ストックイラストは、「始めるより続ける」がむずかしい。
「描いたイラストが、誰かの役に立つ」
「いつかストックだけで生活できたら…」
そんな思いで、わたしはストックイラストを始めて、気づけばもう5年が経ちました。
この5年間でいろんな絵を描いてきましたが、
正直いちばん大変だったのは、描くことそのものより、“続けること”でし
た。
アップしても売れない日が続いたり、
「何を描けばいいか分からない」と悩んだり、
タグ付けや申請作業に心が折れそうになったり…。
始めたときはあんなにワクワクしていたのに、
気づけば「描くのがしんどい」ではなく、「続けるのがしんどい」に変わっていました。

はじめて登録した日、「これで収入になるかも」と思った
ストックイラストを始めたばかりの頃、
正直なところ、未来がちょっとだけ明るく見えていました。
「この絵が、誰かのチラシに使われるかもしれない」
「1枚でも売れたら、描いた時間が報われるかも」

そんなふうに思いながら、最初の数点をアップロード。
自分の絵が“商品”として並んでいるのを見るだけで、なんだか嬉しくて、
「この調子で100点くらい描いたら、月1万円くらいにはなるんじゃ?」
と、根拠のない希望で胸がふくらんでいました。
でも、現実はそう甘くなくて。
アップしてもまったく反応がない日が続いて、
「わたしの絵、誰にも届いてないかも…?」と、少しずつモヤモヤが積もっていきました。
そんな中、はじめて4枚ダウンロードされた日。
それは2週間ほど経ってからのことでしたが、
通知を見た瞬間のうれしさは今でも覚えています。
“誰かがこの絵を選んでくれた”という実感は、たった4枚でも、すごく大きかったんです。

「何を描けばいいか分からない」問題

ストックを始めたばかりの頃は、
とにかく“好きなもの”を描いていました。
動物、人物、カフェの風景…。
わたしが「可愛い」と思えるもの、描いていて楽しいものを、気の向くままに。
でもある日、他の作家さんのランキングをなんとなく見ていたときに、ふと気づいたんです。
「あれ?売れてるのって、こういう絵じゃないんだな」って。
上位に並んでいたのは、
・季節の行事(節分、入学式、ハロウィン)
・育児・医療・介護といった生活にまつわるシーン
・ビジネス用の人物素材やアイコン
「これ、本当に使われてるんだ…」
そう思ったと同時に、わたしが描いていた絵とのギャップに戸惑いました。
「わたしの絵って、誰が、いつ、何に使うんだろう?」
今まで考えたこともなかった問いでした。

そこから少しずつ、
“描きたい”よりも“使われる”を意識するように変えていきました。
でも正直、その切り替えってすごく難しくて。
頭では「そうだよね」と分かっていても、
気持ちのどこかで、「好きな絵を描いていたい」って思ってしまう。
このタイミングが、わたしにとって最初の“続かなくなる壁”だったように思います。
地味だけど重い、“申請とタグ付け”の壁

イラストを描いて、さあアップしよう!
…と思ったところから始まる、地味で長い作業。
タイトルをつけて、カテゴリを選んで、タグを10個以上つけて。
英語対応のサイトなら、翻訳も必要で、細かい説明文も考えなきゃいけない。
「これって、描く時間より長くない?」
最初にそう感じたのを今でも覚えています。
しかも、がんばって申請しても、
審査に数日かかったり、理由もわからずリジェクトされたり。

このころにはもう、「描くのが楽しい」から「アップがしんどい」に気持ちがすっかり傾いていました。
時間をかけて描いた絵も、
この作業を越えなければ、誰の目にも触れない。
そう思うと、
「じゃあ今日はやめておこうかな」って、
アップロードの手前で止まってしまうことも多くて。
「続かない理由って、“絵が描けない”ことじゃなかったんだ」
そんなことを、タグ地獄の真ん中で実感しました。

今では少しずつ、工夫するようになりました。
スクリプトを導入してタグ付けを時短したり、
まとめて投稿する日を決めて“モード切り替え”を意識したり。
あと最近では、このあたりの作業は夫にまかせることも増えてきました(笑)
描く人と、整える人。それくらい分業しても、いいのかもしれません。
わたしなりの“ストックイラストの続け方”

気づいたのは、「毎日やらなくていいんだ」ということでした。
最初のころは「今日も描かなきゃ」「投稿しなきゃ」と自分にプレッシャーをかけていたけれど、
それって、気持ちにも生活にもじわじわと負担が大きかったんです。
今では、もう少し肩の力を抜いて、こんなふうに取り組んでいます。
YouTube用に描いたイラストや、制作で生まれた“副産物”をストック素材として活用
投稿は月に1回、“まとめてアップする日”を決めて、気持ちの切り替えに
アイデア出しは、散歩中や家事の合間にメモだけとっておく
新しく描けないときは、過去作のリサイズや色違いで負担を減らす
タグや申請の作業は、最近では夫にお願いすることも増えてきました(分業って大事)。
「全部を一人でやらなくてもいい」って思えるようになってから、気持ちがぐっとラクになりました。
「続ける」を前提にすると、
完璧を目指すより、“疲れない仕組み”の方がずっと大事なんですよね。
描ける日が週に数日でも、
その中で少しずつ素材をためていけば、ちゃんと前に進めます。
アップしたイラストは、ずっとネットの中に残って、
未来のどこかで誰かに見つけてもらえるかもしれない。
そんな“あとから効いてくる仕事”なのも、ストックの良さのひとつです。
続けていたから、見えてきたこと
はじめのころに描いた素材が、半年後にぽつんと売れたり、
忘れかけていたイラストが、季節のタイミングで急にダウンロードされたり。
ストックって、“今すぐの反応”じゃなくて、
あとからじわじわ効いてくる世界なんだと気づきました。

最初の1年は売上が数百円だったけど、
2年、3年と続けるうちに「気づいたら今月1万円いってる!」なんてことも。
そういう積み重ねが、モチベーションに変わっていきました。
タグのつけ方や余白のとり方も、
売れた素材を見ながら少しずつ調整して、
「使いやすい絵ってこういうことかも?」と
自分なりのコツが、ようやく見えてきた気がします。
おわりに:続けるために、力を抜いていい
ストックイラストって、始めるのは簡単。
でも、コツコツと続けていくのは、思っていたよりもずっとむずかしい。
描くことより、届けること。
続けることより、やめないこと。

それくらいの気持ちでいた方が、きっと長くやれる気がします。
わたしもまだ途中です。
でもこれからも、自分のペースでゆっくり続けていこうと思っています。
いいなと思ったら応援しよう!
ありがとうございます♡ いただいたチップはイラストの勉強に使わせていただきます。スキやシェアでの応援もいつもありがとうございます!