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企画参加 | にらめっこ

    山根あきら | 哲学者

    短編小説 | にらめっこ


     なにを考えているのか読めない君の視線に、僕は釘付けになった。

    「あの、なにか?」

    「いえ、なにも」

    「そうですか?僕のことを見つめているような気がしたものですから」

    「はい、あなたのことを見つめています。ご迷惑でしょうか?」

    「いえ、そんなことはありません。ただ、少し気になったものですから」

    「それならば、あなたを見つめていてもいいですよね」

    「はい、かまいませんが」

     沈黙がつづいた。僕は彼女から目をそらした。彼女の視線を感じる。彼女のかわいい姿が僕の視野の片隅にある。

    「あの、僕もあなたを見つめても、よろしいものでしょうか?」

    「ええ、もちろんですよ」
     口唇に微笑をたたえながら彼女が言った。

    「なんか、にらめっこしてみたいですね」と僕は言った。そうしたら、彼女はケタケタと笑いはじめた。

    「あたしの負けですね。なにかペナルティはありますか?」

    「いえ、ペナルティなんてありませんよ。ただ…」

    「ただ? ただなんですか? なんでも言うことを聞きますよ。遠慮なさらずにおっしゃってください」

     僕は極度に緊張したが、勇気をふりしぼって言った。

    「瞳を閉じてくれますか?」

    「あたしが目を閉じたらどうするんです?」

     彼女は瞳を閉じた。僕は彼女の口唇に自分の口唇を合わせた。彼女はなすがままに、なにも抵抗しなかった。

    「ふふふ。あなたの口唇はしっとりしていますね」

     僕は彼女にキスする前に、乾いた口唇を舌でなめていたのだった。ちょっと照れくさかった。

    「あの、もう一度、キスしてくださる?」
     彼女はうっとりとした眼差しで僕に尋ねた。


    ~おわり~
    ♥️(*ノ▽ノ)❤️(*/□\*)♥️


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    #あなたのキス
    #甘野充さん
    #短編小説
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    ♥️(*/□\*)♥️(*ノ▽ノ)❤️

     
     
     
    初投稿2021/08/08。毎日投稿。2023年から個人企画「青ブラ文学部」。英語、ことば、文学、哲学、数学、時々noteのことなどを書いています。 『星空の恋の方程式』で創作大賞2025中間選考通過。『算数の時間 | 分数を理解しよう!』で「今日の注目記事」に選出。

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