産後うつ。「ほぼ死体」からプロテインで蘇る。
「あぁ、もうこのまま朝が来なければいいのに。」
そんな、中二のマラソン大会前日のような切実な願いを、久しぶりに抱えながら目を閉じた夜。
思春期から30代前半まで、こんな思いを抱えて生きていた。
「死にたい」とはちょっと違う。自分で自分に手をかけられるほどの勇気もない。ただ、「生きていたくない」。生きづらい。目を閉じて、もう朝が来なければいいのに。そんな感じのことをずっと思ってた。
妊娠してからなくなったのに、また帰ってきた。
「よっ。ただいま。」って、まるで実家に帰ってきた時みたいな軽いノリで。
保育園に子どもを送り届けた後、ハンドルに額をつけて、しばらくそのまま動けない。
帰ったら洗い物がある。洗濯機も回さなきゃいけない。今日の夕飯なにつくろ。あと、あの仕事の返信もしなきゃ。頭の中にタスクがぐるぐる回ってるのに、体が動かない。
重い体を起こして、スマホを開き、検索窓に打ち込む。
「産後 いつ治る」
「産後うつ 1年経っても」
「産後 やる気出ない ずっと」
ポチッと開いても、何一つ心が動かない言葉が並んでいるだけ。
周りには「もう落ち着いたでしょ?」ってきっと思われている。子どもはすくすく育っている。夫もそれなりに協力的。恵まれてる。わかってる。それなのに、自分の中に、自分がいない。
「こんなことで苦しんでる自分が恥ずかしい」
「みんな普通にやってるのに」
「もっと大変な人なんていくらでもいる」
わかってる。わかってるんだけど。
視界に入るもの全部が「わたしが今からやらなくちゃいけないこと」で、「で、やったとて、なんになるんだ」と考え出すともう、何もしたくない。
✦️
冒頭の「眠って、そのまま朝が来なければいいのに」は、わたしの話だ。
中学生のころから、気分の落ち込みがひどかった。保健室に通い、カウンセリングを紹介してもらい、「なんで生きなきゃいけないの?勝手に産んだんでしょ、自分の意思じゃない」と、子どもながらに子どものようなことを言い続けていた。
二十歳ごろは心療内科に通い、薬漬け。先生に「もう死んでしまいたい」と言ったら「じゃあ入院してもらわなきゃダメだよ?」と言われてビビるような中途半端な不安定さ。
30代もPMSに振り回され、生理前になるたびに沼に落ちる。落ちたら数日動けない。なんとか這い出したと思ったら、また次の月がやってくる。
月の半分が、暗闇。
「自分はそういう人間なんだ」と思っていた。根っこが死にたがりの、生きづらい人間。そして変えられない性質。そう信じて疑わなかった。
今なら思う。
もうこれ全部、ただの「栄養不足」だったんじゃない??と。
思春期の頃はガリガリ体質で、食も細かった。
きっと栄養なんて足りてなかったと思う。
そんなわたしが、結婚して五年。不妊治療クリニックを経て、待望の赤ちゃんを授かった。
妊娠期間中は、人生で一番幸せだった。
脳内お花畑。毎日ご飯がおいしくて、肌はピカピカで、一生妊婦でいたいと本気で思っていた。
で、出産で、地獄に叩き落とされた。
前駆陣痛が四日間。
お腹をナイフでグサーーと刺されるような痛みが、数分間隔で、延々と来る。来ては去り、来ては去り、でも産院には「まだ来ないでください」と言われる。丸二日ほとんど眠れず、意識が朦朧としてくる。
「わたしには耐えられない。親になる資格がない。無理だったんだ」
脳内で満開だった花が、一瞬にして朽ち果てた。
これが女性ホルモンのジェットコースターなんだとしたら、凄まじい落差。
心が、崩壊していく音が聞こえた。
深夜3時、泣きながら産院に電話した。「一回来てみますか?帰ってもらうかもだけど」と言われながら、タクシーで母と産院に向かい助産師さんに診てもらった。子宮口は2センチ。まだまだ。でも入院させてもらえた。心底、安心した。
そこからの出産も壮絶だったけど、問題は生まれた後だった。
産後すぐのマタニティブルーズからの、産後うつ。
ご飯が砂の味になった。シャワーも歯磨きも億劫。誰が来ても涙が止まらない。赤ちゃんを産んだことを「なんてことをしてしまったんだ」と後悔した。わたしなんかが命を育てるなんて。
心にずっと冷たいツララが刺さっているような感覚。ヒヤリとして、ヒリヒリする。それが24時間消えない。夜が来るのが怖かった。朝が来て心底ホッとした。
トラウマ出産で「痛み」にめっぽう弱くなってしまったのにも関わらず、授乳問題で毎日どこかしらが痛くて、発狂しそうだった。
友人たちにはこう言われた。
「ほぼ死体」
うん。そうだった。生きてるけど、死んでた。
産後1ヶ月。耐えきれなくなって、Facebookに投稿した。出産報告とSOSを兼ねて。
ハッシュタグの一番最初につけたのは、「#SOS」。
投稿ボタンを押すまでに、どれだけ悩んだか。こんなこと書いたら迷惑がられるんじゃないか。承認欲求の塊だと思われるんじゃないか。でも、死ぬか迷惑がられるかの二択だった。もうほんと、誰でもなんでもいいから助けて欲しかった。
200件近いコメントと、数えきれないメッセージが来た。「実は自分もそうだった」と個人的に話してくれる人がたくさんいた。
あぁ、自分だけじゃなかった。
救われた。いろんな情報や励まし、寄り添う言葉に、なんとかそのしんどい期間を乗り越えられた。
そして産後1年半が経った頃。
妊娠中の脳内お花畑からの落差に、まだ心が追いついていない。仕事を再開してみたけど張り切りすぎて燃え尽きた。写真を撮ることが怖くなった。SNSに何かを投稿するのが怖い。
誰も自分のことなんて必要としていない。
何を書いても、どんな写真を投稿しても、きっと誰の心にも留まらない。
それが寂しくて悲しくて、何かを表現するのがとても怖くなった。
わたしの「コア」は、自己表現だった。
写真を撮ること、文章を書くこと、世界とつながること。それが全部できなくなるということは、わたしにとって、死に等しかった。
10年かけて築いてきたものが、消えてなくなった気がした。
仕事の信頼も失ったかもしれない。
みんなわたしを忘れたかもしれない。
あぁ、悲しい。
というわけで、ゼロからはじめよう、と思った。
人間いくところまでいけば、
勝手に次の道が見えてくる。
怖いけど、意外と0からやり直しても、
悪いようにはならなかった。(実体験済み)
さてここからが、本題。
ここまで読んでくれた方に、先に種明かしをしておきたい。
さっきもチラッと言ったんだけど。
わたしが30年間苦しみ続けた原因。産後うつ。月の半分の暗闘。「変われない自分」への絶望。
その正体は、メンタルの弱さじゃなかった。
身体だった。
ホルモンと、栄養。
もう笑っちゃうくらいシンプルな話なんだけど、これがわたしの人生を根っこからひっくり返した。
産後、荒れ狂う女性ホルモンの中で「もうだめだ、このままでは死んでしまう」と思って、婦人科に駆け込んだ。PMS用のピルを処方してもらった。
飲み始めてすぐ変わったわけじゃない。休薬日のたびに地獄だった。1日目は鬱、夫が近くを通るだけで猛烈な苛立ち、2日目でちょっと持ち直す、3日目にはまぁまぁ。その繰り返し。
でも、飲む前と後で、明らかに違った。
以前は月の半分が暗闘だったのが、しんどいのが2〜3日に縮まった。それだけで、見える景色が全然違った。
前は生理のたびに、今まで積み重ねてきたものが全て0にリセットされるような感覚になっていた。あれがなくなった。
同時に、栄養のことを猛烈に勉強した。栄養療法関係の記事や本を読みまくって、タンパク質と鉄分とマグネシウムの重要性を知った。プロテインを朝晩飲み始めた。
ただね、プロテイン、まずいのよ。
味付きのは甘味料がダメで吐きそうになるので、プレーン味を自分でココアや抹茶、ほうじ茶の味にブレンドして飲んでいる。
それでも飲みたくない時がある。でも自分の人生のために飲んでいる。
一時期、あすけんのアプリで毎日の栄養を管理していたことがある。
ほんと、いっぱい食べないと必要摂取量なんて取れない。しっかり食べてもプロテインやサプリなしでは補えない。
そんなにたくさん食べられる方ではないので、プロテインやサプリはありがたく使ってる。
私の場合はだけど、女性ホルモンだけでも、栄養だけでもうまくいかなかった。どちらかというと先に栄養。その上で女性ホルモンのコントロールをしているのが効いている。なぜなら、20代の頃に一時期ピルを飲んでいたことがあったが、その時はメンタルに関しては変化を感じなかったからだ。
それほど、今まで無頓着だった栄養の重要性を痛感している。
こんなことで?って思うかもしれない。
30年以上、「変わりたい」と思い続けて、心理学の講座も受けた、コーチングも受けた、カウンセリングも通った、自己啓発本も読みまくった。藁にもすがる思いで、ありとあらゆることを試した。
こう一瞬、パァァと視界が広がった気になるが、
日常生活を繰り返すうちに、どんどん元に戻るのね。
それがなんでか、わかった。
身体がボロボロだったからだ。
身体が、穴だらけのスカスカだった。栄養不足ってこと。そこに何を注いでも、スルスル流れ落ちていく。心理学もコーチングも「入れるもの」としては正しかったのかもしれない。でも、器に穴が空いてたら意味がない。
37年かかって、やっと気づいた。
先に、器の穴を直せと。
メンタルは、栄養がつくる。
そうして、ピルと栄養で身体を修復した。
次にやったのは、毎日noteを書くことだった。
2023年12月。燃えカスの状態で、100日連続チャレンジを始めた。
なんで毎日noteなのかというと、自己表現ができなくなった自分のリハビリのため。
元々3日坊主で嫌なことは習慣化できないタイプ。
だけど、今この状況で自分が変わるためにできることって、今までの自分がやってたことじゃダメなんじゃないかと思った。
だから当時の自分には無謀とも言える、100日間毎日書き続けるというチャレンジを課した。
「表現」がわたしの命なら、毎日ちょっとずつでも表現し続けることが、息をし続けることと同じだと思った。
100回書くのと、毎日書くのって全然違う。
価値のない内容を書いたり、完璧じゃない記事を投稿するのってものすごく勇気がいる。でも毎日投稿となったら、自分を隠していられない。
ちなみに、本名で投稿するのにビビって、「ぽんこつ母さん」という名前でアカウントを作った。笑
とにかく100日間、必死で書いた。
100日が終わっても、やめなかった。
100日を達成した時は、本当に嬉しかった。まだまだできそうって思った。
200日、365日、500日、700日——そして今、850日を超えた。
肺炎になっても書いた。インフルになっても書いた。息子が夜中に泣いて対応して、寝落ちして深夜3時にノソッと起きて書いたこともある。
この850日の間に、わたしの中で起きたことを書いてみる。
まず、新たな言葉で自分を洗脳し続けた。
「かろやかに、ふかふかの心で、常にしあわせ」
最初はただの願望だった。そうなりたいだけ。でも毎日毎日書いて、AIにも学習させて、ことあるごとに自分にその言葉を浴びせ続けた。
1年くらい経ったら、周りから言われるようになった。
「その"かろやかさ"を見習いたい」って。
え、わたしが?
あの、30年間ドロドロメンヘラをやってきたこのわたしが?
願望が、いつの間にか本物になっていた。
次に、メンタル筋トレ。
ネガティブな自己対話に気づいたら「なんちゃって〜」をつける。「あぁわたしってダメだなぁ……なんちゃって〜」。てへぺろ。バカみたいだけど、脳の回路が書き換わっていくのが実感できた。あと、ただただ観察し続ける。ジタバタしない。そんなこともやり続けた。結果、ネガティブな感情に沼らなくなった。
「やっぱりダメなんじゃないか」という呪いが後ろから追いかけてきたら、叩き斬る。一択。前を見て歩き続ける。「やっぱり」は「きっぱり」お断り。
そうやって、毎日毎日、地味に、地味に、筋トレした。
歯を磨くみたいに。ご飯を食べるみたいに。眠るみたいに。そんな「あたりまえ」になるくらい、ずっと。
吹けば飛ぶカスカスの最弱豆腐メンタルが、850日で最強こんにゃくプリプリメンタルに変わった。
こんにゃくって、すごいのよ。衝撃を受けてもプリプリのハリでバイーンと弾き飛ばす。お豆腐メンタルだとぐちゃっと吸収しちゃうけど、こんにゃくは弾く。
起こることは、起こるのよ。
自分が変わったからって、嫌なことがなくなるわけじゃない。
まぁまぁ最低なことも起こる。
でも、バイーンと弾き飛ばせるようになった。
以前みたいに沼落ちして動けなくなる、なんてことがなくなった。
先日も久しぶりに「やっぱり」が追いかけてきて、ひさびさに「でかいかも?」と思った。でも、たっぷり寝てプロテイン飲んで栄養摂ったら、ムクムクとまた心が満ちてきた。
「あぁ!!また乗り越えてしまったワタシ!」
この謎の高揚感、くせになる。
この850日の間の変化もすべて、noteにアウトプットし続けた。
自分の中に溜める癖がなくなって、血が巡るように何かが私の中で循環していった。
昔から、私は短命希望だった。
40歳ぐらいで死ぬと思ってた。
こんな世界で長く生きるなんてまっぴらごめんだと思ってた。
でも、30代後半になり、どうやらそう簡単には死ねないらしいと気づく。一回そこで絶望した。
で、考えた。
どうせ長く生きる(かもしれない)なら
楽しく生きたいわ!!!!
その心の叫びが聞こえた瞬間から、世界が変わり始めた。
鬱々としたまま80まで生きるなんてほんとマジでゴメンだわ。
「人生を楽しむ自分」なら今何を考えるか。
そして何を選ぶか。
それを徹底的にやる。
今わたしは、京都や東京で写真を撮っている。3000人以上の一般女性の撮影に携わってきた。その一人一人の内側にある「本物のキレイ」を引き出して、一枚の写真で可視化する仕事。
産後うつで死にかけた女が、人の「美しさ」を撮っている。
産後ご縁があって、20万部を超えるベストセラー書籍の表紙写真や、章扉の写真も担当した。
人生って、ほんとわからない。
あの時、Facebookに「#SOS」ってつけて投稿ボタンを震える指で押したわたしに言ってやりたい。
「2年後、あんたは脳内お花畑でわりとしあわせに生きてるよ。大丈夫。」
もしあなたが今、車の中で額をハンドルにつけて動けなくなっているなら。
まず、身体を見直してほしい。
わたしは婦人科に駆け込んだ。あの一歩がなかったら、今ここで書いていない。心理学でもコーチングでもなく、ヨガでもなく、まずプロテイン。鉄分とマグネシウムの必要性も調べてみてほしい。必要なら婦人科に行き、女性ホルモンとうまく付き合う方法を探ってみる。あと睡眠、運動。
それだけで世界の色が変わるかもしれない。
わたしがそうだったから。
そして、身体を直したら、毎日何か一つ、小さく表現してみてほしい。
「自己表現の悩み」を抱える人を13年ずっと相手して仕事してきたんだけど、みんな圧倒的に「アウトプット不足」。
インプットはもう十分、あとはそれを流して、循環させるってところをやる。それだけでスッキリしていく人、人生が動いていく人を何人も見てきた。
noteでもいい。日記でもいい。5%の出来でもいい。完璧を目指すより、まず出す。やる気を当てにしない。ハードルを限界まで下げる。
850日で、わたしは別人レベルで変わった。
30年以上「これは自分の性質だから変えられない」と固く信じて疑わなかった心の檻を、ぶち壊した。
あなたにも、できる。
断言する。根拠はない。
でも、この身体での40年分の実験データがある。
✦️
あとがき。
最近、プリンを作りまくっている。
家で作れる簡単なお菓子、を検索して出てきたのがプリン。
「え?蒸すんじゃないの?めんどくさそ」と思ってたんだけども、フライパンで蒸し器がなくてもできるし、なんならレンジでも簡単にできる。
卵、牛乳、砂糖。これだけでできちゃう。
しかもタンパク質摂れるやん。
というわけで、週2回くらいいろんなプリンレシピを試していて、「究極のとろとろプリン」を目指している途中です。
できれば、生クリームやゼラチンなしで作りたくって。
この前、出来立ての熱々プリンを味見したんやけど、なかなか新鮮で美味しかった。奥が深い、プリンの世界。
今日も読んでくださって、ありがとうございました。
⚠️サプリの摂取やピルについては、多少なりリスクがあります。自己判断ではなく、専門家の意見を聞いて取り入れてください。
[🔗 メルマガ「ぐうの音通信」(無料)]
毎日配信!
登録で2大特典プレゼント!
サービスの募集等すベてメルマガで行います🫶
[🔗 檻診断はこちらから(無料)]
3分ですぐ診断結果!
7つの質問であなたの心の檻を発見。
◇ コンテンツ◇
◦ サイトマップ - noteのオススメ記事
◦ 脱獄セッション - 見えない檻からの脱獄
◦ 撮影プラン - 今の自分をアップデート。ぶち上げていこう。
◦ ぽんこつショップ - ぽんこつは世界を救う。ポンコツねこグッズ販売
◦ Instagram - 撮影・イベント情報と自己表現の悩みの解決方法をお届け
◦ 質問箱 - 匿名で気軽に質問・相談OK。回答はnote記事にて。
🐈⬛自己紹介🐈⬛
変わりたいのに、変われない。 モヤモヤが堂々巡りして、また今日も同じ場所にいる——。
かつての私がそうでした。
最弱メンタルで情緒が荒れ狂う毎日。 産後はどん底まで落ちて、「このままじゃいけない」とわかっているのに動けなかった。
栄養を整え、自分の言葉を書き換え、写真を通じて自分の内側を見つめ直す。 小さなことを、地道に続けた。
今は「かろやかに、ふかふかの心で、常に幸せ」が日常です。
大丈夫。変われるよ。
✦ 京都在住|4歳息子&夫&猫2匹
✦ 13年間・3100人以上の変容に寄り添ったフォトグラファー
✦「脱獄セッション」「アイデンティティ基礎ワークショップ」主宰
✦ note850日連続投稿達成!その後メルマガで毎日配信|90歳まで継続宣言
読むたびに、「変われるかも」と思えてくる。そんなnoteをお届け。🫶
サイトマップ|Instagram| facebook|Threads|Webサイト
いいなと思ったら応援しよう!
このnoteに沼った暁には、ぜひチップお待ちしてます!