「公認心理師になりたかった私」が、夢を諦めた現実の話|お金の壁と、それでも残ったもの
正直に言うと、あの頃の私は「これで人生が変わる」と本気で思っていました。
公認心理師になること。それが、自分の過去も、これからの人生も、全部救ってくれる気がしていたんです。
放送大学に入学する前から、私は本気で公認心理師を目指していました。大学で心理学を学びながらも、「もっと専門的に学びたい」という気持ちはどんどん強くなっていきました。
そのために私は、お金を貯めて心理系大学院の受験対策として予備校にも通い始めました。目的は、放送大学の公認心理師実習選抜試験と大学院入試対策。自分にとっては小さくない投資でしたが、夢に向かうための一歩でした。
授業は週に一度、3時間の集団講義。ここまでは普通です。
でも、問題は費用でした。
1回の授業が約1万円。全15回で15万円。
正直、ため息が出そうになりました。それでも、「公認心理師になりたい」という気持ちの方が強かった。ここでやめたら一生後悔すると思っていたからです。
しかし、通い続ける中で、現実の壁が次々と見えてきます。
公認心理師として一人前になるためには、スーパーバイザーの指導が必要。その費用が、毎月最低5万円、通常は10万円。一流の指導になると、それ以上かかることもあると知りました。
「これを、毎月?」
頭が真っ白になりました。
その瞬間、「この道は、自分には続けられないかもしれない」という現実が、はっきりと見えてしまったんです。
そして、決定的だった出来事があります。
授業中、講師からこう言われました。
「頭の中で一万円札の大きさを思い浮かべて、道具を使わずに四角形を書いてください」
私は思い浮かべた通りに書きました。
すると講師はこう説明しました。
「多くの人は実際より小さく書く。少し大きめに書く人は、経済的に余裕がない傾向がある」
私は、自分が少し大きく書いていたことに気づきました。
その瞬間、心の奥で何かが崩れました。
頭では「なりたい」と思っているのに、現実の自分は、その世界で生きていく余裕がない。
そのギャップを、突きつけられた気がしたんです。
「もしお金の問題がなかったら、私はこの道で生きていけたんじゃないか」
そんな気持ちも正直ありました。
それでも私は、立ち止まりました。
心理学は好き。でも、専門として追い続けることは、一度やめる。
そう決めました。
今は、心理学とは別の分野で「人を支援する国家資格」を目指しています。
本当は、心理学の世界で生きていきたかった。でも、理想通りの人生を歩める人は多くありません。
現実と折り合いをつけることは、悔しいです。でも、それもまた必要な選択だと思っています。
それでも、「人の役に立ちたい」という気持ちと、「心理学が好き」という気持ちは消えませんでした。
その気持ちをどう活かすか考えた結果、私はこのnoteを始めました。
専門としての道は諦めた。でも、考え方や経験を通して人を支えることはできる。
そう思っています。
夢を諦めることは、価値がないことではありません。
むしろ、「どこで折り合いをつけるか」を自分で決めることも、大切な選択だと思います。
あの頃の経験は、無駄ではありませんでした。
これからも私は、自分なりの形で、人の役に立つ道を探し続けていきます。
