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神話物語 | 霧の女⑦

    山根あきら | 哲学者


    前話はこちら(↓)

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    どこをどう歩いたのか覚えていない。
    気がついた時には、ホテルのベッドに横たわっていた。

    自力でたどり着いたのだろうか?
    それとも霧の女の力に依るものなのか、私にはわからない。

    ただ、わかるのは、明らかにいつもと異なる心臓の動きをしていることだ。

    ふだん鼓動など、あまり気にかけることはなかったが、霧の女が私の心臓になってから、明らかに私の心の持ちようが変わった。

    妙にふわふわしている。
    心臓は体の中にあるはずなのに、左胸から青い閃光が放たれている。

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    私は明らかに、霧の女の素顔を見た。
    見たはずなのに、思い出そうとすればするほど、私の記憶の中から、霧の女の素顔が消えていった。

    しかし、私は「霧の女」のことが気になって気になって仕方なかった。

    その夜は、結局一睡もできなかった。
    日の光がカーテンから差し込んできた時には、私は霧の女の素顔をスッカリ思い出せなくなっていた。

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    「君の顔を思い出すことが出来なくなったよ」
     私は絶望感を持って独り言を言った。

    「私の顔なんて、忘れてしまっていいのよ」
     我が胸から放射される青い光が、私に語りかけているかのように光った。

     そして、次の瞬間、私は急に激しい眠気に襲われて、そのまま眠ってしまった。



    …つづく

    第8話はこちら(↓)

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    #霧の女
    #長編小説
    #神話物語
    #連載小説

     
     
     
    初投稿2021/08/08。毎日投稿。2023年から個人企画「青ブラ文学部」。英語、ことば、文学、哲学、数学、時々noteのことなどを書いています。 『星空の恋の方程式』で創作大賞2025中間選考通過。『算数の時間 | 分数を理解しよう!』で「今日の注目記事」に選出。

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