろう。

答えの出ないことがあると、
人は、その場所に立ち尽くしてしまいます。

前を向いているふりをしながら、
心だけは同じ場所に立ったまま。

自分は、まさに止まっている人でした。

退職後、松石さんは、
「ありがとう」を、靴をきれいにするという形に変えていた。

お世話になった空港に。
お客様に。
言葉だけではなく、行動で。

これは、静かだけれど、効くジャブ。

足元がきれいな人は、なぜか信頼できます。
靴には、その方の生活が出る。
気を抜いているか、ちゃんと立とうとしているかまで、なんとなく見える。

少し話がそれたようで、
たぶん、ここも本題なのだと思います。

誰かに見せるためではなく、
ひっそりと続けている。

「喜んでいるのをみると元気をもらえる」とおっしゃっていました。

自分の中の「言い分の多さ」が、ひどく騒がしく感じられました。

「足りない」を数え続けるのと、
「ありがとう」を何かの形にするのとでは、
人生の筋肉のつき方が違う。

頭の中で考えているだけだと、
だんだん自分の中で話がうまくなってしまう。
体を使うと、言い訳は少しずつ居場所をなくしていく。

朝のニュースを見ただけなのに、
少し足元を整えたくなりました。

ありがとうは、思うだけでもやさしい。
形になると、まわりのひとを笑顔にできる。


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