『「よくわからない」が効いてくる』箸休
ここ最近、読書時間が増えてきたのは良いのだが、ベッドの上まで侵食し始めている。
一冊、二冊なら許容範囲だけれど、文芸雑誌含め十冊以上になると、もうそれは安眠を妨げ兼ねない。
そろそろ本棚へ戻さねば……
ベッドサイドの本棚を覗き込んだ際に不意に目についた一冊の本があった。

プレゼントされた当初は、「これ、どういうことなんだろう……?」と思いながら読んでいた。
でも、その独特な配色にはどこか異国っぽい感性を感じていた。
正直よくわからない。
けれど、なんだか嫌いじゃない。
そんなふうに思ったのを覚えている。
プレゼントされてから数年が経った今、その絵本がようやく私の中でじわじわ効いてきている。
最初に感じた「よくわからない」が、今の私の心にちょうど響いているのだ。
『佐平さんのしあわせな日常』も、たぶん読んでくださる方の多くが「よくわからない」と感じるのではないだろうか。
もちろん独りよがりになるつもりはまったくないけれど、実は意識しているテーマがある。
ただ、私自身、『佐平さんのしあわせな日常』を書きながら、あえて全部を説明しないようにしている。
なぜその人がそう考えるのか。
なぜその街が大切なのか。
つい何でも説明したくなる自分をぐっと抑えて、できるだけ余白を残そうとしている。
「秘すれば花」を胸に、これからも書き続けていきたい。
とはいえ、この価値観は今の時代には少し合わないのかもしれない、とも思う。
『変なお茶会』の佐々木マキさんは、この絵本に何を込めたのだろうか……。
