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📖私的読書論📖 | 読みたい本の見つけ方

 だいぶ涼しくなってきました。茹だるような暑さが過ぎて涼しくなってくると、多少、内省的・感傷的になります。

 noteに記事を書き始めてから1年が過ぎて、なぜか初期の頃を懐かしむ気持ちになっています。

 いまから約1年前に書いた記事を加筆・修正して、「読みたい本のみつけ方」に関する私論を述べてみたいと思います。



 読書の秋。ふだん本をどのくらい読んでいますか?他のクリエーターさんの記事を読むと皆さん、文章が上手だなぁといつも感心しています。

 アウトプットがうまい、ということはインプットの仕方もうまいに違いないと思うのですが、中には、読みたい本がなかなか見つからないと悩んでいる方もいるようです。
 そこで、私の本の見つけ方を書いてみようと思います。あくまでも私論です。何らかの参考になれば、と思います。

①今読んでいる本、あるいは、かつて読んで面白かった本の参考文献を読む。

 ジャンルにも依りますが、一冊の本ができるまでには、何冊もの本が参考にされているのが普通です。
 高校生くらいまでは、巻末の参考文献なんて読まないし、ページの無駄遣いだ、と思っていたのですが、とんでもないことです。

 たとえば、何か自分の知らない分野のことをちょっと深く独学したくなった場合、私は図書館なり書店なりに行きます。何冊か本を手に取り、参考文献を順に見ていきます。そうすると、複数の本で共通して参考にされている本が見付かる場合があります。

 面白いことに、意見がまったく異なるのに、参考にしている本が同じという場合がけっこうあります。参考文献として挙げられている本は、その分野の基本図書ということなのでしょう。入手できるなら、これは読むべき本と言えそうです。

 ちょっと話が逸れますが、経済学でいうと、学生なら必ず読むべき本は、アダム・スミスの「国富論」ですね。
 新自由主義のミルトン・フリードマンも、「資本論」のカール・マルクスも自身の経済学の基礎としている重要な古典です。そこから引き出したものが、正反対と言ってもいいほど異なるということは興味深いところです。

 学術的な本を探すならば、「参考文献」から見つけることができますが、小説だったらどうすればよいでしょう?
 今読んでいる小説が面白いのであれば、その作者の他の作品を読んでみるといいでしょう。一人の作者の作品をすべて読んでみる、というのもいいかもしれません。
 あるいは、今読んでいる作品と関連のある作品を読んでみるのもいいかもしれません。小説には「参考文献」はあまり載っていませんが、たとえば、デュマ・フィス「椿姫」を読めば、アベ・プレヴォー「マノンレスコー」が登場します。「椿姫」のついでに「マノンレスコー」を読むのもいいでしょう。
 ハーディ「テス」を読めば、「ストーンヘンジ」が登場します。小説から古代の歴史の本へ飛んでみるのも面白いと思います。

②読書のメンターを持つこと

 これは趣味の問題が関わるので、すべての人にとって、誰を『メンター(指南役)』にすべきかと言うことはできません。
 書評を参考にすることもありますが、実際に自分で読んでみて、「面白い!」と思った筆者の「オススメ本」を読んでみるのがいいと思います。
 私の場合、言語学者・黒田龍之介さんや通訳者・米原万里さんのオススメする本を読むことが多かったです。他にも参考にした方もいましたが、この二人の方がオススメした本は当たりはずれがほとんどないので、勝手にメンターにしていました。

 最初から自分にあったメンターに出会えればよいのですが、読書嫌いの人でも、50冊あるいは100冊くらい読まないと、自分好みの作品(あるいはメンター)に出会うことは難しいと思います。しかし、この人の本をもっと読んでみたいと思える作品に出会えたら、もう迷う必要はありません。その人の著作や「オススメ本」を片っ端から読んでいけばいいだけですから。

 あなたの好きな作品の著者の他の作品を読む間に、その著者が「引用する別の人の作品」にきっと出会うはずです。
そして「引用された作品」を読む。
「引用された作品」で「引用された作品」を読む。

 そうしたらまた、同じことを繰り返せばよいのです。

 この方法は間違いはないのですが、ひとつだけ重大な欠点(?)があります。お気付きかと思いますが、どんどん読む本が古くなっていくということ。しかし、古典的な名著に自分の力でたどり着いた、という満足感があるし、古い書物ほど星霜を経て生き延びてきたわけですから、欠点どころか、利点かもしれません。

③「新書」コーナーは必ずチェックします。

 ②の方法の欠点(読む本が古いものへ向かっていくこと)を補うために、最新の情報をアップデートすることも大切です。
 新聞や雑誌でもいいのですが、なかなかそれだけでは「体系的な知識」が身につきにくいと思います。

 「ちくま新書」「岩波新書」「中公新書」「光文社新書」の新刊を、常にチェックしておけば、知識の穴はかなり小さくなると思います。実際に読むことがなかったとしても、「タイトル」や「目次」を見るだけで、現在のトレンドを把握することはできます。

④外国語の本の探しかた

 日本語で読んでみて面白かった本が、英語など、あなたの得意な言語に翻訳されていたら、その言語で読んでみるのもいいと思います。
 内容が分かっているから、つまらない、という意見もあるとは思いますが、内容が頭に入っているから、安心して読むことができます。小説はストーリーを読むだけではありませんね。

 日本の古典、たとえば「源氏物語」や「徒然草」、「方丈記」も英語で読んだほうが分かりやすい箇所がありますし、「英語だと、こう表現すればいいのか」という新たな発見・学びもあります。

⑤対立する意見の本を読み比べる

 時事的な話題を扱う本を読む場合、自分の好みの本だけを読む、というのはあまり感心しません。
 ある事柄に関して、自分が「賛成」だから「賛成」意見の本を読むというのは偏狭な気がします。あえて、「反対」意見の本を読んでみることも必要でしょう。
 賛否両論がある場合、賛成意見も反対意見も、いったん虚心になって耳を傾ける必要があると思います。必ずしも意見が変わるわけではありませんが、対立する意見を聞くことによって、自分が見落としていた視点を発見することもあります。


まとめ

 いろいろ書きましたが、万人が納得するような読書の方法はありません。卓袱台返しのような言い方ですが、自分が「楽しい!」と思える方法を選択すればいいのだと思います。
 読書論に限らず、「自己啓発本」には、「あなたにとっての正解」が書いてあるわけではありません。
 とりあえず試してみてもいいのですが、自分にしっくりとくるもの(自分にとっての正解)は、自分で試行錯誤しながら見いだしていくしかありません。

 🍁「読書の秋」🍁が実りの多いものになりますように。


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山根あきら | 哲学者 記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします