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毎ショ | 獣人十色

    山根あきら | 哲学者


     その駅で降りると、烏の群れが路上を埋め尽くしていた。恐る恐る近づくと、一斉に飛び立った。
     群がっていた場所に目を凝らした。内臓が抉られている。それが人間であると分かったとき、わなわなと膝が震えだした。

    「警察に通報せねば!」

     誰か人を呼ぼうと辺りを見回すと、交番が目に入った。

     私は辛うじて正気を保ちながら、懸命に交番に歩を進めた。

     なんとか交番にたどり着き「お巡りさん!」と言おうとしたとき、私の目に飛び込んできたのは、またもや烏の群れであった。交番の中も烏に占拠されていたのだ。

    「なんということだ!」

     絶望に胸を締め付けられた。

     烏の群れが再び飛び立った。そこに残されていたのは、血まみれの警官の腕だけだった。

     逃げ出そうとしたが、足がすくんで動かない。その時、一匹の烏の目が私を捉えて、低い鳴き声が響いた。

    「助けてくれ!」と叫ぼうとした時、私の喉の奥から獣のような唸りが漏れた。「畜生!」と言ったつもりが「カァ~」になった。


    (415字)


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    初投稿2021/08/08。毎日投稿。2023年から個人企画「青ブラ文学部」。英語、ことば、文学、哲学、数学、時々noteのことなどを書いています。 『星空の恋の方程式』で創作大賞2025中間選考通過。『算数の時間 | 分数を理解しよう!』で「今日の注目記事」に選出。

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