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短編 | 噛ませ犬ごはん

     世間はアタシのことをみくびっている。
     今日の対戦相手は美人アウトボクサー。華麗な足さばきが自慢のボクサーだ。しかも無敗。しかも試合後は、何事もなかったかのような綺麗な顔のまま。ほとんど怪我をすることすらない。
     アタシはインファイターだ。足は奴ほど早くない。しかし、アタシの一撃の威力を見くびるなよ。ボディを掠めただけで、奴の足を止めるのには十分なはずだ。
     策はある。グローブを合わせた瞬間にそのまま懐に攻めこんで、距離をつぶす。奴がかわす前に、ボディブローを叩き込む。ダメージを逃がされるかもしれないが、アタシは奴より体が強い。
     ポイントをとって、判定勝ちすることは考えていない。アタシが勝つ唯一の方法はKO勝ちだけだ。
     試合は夜だ。あまり食べ過ぎると体が重くなる。おにぎりを二個だけ食べよう。勝った後のインタビューではないと答えようか?
     「彼氏が作ってくれた『噛ませ犬ごはん』のパワーで勝ちました」なんて言ってみようか?

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    (410文字)

    おしまい

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    初投稿2021/08/08。毎日投稿。2023年から「青ブラ文学部」。英語、文学、哲学、数学、noteのことを書いています。 『星空の恋の方程式』で創作大賞2025中間選考通過。『算数の時間 | 分数を理解しよう!』で「今日の注目記事」「今週のおすすめnote5選」に選出。

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