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のこるもの

    残したいものは何か。

    忙しそうな店内で、人と配膳ロボットが動き回る。

    「それでは失礼しまーす」

    語尾を伸ばす言葉遣いに少しだけイラッとしつつ、
    便利になった世界に喜ぶ人も多いのだろうと、想像する。

    セルフレジ、配膳ロボット。

    今まではサービスとして享受してきたものが、
    どんどん、購入する本人が自分でやらなければいけなくなってきている。

    変化を感じる一方で、
    同じ価格のまま、自分でやらなければいけないことが増えていくことに、
    物価の上昇や、円の価値の減少を感じて、
    未来が少し怖くなったりもした。

    AIや自動運転、配膳ロボット、セルフレジが叶える未来は、
    人間に何を残すのだろう。

    少し立ち止まって考える時間を持ちたいが、
    目まぐるしく変化するこの世界では、そんなことも許されない気がして、
    結局は走りながら考えるしかないのだろう。

    便利になるほど、
    人間らしさの定義が変わっていく。

    速く運ぶことでも、
    正確に計算することでもなく。


    誰かが育てた野菜の話を聞くこと。

    季節の匂いに気づくこと。

    写真を撮るために立ち止まること。

    誰かと食卓を囲むこと。

    どれも、一見、遠回りなものばかりだ。


    効率の悪いこと。

    迷うこと。

    誰かを気にかけること。


    役に立つかどうかでは測れないものが、
    最後まで人間にしかできないこととして、残るのかもしれない。

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    My Home ー April 2023
     
     
    地元の農家さんから届くお野菜や果物を販売しながら 光の中で、その“いのち”を写真で記録しています。 食べること、働くこと、撮ること。 ぜんぶ、つながっているから、 生活のひとつひとつを、大切に感じつつ。  Finding stillness through what I see.

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