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童話 | 天使と悪魔

     1人の悪魔が大暴れしているという通報を受けた天使たちは、現場に駆けつけた。
     
    「あいつか」

     天使たちは悪魔に一斉に矢を向けた。

    「おい、そこのお前たち、なにも言わずに人にいきなり矢を向けるな!一応お前らは天使なんだろ?」

     悪魔の言葉に天使たちはたじろいだ。
    「私たちは天使だ。相手の言い分はちゃんと聞くことを信条としている」と、リーダーの天使は言った。
    「みんな!  いったん矢を下ろせ!」
    この言葉を聞いて、天使たちは向けていた矢を下ろした。

    「さすが、これだけの人数を束ねるリーダーさんだな。悪魔といえども、話の分かる奴とはちゃんと話をするつもりだ。それまで魔力は使わない」

     悪魔とリーダー天使の対話が始まった。

    「つまり、あなたはただ寂しかっただけなんですね」

    「そういうことだ。あんたら天使だって、人に話を聞いてもらいたいことはあるだろう?だから、少し荒れたように見せただけさ。」

    「悪かったですね。ただ、寂しいだけで暴れられたら困ります」

    「『荒れた』だけ。暴れたのは君ら天使たちのほうだね」
     
    「じゃあ、私たちはこれでひとまず引き下がります」

    「そうか、それはありがたい。俺は本当は今から、静かに死のうと思っていたところなんだよ」

    「あっ!」

     次の刹那、悪魔は崖からまっ逆さまに落ちていった。骨という骨が砕け散る音が辺りに響き渡った。

     気がついたときには、天使たちは全員悪魔に成り果てていた。堕天使たちはお互いの顔をまじまじと見つめあった。



    (終わり)


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    初投稿2021/08/08。毎日投稿。2023年から「青ブラ文学部」。英語、文学、哲学、数学、noteのことを書いています。 『星空の恋の方程式』で創作大賞2025中間選考通過。『算数の時間 | 分数を理解しよう!』で「今日の注目記事」「今週のおすすめnote5選」に選出。

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