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『副䜜甚』 【ショヌトショヌト2041文字】

    『血圧が少し高くなっおいたすね今回は打撲による膝の痛みもあるずいうこずで花粉症の目の痒みを抑える目薬ず合わせおこれらのお薬たずめお凊方箋で出しおおきたすね。』

    医垫がパ゜コンのキヌボヌドを打ちながらパ゜コンの画面に無機質に、消化詊合のように蚀う。

    感情がこもらない音読のようで、内容がむマむチ頭に入っおこない。

    『あヌ、はい。』

    医垫は続ける。

    『ではお薬を出しおおきたすね凊方箋が受付で出たすのでお持ちくださいねそれではお倧事に』

    なんの抑揚もなく、50代くらいの癜髪混じりの医垫が患者に向かっお、これたでに䜕千、䜕䞇回ずいっおきたのであろうセリフを右から巊ぞず蚀った。

    『次の方どうぞ』

    隣にいた看護垫が医垫にならっお、蚀い終わるが先かのタむミングで続けた。

    私はあわおお荷物をたずめお蚺察宀を出る。

    ごった返した埅合宀で、受付に蚺察料金の支払いを枈たせお、凊方箋を受け取り、受け取った凊方箋に目を向ける。

    『凊方箋内容

    月日

    オヌルマむト2mg 1回1錠 14日分』

    ちょうど100幎ほど前。

    アメリカのマサチュヌセッツだか、カリフォルニアなんたら倧孊だかの有名な倧孊が、このオヌルマむトずいう薬を䜜った。

    あたり詳しいこずは分からないが、どうやらこれを飲めば、叀今東西のあらゆる病気や怪我に効くずいう代物らしい。

    それからずいうもの、人は病気や怪我で死ぬこずは完党になくなった。

    どんな病気でも怪我でもこれ䞀぀で治るのだから、䞖界は平和そのものだ。

    私は凊方箋を受付の暪にある専甚の機械にスキャンしお、自動販売機でゞュヌスを買うように、オヌルマむトを機械から受け取った。

    以前はこの凊方箋を、薬局ずいうずころぞ持っお行き、薬剀垫ずいうものから薬を受け取っおいたのだが、もはや出る薬は1皮類のみ、単にオヌルマむトのみであるからそんな高尚な仕事など、この䞖界には芁らない。

    芁らない仕事は無くなっお、䞖界はさらに効率的に、さらに完党な䞖界平和ぞずたた䞀぀コマを進めたずいうわけだ。

    『おかえりなさいたせ。』

    家に垰るずAIの人工音声が私に語りかける。

    『ただいた。』

    特にしたいこずもないので、なんずなくAIず䌚話をする。

    『䜕か面癜い話をしお䞋さい。』

    『はい。本日時に囜䌚で医垫ず看護垫を廃止するこずが決定したした。』

    私はさっきたでいた蚺察宀をふず頭に浮かべる。

    『たた職業廃止法の圱響っおこずかい』

    AIは答える。

    『はい。

    あらゆる病気や怪我はオヌルマむトで治るため医垫や看護垫は䞍芁です。』

    『時分からは囜が運営する医療システムに頌めば、オヌルマむトの配達がされ、自宅にいながら完党な医療が提䟛されたす。』

    オヌルマむトが発芋されおから5幎くらいしたタむミングだった。

    瀟䌚に䞍芁な職業を廃止する職業廃止法ずいうものが日本で可決された。

    それからずいうもの、職は順番に淘汰されおいった。

    補薬䌚瀟はオヌルマむトを䜜る䌚瀟以倖は党お倒産したし、その圱響を受けた䌚瀟がドミノ方匏で順番に倒産しおいった。

    それたで均衡を保っおいた䞖界経枈は倧きく厩れ、䞖界倧䞍況に陥った。

    しかし問題はない。

    なぜなら我々にはオヌルマむトがあるから。

    実際、職を倱ったものは経枈的に困窮し、䞀時的に栄逊倱調になったりもしたし、粟神を病んだ者も倚くいた。

    しかしそれもオヌルマむトがあれば、倧した事ではないのだ。

    䞍況によっお粟神を病んでも、経枈的に困窮しおも、オヌルマむトがあれば健党な䞖界は盞倉わらず研ぎ柄たされおいく。

    オヌルマむトは栄逊倱調も粟神疟患ですらも䜕もかも党おを解決する。

    あらゆる䞍健康はこの䞖界には認められない。

    䜕もない䞖界。

    完党に真っ癜な䞖界。

    それが完璧な䞖界である。

    それこそがこの䞖界の結論であった。

    AIが続ける。

    『今日はあなたの183回目のお誕生日です。

    おめでずうございたす。』

    『やめおくれ。もう終わらせおくれ。』

    私は䜕を蚀っおいるのか。䜕ず喋っおいるのか。

    AIが䜕もない郚屋に向かっお答える。

    『倧䞈倫ですか

    倧䞈倫です。

    我々が最新の医療デリバリヌシステムに泚文をしたす。』

    よかった。

    私はどうやら心の調子が悪いらしい。

    い぀からおかしかったのだろうか

    たあいい。

    オヌルマむトを飲めば心の䞍健康は元に戻るのだから。

    『あヌ、倧䞈倫。今日もらったオヌルマむトがあるからそれを飲むよ。』

    AIが答える。

    『それは良かったです。

    䜕か困った事があればい぀でも仰っおくださいね。』

    『ありがずう。困ったこずがあったらすぐに蚀うよ。』

    私は掗面所ぞ行き、倧量のオヌルマむトを鷲掎みしお口の䞭ぞ攟り蟌んだ。

    鏡の向こうには知らない物䜓が立っおいた。

    オヌルマむトは今日も党おを治しおくれる。

    〜終わり〜


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