メインコンテンツへスキップ
見出し画像

転生監査機関《RAC》CASE.020

    ぽんにむ

    「世界の総意」


     現れたのは、近未来を舞台としたFPSの登場人物じみた、サイバーパンク風の人間だった。
     まさに前世、自身が飲食すら忘れて没頭していた銃撃戦主体の5vs5のFPSゲーム。
     その世界から、ひょいとそのまま抜け出してきたかのような風体である。

     フードの奥、冷酷に赤いモノアイがブゥンと唸る。
     全身に張りつく血と肉片の痕が、この人物こそ己の魔法を受け止めた張本人であることを、言葉を介さずともエリオットに理解させていた。

    「エリオット・レインフェルで間違いないな?」

     予想通りというべきか、その風貌にぴたりとハマる機械的で無機質な男の声だった。
     身長は日本の平均程度でしかないはずなのに、殺気や圧でひときわ大きく見える。

    「そうだけど……何か用、ですか?」
    「……フン」

     そう言うと、赤いモノアイは何かをこちらへ投げ飛ばした。
     ゴロゴロと転がり、やがてエリオット達の足元へ辿り着く。

     それが何かを理解するより早く、ロッテの悲鳴が隣から響いた。

    「いやああああああああああああッッ!!!」
    「……え、あ……え?」
     

     そこにあったのは――ゼノとソイルの生首だった。

     つい先ほどまで会話を交わしていた人間の首が、無造作に足元へ転がっている。

    「そんな、ゼノ……!!」
    「嫌よゼノッ!! ゼノォ!!」

     ミークとロッテはその場に崩れ落ち、必死にゼノの首を抱きかかえる。
     後方で待機していたソイル隊も状況を理解し、それぞれが絶望に満ちた苦悶の表情を浮かべ始めた。

    「そんな……隊長ッ!?」
    「ソイル様……いや……」
    「う、うううそだ! 嘘だ、こんなの……」

     一人、また一人と膝から崩れ落ちる。
     その絶望がまた一人と兵を呼び寄せ、その絶望がさらに伝播するという悪循環に陥っていた。
     一人の兵が、愛しの隊長――長年慕われてきた麗しき護衛隊長の首を、泣き言を漏らしながら丁寧に拾い上げたことで、その渦はさらに激化する。

     当然、本来ならばこの怒りを怨嗟の力へ変え、あの赤いモノアイへと全てを吐き散らすはずだった。
     だが現実には、突撃するどころか、得物を抜く者すら一人もいない。
     怒りよりも先に絶望が打ち勝ってしまった結果がこれだ。
     そして何よりも、最強格の二人をものの数分で始末してみせたあのモノアイの殺気に、完全に戦意を喪失していた。

    「嫌なことするッスねぇ~。まるでこっちが悪役じゃないッスか」
    「……フン」

     当然、あちら側からすればこちらは悪も悪。
     悪者の最たるものだろう。

     だが、そんなことは些細なことだ。
     立場が変われば善悪もまたひっくり返る。戦争とはそういうものなのだ。

    「だが、効果てきめんだろ?」
    「……そうッスね。みんなものの見事にビビり散らかしてるッス」

     これがドゥーの狙いだった。

     転送されて三日。
     その間でドゥーは、この世界の常識をある程度学んでいた。
     普通の魔法に、普通の戦闘能力。幾多の情報を照らし合わせることで、この世界の基準――常識というものを理解した。

     その結果、ゼノとソイル、この二人は明らかにこの世界における強者に該当する。
     特にソイルという女騎士。同じ紋章を帯びていることから、この者はこの集団の精神的支柱である可能性が高い。
     であればこの二人の首を獲って見せれば、反撃の意思、その種ごと根絶やしにできるではないか。
     そういう心理的な算段だったのだが、気持ちのいいほどに効果てきめんである。
     
     では追い打ちと行こうではないか。

    「この場にいる全員に告ぐ。俺の目的はただ一人――エリオット・レインフェル、お前だけだ」

     幾多の視線を感じる。
     自分の声がよく通っている証拠だった。

    「ソイツを差し出せ。さすれば命だけは助けてやる」
    「何を言って……」

     ロッテは立ち上がり、目の前の悪鬼に向けて声を荒げた。

    「そんなこと……するわけないでしょ!! 私達はまだ負けてないんだから!」
    「そうです……こんな暴挙、許す勇者軍ではありません!!」

     ミークもまた立ち上がる。
     ゼノの生首を丁寧に布で包み、大事そうに抱えている。

    「……なるほど。だが、周りをよく見てみろ」

     ロッテとミークは辺りを見渡した。
     敵意をむき出しにする者も、得物を抜く者も、魔法を唱える者も、それらしき人物が一人たりともいない。

    「……どうしたのですか皆さん! 目の前にソイル様の――あなた達の隊長の怨敵がいるのですよ!!」
    「ここで立ち上がらないで、いつ立ち上がるの!! お願いだから立って! 戦って!!」

    「無駄だ」

     赤いモノアイが一歩近づく。
     それにつれて、ロッテとミークもまた一歩後ずさった。

    「コイツらの心はとうに折れている。もはや戦う意思すら残っていない。そんな者達に戦闘を強要スルノカ?」
    「……くっ」
    (うわぁ~先輩めっちゃ無理して悪役演じてるっス……(笑))

     最後の方が棒読みとなっており、ドゥーが無理して悪役の振りをしている事をミラはすぐさま看破する。
     非常に面白おかしい光景なので、ミラはケラケラ笑いながら黙って見守ることにした。
     すると――

    「何をしている貴様らッ!!」

     野太い怒号が響いた。

     集団の後方から、一際大きく豪奢な軍服を着飾った白髪の男が滑り込んでくる。

    「グ、グランド将軍ッ!」
    「グランド将軍だ!」
    「将軍……!」

     徐々に兵達の表情が切り替わっていく。
     この男がこの本陣の指揮官であることを、ドゥーは瞬時に察した。

    「お前達、何をうじうじしている! 敵はたった五万、この場では奴一人だけ! 対する我々は百万を超える!! 不意打ちが何だ、その程度羽虫のごとき小事……勇者軍は健在であるッ!!!」

     やけに通る声で、将軍らしき人物が宣言する。
     その効果は絶大だった。
     先ほどまで絶望に打ちひしがれていた者達の顔がみるみる回復していく。戦意の灯が再び点り、それぞれが己の獲物を構え始めた。

    「名乗れ、無粋なる襲撃者よ!! 我こそはこの軍、勇者本陣の総指揮官――『グランド将軍』である!!」

     歓声が上がる。
     もはや悲鳴に近い声だったが、各々が己を奮い立たせようと必死に互いを鼓舞している。

    「せっかくだから自己紹介したらどうッス?」
    「……ハァ、まったく」

     できるだけフィクサーの仕事を減らすつもりだったのに、あのグランド将軍とやらのせいで一気に台無しになった。
     だが、その言葉に嘘が混じっていることをドゥーは聞き逃さない。まだこの作戦は軌道上にあるのだ。

    「ドゥーだ」
    「ドゥーか。では魔王軍ドゥー将軍よ! 貴様らの死地はここに決まった! だが尊厳だけは守ろう。大人しく自刃するがいい!」
    「プフッ、先輩が将軍ですってwww」
    「(ちょっと黙ってろ!)グランド将軍。お前は一つ嘘をついているな」
     
    「何?」

     ドゥーが手で合図を送ると、ミラはそれに応えるようにカタカタとキーボードを叩き始めた。
     するとドゥーの右腕から、彼のものではない、舐め腐った軽快な女性の声が響き渡る。

    「えー、健在ってのは嘘ッスねぇ~。あ、初めまして勇者軍の皆々様。アタシは超上級オペレーターのミラ、そこのドゥーの上司でぇーす」
    「な……何奴…」
    (誰だよ超上級オペレーターって。というか誰が部下だ、この野郎)

     オペレーターの本分は執行官の補助。任務が円滑に遂行できるよう援助することにある。
     その際、こうして声だけならその世界へ介入できるらしく、彼女の声はドゥーの右腕に取りつけられたデバイスから発せられていた。

     グランド将軍は訳も分からず言葉を失っている。

    「魔王軍の被害は現時点で3890人。対する勇者軍の被害はすでに……おやおやもうすぐ一万を超えるッスねぇ。嘘はいけませんよぉ、グランド将ぐぅ~ん?」
    「だ、そうだが?」

    「でたらめを言うなッ!」

     グランド将軍が声を荒げる。
     いつもの彼とは対照的に酷く感情的。
     図星か、とドゥーはほくそ笑んだ。

    「今、魔王軍が突撃しているところは戦力の手薄な補給部隊。戦力の大半はほとんどココに集結しつつあるッスねぇ。ちょっと配置が安直なんじゃないッスかぁ~?」
    「き、貴様……ッ」
    「このまま続けば勇者軍の後ろ盾は全滅。補給路が断たれ、この本陣の瓦解も時間の問題ッスねぇ~。ケラケラ」
    「そういうことだ、グランド将軍とやら」
     
    「く……っ」

     グランド将軍は拳を力いっぱいに握り締める。
     憎たらしいが、全てあの二人の言う通りだった。

     魔王軍が突撃してきたということで、戦力を中央へ寄せ、戦力に乏しい補給部隊は後方に配置した。
     その判断が裏目に出ていた。
     その上、あの凄まじい衝撃波によりこちらの態勢はグズグズ――立て直す暇もなく、ひたすらヒットアンドアウェイで横っ腹を突かれるという、考え得る中で最悪の事態にあるのだ。

    「だからこその提案だ、グランド将軍」
    「……な」
    「エリオット・レインフェルを差し出せ」
     
    「……なにを! そんな馬鹿げた提案、誰が乗る――」
    「その代わりと言っては何だが、あの魔王軍を全軍退却させることを約束しよう」
     
    「な――何だと…ッ!?」

     グランド将軍の戸惑いぶりに、兵達の中で疑念が伝播していく。
     どちらが真実なのか、もはや誰にも分からない。
     グランド将軍の額に汗が滲み、その提案を頭の中で反芻していた。

    「き、貴様にそれほどの裁量がある証拠はどこにあるというのだ!」
    「あるさ。俺は一時的に、あの五万の指揮権を与えられている。お前と同じ立場にあるんだよ、グランド将軍。それに……あの特攻隊は、俺がこの場を僅かに離れるだけで瞬く間に瓦解するということは、解説せずともわかるな?」
    「……ぬう」

     それは酷く甘美に聞こえる提案だった。

     事実、このまま被害が広がれば、近日の勇者軍による魔都侵攻へ重大な影響が出かねない。
     だが、魔王軍の猛攻を止めたくともこのドゥーという存在がそれを阻む。勇者軍最高戦力たる勇者達で対応せねば、内側から食い破られることをグランド将軍は十分に理解していた。
     魔王単体であれば、エリオットがいなくとも既存の戦力で十分に前線を維持できる。この瓦解寸前の戦線さえ立て直すことができれば、ダーナポリスの侵攻はいくらでもやりようあるのだ。
     だからこそ指揮官であるグランド将軍からすれば、この場を収・め・る・だ・け・なら彼の提案は実に甘く魅力的に聞こえる。

     だが、一つ問題がある。

     エリオット亡き後、この男はどうするのか。
     正直、エリオットもエリオットで中々手を煩わせる厄介な存在だ。
     だがそんな彼を起用したのはこういった相手の未曾有の戦力に対する抑止力であり、対抗策からだ。そんな彼を無くせば、今度は抑止力が無くなれば遅かれ早かれ後の戦で勇者軍は一方的に蹂躙されるのは目に見える。
     将軍の中で今と未来の天秤が揺れる。タイムリミットもあるため、流石の彼でも酷く思考が乱れていた。
     
     だがそれすらも見透かされていたようだった。

    「あー、何か余計な心配をしているみたいだが一応言っておく。俺は魔王軍ではなく中立、雇われたただの傭兵だ」
    「中立……よう…へいだと?」

    「戦争への参加がこれが最初にして最後。エリオット・レインフェルの首さえ獲れば、俺は二度と介入しないと誓おう」
    「……………………」
     
    「グランド……将軍?」

    (なるほど……これはたしかに……)

     唯一の懸念が取り払われた。
     ドゥーとやらの提案は信憑性には欠ける。だが言質は取った。
     相手が名乗り、こうも周囲に証人がいる以上、いざとなれば魔王を“極めて卑劣で外部の干渉に頼った姑息な軍略”として情報戦に持ち込む。さらには軍法会議という圧力もかけられるはず。
     
     であれば、この提案は一考に値する契約となる。

     熟考するグランド将軍に、ロッテは心配そうな視線を送る。
     対するグランド将軍は、いまだ音沙汰のないエリオットに冷たい視線を向けた。

    (たしかに……この戦争の終結後、あの小僧の扱いはかなり面倒だ)

     たしかに実力は本物だろう。
     事実、この北方平原でこちらが勝ち星を挙げたのは大半――いやほぼが彼の一撃によるもの。
     だがどうしても、その器が圧倒的に不足しているという懸念が拭いきれない。性質も中々に歪で、まるでいつ爆発するかも分からない不良品の時限爆弾だ。その性質の破綻は、玉に瑕どころでは済まないレベルなのだ。

     しかし、それすらもここで処理できるというなら、存外この提案は理想的ではないだろうか。
     今度はチラリとエリオットを大事そうに囲う二人を見つめる。

    (フン……あとは小童二人だが……)

     ハイフレイム家の世間知らずな箱入り娘は、どさくさ紛れに処分すればいい。戦場に一度身を置いた以上、本家も口出しはできまい。
     横にいるマッドサイエンティストも、エリオットとなんぞと比べれば蟻んこ同然だ。ゼノという悪童も始末してくれたことだし、思うより状況は好転してきているのではと、将軍は結論付ける。
     付け加えるなら大賢者の同行は気になる所だが、事が済みさえすればあの方でもどうしようもないはず。というより、そもそも彼がエリオットの教育を怠らなければこんな面倒な産物は生まれなかったのだ。

     そんな都合のいい言い訳がつらつらと並び、グランド将軍はいよいよ意を決した。

    「良かろう、ドゥーとやら。全軍、退けい」
    「そんな! グランド将軍ッ!?」
    「何を考えているのですかッ!?!?」

     二人にとってはあまりにも馬鹿げた決断であり、怒りに任せてロッテとミークが猛抗議する。

    「まだ勇者軍は健在なんですよね!? 何故エリオット様を売るような蛮行を――」
    「黙れ。貴殿らも我が指揮下。故に私の命令は絶対だ。だからもう一度言う、即座にエリオット殿を置いて後退せよ」
     
    「ふざけるなッ!!」

     怒りを露わにする二人。
     何が何でも離れまいと、エリオットの服を必死に掴む。

     だが対する兵達は、命令通り後退する者、アワアワと狼狽える優柔不断な者、いまだ状況を理解できぬ者の三グループに分かれており、その中にエリオットを擁護する者は誰もいなかった。
     そう、誰もいないのだ。

    「そんな…………なんで!?」
    「貴殿ら……これが現実だ」

     グランド将軍の冷たい声が、より大きく反響した。

    「エリオット・レインフェル。大賢者の息子にしてこの大戦の立役者のはずだったが……所詮貴殿は腫れ物に過ぎないのだよ」
    「んなッ!!なにを根拠に――」
     
    「考えてみるといい」

     ミークに続いて、ロッテも反対を表明しようとするが言葉がうまく出てこない。
     何故なら、グランド将軍の言葉にはわずかながらでも一理あるからだ。兵達の反応からして、これは全員が密かに胸の内へ仕舞っていた共通認識なのだろう。

    「四十万をいともたやすく屠る魔法。その上、それを実行してもなお一切変わらぬ顔色。貴殿は天才なのではない。異常なのだよ、異常」
    「異常…………僕が変なのか……?」

     やっとエリオットが口を開いた。

    「どう考えても普通ではないだろう。したがってこの戦争に勝ったところで、貴殿は依然としてこちらの負担になることは目に見えている」
    「そんな、酷いッ!!」
    「ですがエリオット様のおかげで、こちらの被害が最小限に抑えられたのも事実ですよ!!」
     
    「ふん……最小限か……。では、あの山の件は何なのだ?」

     
    「「……………あ……」」

     山とは、あの村の件のことだろう。
     完全に遠い記憶へ追いやられていたそれを、一瞬にして掘り起こされる。

    「聞くところによれば、あの山での被害はおよそ400名弱」
    「そ、それは……」
    「それ以外も、まだまだあるぞ」

     グランド将軍は、エリオットのこれまでのしでかしをつらつらと並べ始めた。

     アクアマリン山脈での被害は死者387名、負傷者624。
     王立宮廷魔導学園・西演習塔崩落事故。死者29名、重軽傷者147名。
     レヴァント街道沿い3村水没災害。死者236名、行方不明者1512名。
     白波湾凍結沈没事故。死者190名。
     ランツェ盆地地下水脈噴出災害。死者746名、負傷者1800超。
     etc....

    「ひどい…」
    「なんということだ」「あんまりだろ…」
    「アレもアイツがやったのか」

     一つ語られるたび、兵達の顔がじわじわと曇っていく。いざ言葉にしてみるとそれは酷い経歴だ。
     被害者の総数が40万などを軽く超えた頃には、困惑はやがて軽蔑へ、最終的には嫌悪の色すら浮かべる者まで現れ始めた。

     徐々に四面楚歌の状況が作られていくことに、そして自分達があのドゥーという男によって退路ごと断たれたことにミークは戦慄する。

    (端からこれが狙い……くそっ!)

    「貴殿……いや貴様がこれまでのうのうと生きてこられたのは、このご時世だからだ。要するに、貴様のようないつ暴走するかもわからぬ腫物に対処する余裕などなかったということだ。そして、終戦後――平和になった世になれば、貴様の居場所はなくなる」
     
    「そんな……どうすればいいのミークッ」
    「くそ……こんな馬鹿げたこと――」

    「もういい」

     一人の男の声があがる。
     エリオットだ。

     やけに鮮明で、どこか圧のこもった声。
     彼はおもむろに数歩前へ出ると、辺りをぐるりと見回した。

    「もううんざりだよ。こんなクソゲー」
    「エ……リオット?」

    「こっちは散々ストーリーに乗っかってやってるってのに、んだよこのシナリオ。マジでクソゲー。不快だわ」

     いつもの彼とは百八十度違う、ひどく口の悪い声音だった。
     ペッと唾を吐き捨て、ドゥーだけでなく彼を取り囲む勇者軍全てを睨みつけながら吐き捨てる。

    「サ終だよ、こんなゲーム。マジで、こんな『LOLロード・オブ・レジェンド』よりひでぇゲーム見たことねぇぞ」

    「何を……言ってるの?」
    「エリオット様……」

     只ひたすらに意味不明な用語を並べており、二人は完全に置き去りとなっていた。

    (あれが奴の本性か)

     早々に化けの皮が剥がれたな、とドゥーはブレードを構える。
     対するエリオットは手に力を籠め、無詠唱で手のひらに魔法陣を浮かべた。

    「もうバッドエンドでもいいや。めちゃくちゃにしてやるよ、こんなクソシナリオ」
    「意見が一致したな、エリオット・レインフェル。お望み通り、お前の物語を終わらせてやる」

     
     
     
    ぽんにむです。  東北大学大学院医学系研究科に在籍し、医学研究に取り組む傍ら執筆。 現在「転生監査機関RAC」を連載中です。 カクヨム kakuyomu.jp/users/PONYM 小説家になろう https://mypage.syosetu.com/3071966/

    あなたへのおすすめ